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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第九章◆◆ 美少女剣士達のメディア戦略について
308/635

◆308◆

「またコルティナさんにしてやられました。ああまで大胆な事をやられてしまった後では、せっかくのエーレさんの水着姿のインパクトも少し霞んでしまいます。残念です」


 コルティナが出演したアトレビドのエロCMの放映後、早速セクハラまがいの感想を電話で伝えて来たエーヴィヒに、


「いえ、別に残念とも思いません。向こうが先に恥ずかしい事をしてくれたおかげで、こちらの恥ずかしさが霞むのなら、むしろ感謝したい位なんですが」


 うんざりした口調で答えるエーレ。


「CMに限らず広告は、その表現の細部に至るまで吟味し、『受け手にどの様な効果を与えるか』をあらゆる角度から徹底的に計算する事が大切なのです。今撮影中のCMについても、主軸に据えているのは『エーレさんの可愛らしさ』ですが、『水着姿が醸し出すささやかな色気』も同時に狙っていたもので」


 「ささやかな色気」って、それはそれで失礼だろ。


 一瞬そう思ってしまった自分を恥じつつ、


「CM制作も大変ですね」


 エーレは冷静さを装い、「私はささいな事でキレるお子様じゃないのよ」、とアピール。


「あのCMを見た制作チームは、現在緊急会議を召集しています。議題は『裸ローブに負けない為には、どんな演出が必要か』というものです」


「大の大人が夜中に集まって何の話をしてるんですか」


 ちょっと冷静さを失いそうなエーレ。エーヴィヒは大真面目に、


「これまでに挙がった案としては、『水着のお尻部分をクイッと指で直す仕草』、『水着を少しズラして日焼けと白い肌との境目を強調』、『波に流されてしまう水着から手ブラへ』、『浜辺でリンボーダンス』、『ポロリもあるよ』等ですが」


「すみません、その案を出した変態を全員、セクハラで告訴していいですか?」


「安心してください、エーレさんをお色気担当扱いするこれらのふざけた案は、全て私が強硬に反対しましたから」


「そうですか、安心しました」


 ちょっとエーヴィヒを見直すエーレ。


「やはりエーレさんの魅力を引き出すには、『大人のお色気』より『ちっちゃい子のかわいらしさ』を主軸に据えるべきだと思うんです。私が代案として強く推したのは、『海から上がった後、お兄ちゃんにバスタオルで髪をわしゃわしゃと拭かれる』というものですが」


 エーヴィヒのマニアックなこだわりに少し怖気を感じつつ、


「私は高校生なんですが、一応」


「大丈夫、十分絵になります」


「ならない方が嬉しいです」


「エーレさんの髪をわしゃわしゃと拭く役は、ぜひ私にお任せください」 

「断る!」

 

 ついにエーレがキレた。

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