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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十一章◆◆ 姉より優れた妹が存在するかどうかについて 
355/635

◆355◆

 ふわふわ魔女コルティナの、下手をすると大会の進行妨害とみなされて会場からつまみ出されかねない奇策が功を奏して「大道芸人」パティの仕掛けた幻術が破られたのか、それ以降の試合でのララメンテ家の選手達は、見慣れぬ二刀流の構えにも臆する事なく、


「どんなにスタイルを変えても、本質はそう簡単に変えられるものじゃないからねー」

 

 というコルティナのアドバイスを思い出し、徐々にパティの攻撃にもタイミングを合わせられる様になって来た。


 彼女達が善戦している姿に触発されたのか、レングストン家の選手達も持ち前の熱血スポ根気質で立ち直り、


「思いきって打ち合ってみると、エーレさんの二刀流の方が手強い」


 と、二刀流の第一人者が身内にいる有利を活かし、反撃に転じて行く。


「あの子達も、どうにか落ち着きを取り戻した様ね。コルティナ様々だわ」


 そう言っている本人が一番落ち着きを取り戻せているエーレ。


「せめて、もう少し早く落ち着きを取り戻せていたらなあ」


 ほっとしつつも、相変わらず悲観的なままのティーフ。


「どんな状況であれ、諦めずに最後まで頑張る事が大切なのよ」


 エーレはそう言うものの、ティーフの言う通り時既に遅く、その後の選手達の健闘もパティの優勢を覆すまでには至らなかった。


 一方、妹の「大道芸人」パティとは対照的に、戦闘スタイルが三大会を通して全く変わらない「巨大怪獣」ミノンも、データ分析による自身への対策を物ともせず、準決勝戦まで全ての試合を一分以内に終わらせるという快挙を成し遂げる。


「『巨大怪獣』の面目躍如だねー。戦闘スタイルは変わらないのに、大会ごとにパワーアップして来るよー」


 流石のふわふわ魔女も、その分析速度を越えて成長するこの『巨大怪獣』には打つ手なし、といった様子。


 結局、決勝戦は前回同様ミノンとパティの姉妹対決となり、観客達は待ち望んだ展開の実現に大いに喜び、敗れた選手達も無念を上回って余りある興味を抱いて、この事実上の最強決定戦を見守った。


「皆、この一戦をよく見ておくのよ。いつかあの二人に打ち勝つその日の為に」


 熱血スポ根気質全開で、敗れた後輩達に観客席から念を送るエーレ。


「ここで、横断幕をもう一度引っくり返したら笑いが取れないかなー」


「やめなさい」


 お笑い芸人気質全開で、観客席の仲間達にしょうもない事を提案して窘められるコルティナ。

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