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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十二章◆◆ 女当主による本物の人間を使った実験について
376/635

◆376◆

「冗談はさておき、今後もこの様な公開合同稽古を時々開催する予定です」


「冗談はともかく、大会実現に向けての予行演習を積み重ねさせる訳だな」


 マントノン家の書斎で、現当主シェルシェによる「エディリア格闘界乗っ取り」、もとい「全国格闘大会推進委員会(仮)への協力」について、前々当主クぺに相談するという形を借りての一方的な報告が続く。


「それに加えて、参加している皆さんの道場を宣伝する狙いもあります。休日の小学校の体育館を使用したのも、子供達の興味を惹く為です」


「自分達のテリトリーで何か変わった事をやっていたら、覗いてみたくなるのが人情だからな。ナワバリをパトロールする猫と同じで」


「ええ。実際、普段そこに通っている子供が結構見学に来てくれたそうです。入口に置いてあった各道場のチラシやパンフレットも、かなり持って行ってくれたとか」


「道場経営の要は、多くの子供を集める事と言ってもいいからな」


「ふふふ、先の長いお得意様ですからね。今後は地域的に偏りのない様、皆さんの道場の近辺を転々と回って開催する予定です」


「全国ツアーだな、まるで」


「全国格闘大会の実現はまだまだ先になるでしょうし、これをきっかけに入門した子供達を出場選手として育てる時間は十分あります」


「目安としては十年位か。準備期間には十分だ」


「その間に『全国格闘大会推進委員会(仮)』を、現在の私的サークルから法人格を持った公式団体に昇格させて、いくらか政府の協力も取り付けるつもりです。その申請の為にも、この様な公開の場での活動の実績を多く残しておいた方が有利なのです」


「国から助成金を取る気か」


「ふふふ、高い税金を払っているんです。ちょっと位、政府が助けてくれても良いではないですか」


 その「ちょっと」とはどの程度なのか。


 どうか孫娘が暴走してエディリア政府に対する助成金詐欺で捕まりません様に、と心配するおじいちゃまだった。

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