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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十一章◆◆ 姉より優れた妹が存在するかどうかについて 
352/635

◆352◆

 ララメンテ家のふわふわ魔女ことコルティナは、本部道場の大会議室に中高生の選手達を集め、次の自家開催の大会に向けて直前集中対策指導を行っていた。


 この時のコルティナは黒いローブにトンガリ帽子の魔女コスプレをしており、なぜかテーブルの上には、表面に可愛らしい顔を彫って中身をくり抜いたオレンジ色のカボチャまで置いてあったが、もう慣れてしまったのか、そんな事位では誰もツッコミを入れようとしない。


「まずは、中学生のパティとミノンから。今年のこの二人の強さは異常だねー。この前の大会で、唯一パティから一本取ったレングストン家のあの子は、本当にすごかったよー」


 そんな奇行癖のある問題魔女でも、やはりその剣才と分析眼は誰もが一目置く所であり、そのふわふわな言葉の一つ一つに選手達は一応真剣に耳を傾けている。ある意味、絶対に笑ってはいけない状況でタレントが笑いを堪えるという趣旨のバラエティー番組に似ていなくもない。


「それだけレングストン家のデータ分析が侮れないって事の証明でもあるねー。パティが打って来るその瞬間を狙ってカウンターで突きを入れる戦法は、レングストン家の他の選手達もやってたしー」


「それは気付いてました」

「他にも何種類かの対策を実行していた様な気がします。皆、不発に終わったみたいですが」

「つまり私達も、その対策を取り入れてパティさんを攻略しろ、という事ですか?」


 ふわふわ魔女相手に真面目に意見を述べる女子中学生達。


「普通の相手だったら、それもアリだねー。でも、『大道芸人』パティだと、そう簡単には行かないんだよー」


「もう、その対策自体、対策されてしまっていると?」


「対策以前に、『大道芸人』パティの事だから、きっと戦闘スタイル自体をガラリと変えて来るねー。噂では本部道場にも姿を見せてないらしいし、密かに調整中じゃないかなー」


「となると、今までのデータ分析が全部無駄になっちゃいますね」


「パティの場合、戦闘スタイルを変える事は、付け焼刃と言うより、アタッチメントの交換みたいなものだからねー。ただ、その本質は変わらないから、そこに注目していくしかないよー。例えば――」


 コルティナはホワイトボードに簡単な絵を描いて、いくつかの基本動作を見破る方法を教え、


「それとー、パティの性格からして、やる可能性が高い事が一つあるんだけどー」


 普通ならば突拍子もない様に思える大胆な予想を披露し、その場にいた皆を驚かせた。

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