表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十六章◆◆ 乙女心と野望と面白半分が混じり合った結婚観について

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

484/638

◆484◆

「私は剣士という本業を外れて、タレントまがいの真似をする気はないわ!」


 大きいお友達向けアイドルへの転向を勧められ、ちっちゃくて可愛いけど根は熱血剣士なエーレがもう一度叫ぶ。


「うふふ、冗談だよー」


 そんなムキになったエーレを見ながら微笑みつつ、


「でも、私達の本業は剣士じゃなくて、剣術道場の娘って事じゃないかなー?」


 ふわふわと問いかけるコルティナ。


「同じ事でしょう?」


「違うよー。政略結婚の駒って意味ー」


「ああ、そういう事ね」


 シビアな現実を思い出し、冷静さを取り戻す名門レングストン家の令嬢エーレ。


「政略結婚の駒が、いつまでもアイドルとか戦闘ロボ『エーレマークⅡ』とかやってる訳にもいかないよねー」


「誰が戦闘ロボだ!」


 が、すぐに冷静さを失う「エーレマークⅡ」。


「エーヴィヒさんをずっと待たせておくのも可哀想だしー」


「なぜそこであの変態の名前が出る」


「もう婚約したも同然でしょー?」


「私はそんな人身売買契約に同意した覚えはないわ!」


「本人の意思なんて関係ないよー。私達は政略結婚の駒なんだからー。今のレングストン家とアウフヴェルツ家の密接な関係を考慮すれば、エーレの嫁ぎ先は決まったも同然だよー」


「で、でも! わざわざ結婚しなくたって、アウフヴェルツ社との良好な関係は維持出来るわ!」


「何かエーレ、自由でいたくて結婚を先延ばししようとあがくダメ男みたい」


「誰がダメ男だ!」


「もうどっちの家でも、『これ程の良縁はありませんねえ、おほほ』、な雰囲気が既に出来上がってるしー」


「見て来た様な嘘をつくな!」


「政略結婚のお相手が『最愛の男性』だなんて、エーレはどれだけ幸運に恵まれているんだかー」


「『最悪の変態』の間違いよ!」


「じゃあちょっと試してみようかー。エーヴィヒさんがグラマーで綺麗なお姉さんと腕を組んで歩いている所を想像してみてー」


「普段のあの男の行動からして、想像し辛い光景ね」


「それを見たエーレは面白くないんじゃないかなー?」


「全然。何か珍しいものを見た感じはするけど。街中を散歩するペンギンとかと同じレベルで」


「なるほど、『絶対自分一筋だから、浮気する可能性はないもん!』、という自信があるとー」


「誰がそんな事を言った!」


「じゃあもうちょっとレベル上げてみよーかー。エーヴィヒさんがそのお姉さんと抱き合ってキスしてる所を想像してみてー」


「な……!」


「今、動揺したねー、エーレ?」


「と、突拍子もない事言うから、驚いただけよ!」


「さらにレベルを上げて行くよー。エーヴィヒさんがそのお姉さんと裸でくんずほぐれつしてる所を想像してみてー」


「想像させるな! ってか、セクハラオヤジかあんたは!」


「顔が赤いよー?」


「やかましい!」


 からかいがいのあるちっちゃなエーレ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ