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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十九章◆◆ ちっちゃな剣士が操縦する巨大ロボットについてⅢ 「採算」
588/631

◆588◆

 道場経営に関してさぞ重要な話があるのかと身構えた所で、その構えの死角から直球で自身の結婚時期について問われ動揺しまくるエーレに対し、


「質問を変えましょう。あなたはいつ頃までにエーヴィヒさんと結婚したいのですか?」


 鬼検事の如く容赦ない追及を続けるシェルシェ。


「ま、まだ当分先の話よ! アウフヴェルツのCMの都合だってあるでしょうし!」


 激しく動揺しつつも、CMの仕事を言い訳にして何とか質問をはぐらかそうと試みるヘタレ、もといエーレ。


「CM出演の契約に縛られた自分が勝手に結婚する訳にはいかないと?」


「そ、そうよ! 確か契約違反になるはずだわ!」


「なら、CMを降りればいいだけの話です」


 逃げ道を与えると見せかけてしっかりその逃げ道を塞ぎにかかる鬼検事ことシェルシェ。


「いや、そんな簡単な話じゃないって! 代わりを探すのも大変だし!」


「『アウフヴェルツのCMマスコットは私の他にいない』、と言いたいのですね」


「言ってない! ただ、今は映画が大ヒットしたから、当分私を広告に起用せざるを得ない状況だって事!」


「つまりエーヴィヒさんとの結婚は、映画の公開が一段落してから、という事ですね?」


「い、いや、ほら、『劇場版エーレマークⅡ』の続編が製作されるかもしれないし!」


「続編の話ならもうなくなりましたよ」


「え、そうなの?」


「ええ。その代わり、『劇場版エーレマークⅡ』の設定の一部を流用したオリジナルのテレビアニメを製作するそうです。もちろん、そこにエーレは登場しません」


「それは助かったわ。じゃなくて! なんで私も知らない事をあなたが知ってるの?」


「コルティナから聞きました。ちなみにこの状況をお膳立てした仕掛け人も彼女です」


「何で部外者の素人が業界を動かしてるのよ!」


「その部外者の素人の類稀なる才能を業界も認めたのでしょう。今や彼女の提言は神託にも等しい力を持っている様です」


「神託と言うより魔女の呪文の方が近いんじゃない? 業界が滅びなければいいけど」


「コルティナの提言によって、映画でエーレ役を演じた声優がテレビアニメでも引き続き主役に抜擢され、さらにあなたの後継者としてアウフヴェルツのCMにも起用される見通しです」


「あ、それは良かったわ。いい子だし努力家だから、ぜひ頑張って成功して欲しい所ね」


「さて、これで彼女にCMマスコットの座を譲ったエーレは晴れて自由の身となる訳ですが」


「!」


 逃げ道を完全に塞がれたエーレ。

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