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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第七章◆◆ 女当主に造反を企てた者達の哀れな末路について
112/635

◆112◆

 レングストン家の主催であるにも拘わらず、今大会の主役は間違いなく、マントノン家からやって来た巨大怪獣ことミノンであった。


 大入り満員の観客も皆、


「果たしてマントノン家の巨大怪獣の進撃から、レングストン家を防衛する事が出来るのか」


 まるで怪獣映画を観に来た様なノリであり、ミノンが会場に姿を現わすや、その小学生離れした巨大な体格に、


「同年代の小学生達と並ぶと、本当に巨大怪獣に見えるな」


 と、大満足。


 一応レングストン家の選手の中にも、それなりに強く、優勝候補として挙がっている精鋭達がいるのだが、


「誰が優勝するかより、誰がミノンを食い止めるかの方が重要だ」


 という認識で皆一致している。


 ちなみに外部から参加していたララメンテ家の選手達は、


「マントノン家の大会でミノンを観察して得た攻略法を、レングストン家の大会で実際に試して補正して、ウチの大会で確実に仕留めればいいからねー」


 例のふわふわ令嬢から、長期的視野に立った三段構えの作戦を授けられており、さほどプレッシャーは感じていない様子である。


 そして当の巨大怪獣ことミノン本人はと言えば、


「剣術では、体が大きいからと言って完全に有利な訳でもないし、体が小さいからと言って完全に不利な訳でもない。だから見た目で巨大怪獣などと褒められても浮かれずに、一試合一試合を慎重に戦っていくだけだ」


 と、同じマントノン家の道場の選手達に、試合を前にして、うきうきとしながら語っていた。


「巨大怪獣、ってあまり褒め言葉じゃないような気がするんだけど」


 と、勇気ある選手の一人に恐る恐る突っ込まれても、


「なーに、細かい事はいいんだよ」


 と、笑って答えるミノン。


「勝ち続ければ、褒め言葉になるさ」


 脳筋は人生における悩みが普通の人より少ないのである。

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