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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について
198/635

◆198◆

 三年前、レングストン家の剣術全国大会の小学生の部に単身乗り込み、ほとんど一方的な大量殺戮に近い試合を繰り広げた果てに優勝をかっさらった、「不死身で無敵な殺人鬼」ことシェルシェの決勝戦の相手となったのが、このティーフである。


 決勝でシェルシェと当たったのは主にクジ運だが、現在の様に他家から強豪選手が出場して優勝する事などまずあり得なかった時代、突然襲撃して来たこの殺人鬼からレングストン家の名誉を守る最後の大役を押し付けられたティーフはそのプレッシャーに負け、非常に悔いの残る試合内容で敗北してしまった事は、以前に述べた通り。


 その後ティーフは悔しさをバネにして、打倒シェルシェを目標に猛練習に励んだものの、運命のいたずらによって殺人鬼シェルシェはマントノン家の当主を継ぐ事になり、他家どころか自家の大会にすら出場する事が出来なくなり、その殺人鬼生命を断たれてしまう。


 つまり、ティーフは、


『最も注目を浴びていた大一番で無様に敗れた選手』


 という汚名を返上出来なくなってしまった。


 それがこうして今日全くの偶然により、シェルシェ本人ではないものの、その実の妹にして姉に勝るとも劣らぬ強豪ミノンと、全国大会の決勝戦という晴れ舞台で、レングストン家の名誉を守る大一番を戦える事になったのである。


 これに勝利すれば、三年前の屈辱を晴らす事が出来るとあって、ティーフの闘志は燃えに燃えていた。


 その熱気を間近でひしひしと感じたミノンも、「これはいい戦いが出来そうだ」と、試合前から非常に嬉しそう。


 どうせ消化試合だろ、と決勝戦そのものにはあまり興味がなく、ミノンの二冠達成の瞬間だけが待ち遠しい観客達が見守る中、ティーフとミノンは互いにボルテージMAXの状態で試合場へと進み出る。

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