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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第七章◆◆ 女当主に造反を企てた者達の哀れな末路について
114/632

◆114◆

 怪獣映画、もといレングストン家の全国大会小学生の部も終わりに近付き、予想通り決勝戦まで勝ち残って二冠に王手を掛けるミノン。


 この巨大怪獣の猛攻からレングストン家の最終防衛ラインを守るのは、小学六年生のキルヒェ・ドーム。 


 このキルヒェも小学生にしては体が大きく力も強い方なのだが、いかんせん、ミノンを前にしては大人と子供である。


 観客席で見ていたティーフは、奇しくも昨年の大会決勝に臨んだ自分と似たタイプの選手が、今年もマントノン家の侵略からレングストン家を守る大役を担わされた事に対して、


「あの子、プレッシャーに負けなければいいが」


 と、かつての己の姿と重ね合わせて、つい心配してしまう。


「その点は大丈夫よ。少し緊張しているけど、特に臆した様子はないから」


 その傍らで双眼鏡を覗きこんでいたエーレが言う。


「なら、いいんだが」


「でもキルヒェがベストの状態で試合に臨んだとしても、あのミノンに勝つのは至難の業ね。この前のマントノン家の大会の時よりも、さらに強くなっているもの」


「確かに。低い位置からの攻撃に対して、防御力が妙に上がっている」


「こう言っては何だけど、あのミノンが自分一人で対策を考えたとは思えないわ。おそらくはシェルシェの入れ知恵よ」


「当主自ら?」


「ええ、自身が大会に出られなくなっても、こういう形で参加している様なものね」


 やがて決勝戦が始まり、ミノンとキルヒェが互いに剣を中段に構えて対峙したかと思うと、二秒後にはミノンが素早く相手に突進し、キルヒェの防護マスクの上部を打ち据えて、一本を先制した。


「怪獣の体に、殺人鬼の頭脳。何とも厄介な相手だわ」


 双眼鏡を持つエーレの手に力がこもる。


 むしろ、世界征服を企むマッドサイエンティストがリモコンで操る巨大ロボットの方が近いかもしれないが、この際どうでもいい。

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