表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について
197/632

◆197◆

 エーレ、コルティナの強敵令嬢二人を破り、二冠達成までの秒読み態勢に入った巨大怪獣ミノン。


 観客のほとんどは、「コルティナと戦った準決勝戦こそが事実上の決勝戦」であったと確信しており、決勝戦の対戦相手となったレングストン家の選手の名前を聞いて、


「ティーフ・エルンストって、何か聞き覚えがある名前の様な気がするんだが」

「思い出した。三年前、小学生の部の大会の決勝で、シェルシェに負けた子だ」

「今回もミノンには勝てねえだろ。歴史は繰り返すんだな」


 その不思議な因縁に多少思う所はあったものの、それでどうという事もなく、やはりミノンの大会優勝を信じて疑わない。


 三年前、小学生だった時は優勝候補の一人だったティーフも、中学生になってからはあまりパッとせず、同じ学年のエーレが華々しく活躍する影で、地味なその他大勢の選手達の中に埋もれて行き、再び頭角を現す様になったのはここ最近になってからである。


 このティーフ、背は高く、体つきもがっしりしており、短髪でボーイッシュな顔立ちという、ミノンと似た所がないでもなかったが、いかんせん、ミノンの方がいずれのスペックも高く、そう言った意味でも丁度いい引き立て役になっていた。


「三年前の試合の再現だねー。あの時のティーフはプレッシャーでガチガチだったけど、大丈夫かなー」


 ミノンに準決勝で敗れたばかりのコルティナが、それより先に敗れていたエーレの元にやって来て言う。


「三年前、シェルシェに勝ち逃げされたままだったティーフが、こうして同じシチュエーションで妹のミノンと戦えるのは、願ってもない機会よ」


 エーレはそう言って、にやりと笑い、


「これに勝てば、ティーフのトラウマも克服されるわ」


 ただし負けたら、ティーフのトラウマが増える可能性もなきにしもあらず。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ