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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について
191/632

◆191◆

「そんな訳で、パティは地下倉庫に閉じ込めておきました」


 シェルシェは仮面の様な微笑みを浮かべながら、書斎で祖父クペにこれまでの経緯とその結果を簡潔に報告した。


「少しやり過ぎの様な気がするが」


 シェルシェの妹に対する残酷な仕打ちに、やや引き気味のクペ。


「レングストン家との友好関係を危うくする様な真似をしたのですから、これでも甘い方です」


「まだパティは十一歳の子供だ。ちょっとふざけた位、大目に見てやってはどうだね」


「年齢性別を問わず痴漢は犯罪です。あの子は可愛いものに対して見境がない所がありますから、今の内にその辺をしっかり矯正しておく必要があります。どんなに小さくて可愛くても、エーレは犬猫ではありません」


「スポーツニュースで流れた映像を見る限り、さほど問題はないと思ったが」


「そうやって小さな事を見逃していると、性犯罪はエスカレートして行くものです」


「あまり神経過敏になるのもどうかと思うがな。それはそれとして、パティが二刀流の本場に二刀流で乗り込んで準優勝まで行った事は、素直に評価すべきだろう」


「ええ、パティには非常に多種多彩な剣の才能がある様です。猪突猛進の一本気なミノンと比べて、パティはトリッキーで駆け引きの上手さが目立ちます。あの子の特質を活かすには、剣だけでなく、色々な事をやらせた方がいいでしょう。それらはきっと剣においても役立つはずです」


「正に『大道芸人』だな」


「ふふふ。ですが、芸人は羽目を外しがちなもの。マントノン家の名を汚さぬ様な節度ある振舞いをさせる為に、パティは今後もしっかり教育する必要があります」


「だが、今回の件はもういいだろう。そろそろ地下倉庫から出してやってはどうかね」


 真っ暗な地下倉庫で一時間以上一人で正座させられている孫娘の身を案じるおじいちゃま。


 しかし、この位の仕打ちで懲りる様な変態とは変態のレベルが違う事を、今後パティは事ある毎に証明する事となり、シェルシェの悩みの種の一つとなるのであった。

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