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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第八章◆◆ 大道芸人のデビューと三大令嬢決戦について
175/632

◆175◆

 レングストン家の選手達は、試合から戻って来たエーレを心配すると見せかけて、この可愛い小動物の喉を撫でさする気満々であったが、


「防具越しでもミノンの突きを食らったから、流石にちょっと痛むわね。でも、触らずにそっとしておけば平気よ」


 と、エーレは先手を打って、撫でさすりを阻止。


 しかし行き場をなくした手は、別の部位を狙って撫でさすりを開始し、結局いつもの様にほとんど痴漢行為にまで至るのだが、まだ大会の途中とあって下手に見苦しく騒ぎ立てる事も出来ず、エーレの受難は続く。


 喉以外体中を隈なく触られた後で、エーレが、


「今回はしてやられたけれど、次は勝つわ」


 と言ったのは、自分を破ったミノンに対してなのか、自分をモフった愉快な仲間達に対してなのかは定かではないが、後者には多分勝てる気がしない。


 一方、そんな微笑ましくも可愛らしいエーレを遠目に見ながら、


「いいなー、私もエーレを撫でたいなー」


 などとワガママを言うコルティナに、


「すぐ次の試合でしょ。早く行って来なさい」


 と、ララメンテ家の選手達が窘める。


「でも、皆も本当はエーレを触りに行きたいんでしょ?」


「動物園の触れ合いコーナーに来た子供じゃないんだから。試合に集中して」


「ああいう所の小動物って、触られるのを嫌がってベンチの下とか小屋の隅に固まって隠れてたりするよねー」


「分かってるなら、そっとしてあげなさい」


 そんな緊張感のないふわふわな会話をしていても、優勝候補の一角だけあって、コルティナは順調に勝ち進んで行き、ついにミノンと決勝での対戦が実現する。


「小動物もいいけど、大きな動物も触りがいがあるよねー」


「許可なく触ったら係員さんに怒られるからね。それ以前に、その動物に怒られて吹っ飛ばされるかも」


 こんなふわふわなお嬢様がウチのエースなんだから不思議なものだ。


 令嬢対令嬢の決勝戦とあって沸きに沸く大会会場の中で、ふと冷静になるララメンテ家の選手達だった。

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