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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について

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226/638

◆226◆

 先のレングストン家の大会で、ティーフが三年前シェルシェに惨敗を喫した時とほぼ同じシチュエーションでその妹ミノンに勝利し、名誉を挽回した事は記憶に新しい。


 が、コルティナの場合、三年前にシェルシェに惨敗を喫して、今回ミノンに勝利した事では同じでも、


「コルティナって、そういう事を全然気にしてないイメージしかない」

「年々ふわふわ度が増して、浮世離れに拍車が掛かっている気がするもんな」

「あのふわふわを見てると、何かこう、気が楽になって来る」


 名誉挽回に関係なく、すっかり癒し系のゆるキャラ扱いになっていた。


 一方、惜しくも敗れたミノンは、一本取られた直後こそ非常に悔しそうな様子であったが、脳筋だけあって立ち直りが早く、マスクを取り、コルティナと抱き合って互いの健闘を称え合う頃には、もう強敵と剣を交えられた喜びの方が大きくなっていた。


「見事な一打でした。あの後、剣を両手持ちに変えて、一気に畳み込むつもりだったのですが」


 自分の手の内を、喜々として解説するミノン。


「それはシェルシェの作戦?」


 ふわふわと尋ねるコルティナ。


「はい、徹底的に指導されました」


「道理でお姉さんに似てると思ったー」


「そんなに似てました?」


「特に片手で上段に剣を構えた時とかー」


「ああ、三年前にシェルシェがとった戦法ですね」


「まるであの時のシェルシェが、そのままミノンに乗り移ってたみたいだったー」


「はっはっは、違いありません。シェルシェもコルティナさんと戦いたがっていましたから」


「シェルシェは変わってないねー。三年前のデータが、今になっても使えるとは思わなかったよー」


 そう言ってコルティナは目を閉じ、


「でも懐かしかったなー。シェルシェと試合をしてるみたいだったー」


「それを聞いたら、シェルシェも喜ぶでしょう」


「部屋の整理をしてたら、古い雑誌が出て来て、つい読みふけっちゃう感じかな?」


「すみません、その例えはよく分かりません」


 二人はシェルシェをダシにして笑い合った。

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