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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第三章◆◆ B級ホラー映画を鑑賞して殺人鬼を研究する小学生女子について

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43/636

◆43◆

 すぐに終わるかと思いきや、女子学生のシャワーシーンが始まってから、早や五分が経過。未だ終わる気配なし。


 男性の観客からの苦情は少ないと思われるが、小学生女子にとっては、ええかげんにせえ、と文句の一つも言いたくもなろう。


 もっとも、惨殺シーンの連続に怯えていたエーレは、もうこのまま最後までシャワーを浴びていればいいのに、と、男性とは別の観点から、この展開をありがたく思っていたのだが。


「そろそろ来るよー」


 コルティナはふわふわした口調で、そんなエーレの願いを打ち砕く。


 その言葉通り、女子学生がようやくシャワーを止め、濡れた体をバスタオルで念入りに拭き、それを体に巻いてシャワールームのドアを開けた途端、外に立っていた甲冑とばったり遭遇した。


 思わず甲高い悲鳴を上げる女子学生だったが、これだけ長々と水音を立てていれば、気付かれるのも無理はない。「この部屋にいます」、と自分から教えている様なものである。


 しかし、レディーのシャワー中には決して乱入せず、シャワールームの外で、終わるのを律儀に待っていたこの甲冑、中々の紳士と言えよう。


 そんな奥ゆかしい気遣いを無視して、再びシャワールームに逃げ込む女子学生の後から、血塗られた剣を片手にゆっくりと迫る甲冑紳士。


 バスタオルをはだけ、露わになった豊満な胸をたゆんたゆん揺らしつつ、短い悲鳴を断続的に上げながら、狭いシャワールームの中で必死に逃げ惑う女子学生だったが、結局最後は甲冑紳士に首を刎ねられてしまう。


 サービスシーン終了。


 場面替わって、今度は没落貴族の寝室。そこへ逃げ込んだ男子学生が、何か武器はないかと部屋のあちこちを調べていた。


 机の引き出しを開け、その中にあった拳銃を手に取った丁度その時、寝室のドアが開いて甲冑が入って来る。


「ちくしょう、やられてたまるか!」


 男子学生は拳銃を構え、甲冑に狙いを付けて撃ちまくった。


 が、よっぽど丈夫な造りと見え、甲冑は拳銃の弾を全て弾き返し、傷一つ付いていない。


 男子学生は忌々しそうに拳銃を床に放り出し、今度はベッドの方に駆け寄った。


 ゴソゴソと枕元を探ると、何とそこには二本のトンファーが!


 これを見たコルティナは、ソファーに横倒しになって、


「没落貴族のベッドに……なんでトンファーが……ククッ」


 息をするのも苦しそうな位笑っていた。

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