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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第三章◆◆ B級ホラー映画を鑑賞して殺人鬼を研究する小学生女子について
50/632

◆50◆

 バカ映画マニアの間で、


「監督と製作スタッフと役者の全員が、天然ボケ」


 と絶賛されたホラー映画、『歩く甲冑 ~呪われた剣士の亡霊が首を斬りにやって来る~』は、好評につき、その後も何作か続編が作られたが、


「天然ボケは、自覚した瞬間にその輝きを失ってしまう」


 大真面目にホラーを目指して結果的におかしくなってしまった第一作に比べ、意識的に笑いを取りに行く路線に走った事が仇となったのか、それらの評価は今一つである。


 また甲冑の中の人が、第二作以降は別の人に変更されてしまった事も、評価を下げる原因となった。


「やはり、第一作の甲冑の中の人の天然ボケこそ至高。他は偽物」


 甲冑越しでもマニアの眼はごまかせないらしい。


 それはさておき、このバカ映画鑑賞を終え、AVルームから応接室に戻って来たコルティナとエーレは、用意された紅茶とケーキを前にして、感想を語り合っていた。


「また、エーレのお父様が、甲冑の中の人役に復帰してくれたらいいのにね」


 というコルティナの無責任な提案に、


「そんなオファーが来たら、レングストン家の総力を挙げて阻止するわ!」


 本気で心配するエーレ。


 もっとも、第一作にエーレの父ムートが出演したのは、学生時代からの友人である監督に、


「ただでさえ少ない予算を使い込んでしまったんだ。助けてくれ」


 と、泣き付かれ、


「よし、及ばずながら力になろう」


 と、友情に駆られての一時しのぎであったのだが。


 その割に撮影中一番ノリノリだったのは、このムート本人だったという。


 名作を創るのは予算ではなく熱意である。


 ただし、熱を入れ過ぎると迷作になる危険性もあるので注意。

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