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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第七章◆◆ 女当主に造反を企てた者達の哀れな末路について
144/632

◆144◆

 ふざけた優勝インタビューではあったが、コルティナが単なる礼儀知らずのお調子者でない事は、その試合の様子を観戦していた人達全ての知る所であり、むしろこのマントノン家とレングストン家を打ち破った恐るべき策士の事、その発言の背後にはそれなりの深謀遠慮があるのだろう、と一応は了解していた。


 しかし、そうと分かっていても、このふわふわな外見と言動を見るにつけ、どうしても一言ツッコミを入れたくなってしまうのだから不思議なものである。剣術の名門の令嬢でなかったら、いいお笑い芸人になれたかもしれない。


 そんな事を半ば本気で思っているララメンテ家の道場生達を前に、コルティナは、「優勝した選手」と「エーレを倒した選手」に与えられる予定の、自前で用意した「高級ホテルの極上スイーツ食べ放題ご招待券」を自分でダブル受賞した喜びを語っていた。


「ルールはルールなので、事前の取り決め通り今回は親の総取りと言う事で、私が二つともゲットさせて頂きます。普通ならこれで家族と一緒に高級ホテルの極上スイーツ食べ放題を楽しむ所ですが、ご承知の通りウチの親兄弟は割と多忙なのでー」


 そこで言葉を切り、ご招待券の束を手にして、


「今回はこれをパーっと使って優勝祝賀会をやりましょう。お代は全部ララメンテ家持ち。この大会は巨大な会場を満員にする程の大儲けだったので、遠慮は無用ですよー」


 と宣言する。

 

 この太っ腹な申し出に、もちろんララメンテ家の道場生達は喜びの声を上げた。


「あ、でも高級ホテルなら服を着替えて来なきゃ」


 道場生の一人が心配すると、


「大丈夫。さっきホテルの大広間の一つを貸し切ったから。普段着で堂々と入れる様に手配したよー」


 何でもない事の様にふわふわと答えるコルティナを見て、


「あ、この人、実はかなりいいとこのお嬢様だったっけ」


 一同、狐狸妖怪の類に化かされた様な妙な気分になるのだった。

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