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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第七章◆◆ 女当主に造反を企てた者達の哀れな末路について
111/635

◆111◆

 昔、世界最高長寿記録を持つ老人男性に、ある記者が、


「どんな女性がタイプですか?」


 と質問した所、その老人は冗談めかして、


「年上の女性」


 と答えて笑いを取ったという。


 正にこの人にしか言えないジョークである。


 それはさておき、いよいよレングストン家の剣術全国大会小学生の部の当日。


 シェルシェの予想通り、ミノンは会場入りするやマスコミに取り巻かれ、マントノン家の離脱騒動についてのコメントを求められたが、ミノンはその小学生には到底見えないでかい図体で平然と、


「私は小学生なので、細かい事情はよく分かりません」


 とシェルシェに教えられた通りに答えて笑いを取る事に成功し、その場を和ませた。


 さらに続けて、


「ですが、大会においては、一連の離脱騒ぎは何も関係ありません。強敵と剣を交え、これを倒す。私はそれだけの為にここに来たのです」


 と、実に屈託のない笑顔をして見せるミノン。


 天才美少女剣士と称された姉のシェルシェにそっくりな顔立ちであるが、美少女と言うより偉丈夫と言った方がしっくり来るミノンは、姉とはまた違ったマニッシュな魅力を持っており、マスコミはここぞとばかりにフラッシュを焚きまくる。


 この笑顔には、マントノン家に起こった一連の騒動など、どこかへ吹き飛ばしてしまう程の明るさとパワーがあった。


 そんなミノンは選手控室でも、やたら気さくで愛想がよく、マントノン家以外の選手ともすぐに打ち解けてしまい、


「いい人よね」

「あんまりお嬢様っぽくないけど、感じがいい」

「でも、試合では戦わなくちゃいけないんだよ。あの大きな体と……」


 彼女達から、親しみと恐れの両方を同時に抱かれていた。


 ともかくも、いよいよ巨大怪獣が攻めて来たのである。全力でこれを迎え撃たなければならない。


 レングストン家の道場生達は、和みつつも気を引き締めた。


 緊急指令、巨大怪獣から本土を守れ。

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