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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十四章◆◆ 圧倒的な才能と最新鋭の技術と天賦の洞察力との三つ巴戦について

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◆411◆

 その後は大方の予想通り、マントノン家の守護神として防衛の任に当たる巨大怪獣ミノンと、ララメンテ家のいま一つ何を考えているのかよく分からないふわふわ魔女コルティナが、決勝戦まで勝ち進み、


「三年前の中学生の部の再現だ。あの時もミノンとコルティナで決勝だったよな」

「あの時はミノンの猛攻にコルティナがやられた形だが、今回も同じパターンかも」

「『歴史は繰り返す』、ってやつか。まあ、高校生の部は一昨年、昨年と外部に蹂躙されてたから、マントノン家としては、ミノンに何としても勝ってもらいたい所だろうよ」


 観客達は三年前の記憶と照らし合わせて、今回もミノンが優勝する方に予想が傾いている。


 そんな過去の事など意に介さぬとばかりに、荒波を受けてもびくともしない巨大な巌のごとく泰然自若とした様子のミノンと、風に舞うレジ袋さながらにふわふわとした様子のコルティナが、いよいよ試合場の中央に進み出た。


 互いに一礼の後、試合開始となり、片やずっしり、片やふわふわ、対照的なこの二人が間合いを取って対峙する。


 剣を豪快に上段に大きく振りかぶるミノンと、剣をふわふわと中段に構えるコルティナを見て、


「いよいよもって三年前の再現か」

「いや、あの時に比べると、ミノンは妙に落ち着きがある。体が大きく重くなった分、動作が緩慢になったのかな」

「エーレとの試合じゃ、あのでかい図体で激しく動き回ってただろ。それより、コルティナも三年前に比べて一層ふわふわしてるというか、軽くなってる気がする。体は成長してるから、体重が軽くなってるはずはないんだが」


 ミノン対エーレ戦の時は二人のサイズの比較にしか目が行かなかった観客達だが、今回は三年という月日がもたらしたそれぞれの剣士の成長ぶりに、改めて気付かされた様である。 


「となると、エーレも、いくらか成長してたんだろうな」

「そりゃそうだろ。外見が三年前とあまり変わらないから、気付きにくいだけで」

「ミノンがでっかくなった分、逆に一層ちっちゃくなった様な錯覚に陥ってた」


 ミノン対コルティナ戦なのに、引き合いに出されて不当に貶められるエーレ。


 もちろん、観客達に悪気はない。ただ、可愛い小動物としか思っていない。

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