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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について
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◆180◆

 閉会式が終了し、女子控室に戻ったミノンは、エーレ、コルティナをつかまえると、今日の大会について喜々として喋り出した。


 三家三様の美人令嬢が、親しげに顔を突き合わせて話をしている光景に、


「美少女二人と美青年一人が並ぶと絵になるわぁ」


 と、他の選手達もつい見とれてしまう。


 ここでの美青年とは大柄で短髪で豪快なミノンの事である。傍から見ると女子控室に堂々と若い男が入り込んでいる様でもあり、それがちょっといけない感を醸し出して、一部の女子は妄想が止まらない。


 そんな三美人の競演に、一部女子が思い切って、


「すみません。記念に三人のお写真を撮らせてもらってもいいですか?」


 と、デジカメ片手におずおずと切り出した。


「いいですよ」


 ミノンが快諾して、エーレとコルティナに自分の方に寄ってもらい、そのままブロマイド写真として売れそうな三家令嬢による豪華なスリーショットが出来上がる。


 それがきっかけとなって、この機会を逃すまじとばかりに我も我もと押し寄せ、狂乱の撮影会が始まったが、三家令嬢は特に嫌がる風もなく、それに応じた後、


「じゃあ、最後は今日の大会の記念に」


 会場の外に出た後、ミノンの提案によって全員で集合写真を撮り、その画像データは各人に配布される事となった。


 基本的に客商売の家の娘だけあって、三家の令嬢がこうしたサービス精神旺盛である事も確かだが、特にミノンの場合、商売抜きに天性の気さくさが備わっており、その男性的な外見も相まって同性からの人気が高かった。


「ミノンさんが男だったらなぁ」


 などと危ない妄想をされる事もしばしばである。


 思春期の女の子の妄想は、直球バカエロに満ちた男の子のそれよりソフトだが、業が深い。

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