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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について
224/632

◆224◆

 会場の盛り上がりが最高潮に達する中、決勝戦は延長に突入し、時間無制限、どちらか先に一本取った時点で優勝が決定される事となる。


 延長戦でも特に変わる事なく、ふわふわと突っ立って、剣を中段にふわふわと構えるコルティナに対し、距離を取って対峙するミノンは、戦闘スタイルを先程までとはガラリと変えて来た。


 軽快なステップを踏むのをやめて、小刻みに振っていた剣を頭上に振りかぶり、上段に高く構えてピタリと静止したのだ。


「お、いつものミノンだ」

「やっぱり巨大怪獣が剣を振りかぶると迫力があるなあ」

「今までぴょこぴょこやってたのは、慣れている一撃勝負に持ち込んで、一気に決着を付けるつもりだったんだな」


 観客達も、今やすっかりミノンの意図を理解した様子。


 しかし、さらに、ミノンが振りかぶった剣から右手を離し、左手だけで柄を持つに及ぶと、


「え? 何だありゃ、ミノンが最初から片手?」

「左手だけで打つのはよくある事だが、構えから左手だけってのは珍しいな」

「何か策があるのか? 策を弄するミノンなんて似合わねえや」


 予想外の事態にざわつき出す観客達。


「三年前の再現ね」


 そんな中、エーレは一つの可能性を示唆した。


「あ、ララメンテ家の小学生の部の大会で、シェルシェがコルティナと決勝で戦った時の!」


 隣でそれを聞いたティーフが合点する。


「ええ。あの時、延長戦の末、シェルシェは左手で上段に構えてコルティナを破ったわ」


「じゃあ、あの構えは、シェルシェが指導したものか?」


「試合に出場出来なくなった殺人鬼の亡霊が、巨大怪獣の体を借りて、かつての好敵手と一戦交えようとしてる、って所かしら」


 設定だけ聞くとB級ホラー映画にも程があった。


 しかしB級ホラーマニアなら、「そんなバカ映画なら、是非見届けなくては」、とテンションを上げる事だろう。

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