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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について
187/635

◆187◆

 負けてもなお「場の支配感」が消えないだけの魅力を持つ大道芸人ことパティは、試合終了後、防護マスクを脱いで勝者のナーデルに歩み寄って抱き付き、


「優勝おめでとう。本当にいい試合だったわ」


 と、相手の耳元に口を寄せ、無駄に色っぽい口調で甘く囁いた。


 耳に息を当てられたナーデルは思わず、ビクッ、と背筋に電気が走る様な感じがして、顔を紅潮させつつ、


「は、はい。こちらこそ、本当にいい試合をさせてもらいましたぁ」


 少し声を上ずらせて、やっとの事で答える。


「二刀流に慣れてるみたいだったけれど、エーレと稽古したの?」


「は、はい。色々と、指導してもらいまひた」


 至近距離で見るパティの顔は、地味な顔立ちのナーデルにとって、「本当に同じ人間なの」、と賛嘆を通り越して呆れ果てる程美しく、そんな美少女に防具越しとはいえ、ぎゅっと抱きしめられると、女の子同士でもどぎまぎしてしまう。


 もはや健闘を称え合うというより、別の何かいかがわしい場面にしか見えなくなって来た二人を眺めつつ、


「公衆の面前で、あの子達何をやってるの」


 と、ようやく仲間達からの集団痴漢から解放されたエーレが、何かおぞましいものをパティに感じ、片や別の場所からパティとナーデルを観察していたコルティナは、双眼鏡を目に当てたまま、


「これはこれでお金が取れそうだねー」


 などと意味不明な供述をしており、周囲から少し引かれていた。

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