表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十四章◆◆ 圧倒的な才能と最新鋭の技術と天賦の洞察力との三つ巴戦について

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

434/638

◆434◆

 先のマントノン家の大会では組み合わせの関係と巨大怪獣ミノンの快進撃により実現しなかった為、これが約一年ぶりの対決となるエーレ対コルティナの準決勝戦。今回のテーマは戦闘ロボット対ふわふわ魔女。


 観客達が面白半分にそんな妄想設定を創り上げて見守る中、特にそのテーマとは関係なく、左の短剣を軽く前に突き出し、右の長剣を頭上に振りかぶって攻撃の機会を窺うエーレと、ふわふわと中段に剣を構えて、これをふわふわと迎え撃たんとするコルティナが、互いに距離を取ってにらみ合うというお馴染みの構図から試合は始まった。


 が、この構図は長く続かず、試合開始から五秒も経たないうちに、エーレが真っ向からコルティナに突進し、左の短剣で相手の剣をブロックしつつ、右の長剣で左胴を斜め上から打ち据え、きれいに一本を決めてしまう。


 この狙い澄ましていたかの様な、あざやかなエーレの速攻に、


「エーレマークⅡの性能がふわふわ魔女の予知速度を超えた」

「ここまでのレングストン家のマークⅡはほぼ分析済みかもしれないが、二刀流のマークⅡはこれが初めてだもんな」

「ただの二刀流のマークⅡじゃなく、エーレマークⅡだ。エーレがマークⅡな所が一番重要なんだ」


 観客達の脳内では、背中のロケットエンジンから炎を鋭く噴射して突進する戦闘ロボエーレマークⅡが両手に持った剣で、敵のふわふわ魔女を魔法で張った光り輝く障壁ごと切り裂く場面に変換されていたりいなかったり。


 そんな妄想はさておき、エーレ、コルティナの両者が初期位置に戻り試合が再開されると、一本先制されても慌てず騒がずふわふわと中段に剣を構えたコルティナに対し、再びエーレが正面から素早い突撃を敢行。


 今度はエーレマークⅡに左側頭部を長剣で打たれたものの、同時にその長剣を持つ右手を、ふわっ、と打って相殺するふわふわ魔女。


 そのまま鍔迫り合いになった後、両者少しずつ互いに剣をずらしながらゆっくりと離れ、剣と剣が離れた瞬間、エーレの長剣が再びコルティナの頭上を狙うが、コルティナは剣をふわっと持ち上げ、これを防御。


 これをきっかけにして、エーレはやたら速いリズムを刻むドラマーの様な二剣による激しい乱打をコルティナに浴びせ始めるが、コルティナはこれをふわふわとした必要最小限の動きでことごとく防ぎ切り、観客席から感嘆のどよめきが起こる。


「いつ見てもすげえな、コルティナのあのふわふわした剣さばきは。本当に剣に魔法が掛かってるんじゃないかって、つい錯覚するわ」

「実際魔法だろ、エーレマークⅡの戦闘パターンにこんなに早く対応しちまうんだから」

「だが、そのふわふわ魔女も防戦一方で、反撃が出来てないぜ。こいつはひょっとすると」


 観客達の予想通り、その後ふわふわ魔女はエーレから一本も奪う事が出来ずに時間切れとなり、最初の一本先制を守り切ったエーレの判定勝ちが確定する。


「パソコンメーカーの開発した戦闘ロボが、菓子屋の広告塔のふわふわ魔女に勝ったぞ!」


 妄想設定を暴走させて、さらに訳が分からない絵面に変換してしまう観客達。


 一体どんな話だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ