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偏った独学  作者: 酒井順
第1章 生物学
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第1話 高校生物

第1話 高校生物


 図書館から借りてきた高校生物の本を理解しようと努めているが、これがなかなか難儀である。おそらく昔からそうであったのだろうが、生物という学問の学び方がよくわからない。つまり、何を理解すればよいのかわからないのである。これはわたしの脳の回路が数学的にできているせいだと思われて、何かを学ぶとき数学に換算するのが楽な学びの方法なのでどんな分野の学問でも数学的に考える癖がついているようである。


 幸いにも若いときに職としていたシステムエンジニアの要件となる技術は数学に換算するのが非常に楽だった。というよりわたしの数学は元々その方面に偏っていたような気もするのである。だから微分や積分、確率が好きではなかったのかと一人納得している次第である。


 さて、高校生物の本を読み進めた感想は、尻切れトンボの学びとなっているというものである。確かに部分々々は論理的であり不可解な点はないのだが、部分と部分の繋がりを見つけることができない。


 現在、夢うつつに思索している論の中に「全体と部分について」があるのだが、未だほとんど完成にほど遠い論ながら、一つの条件として全体を構成する部分は独立していてはいけないというものがある。つまり、部分数をN個とすると1つの部分は自分を除いた全ての部分(N-1個)と繋がり(関係)があるということである。グラフ理論でいえば完全グラフを構成しているということになる。


 ということで、強引ながら高校生物を学びながらネット検索も合わせて、生物学というものが人を全体としたとき、どのような部分で構成されているか考えてみたいと思っている。そもそもわからないことだらけの生物学の分野への学びの挑戦となるので終結の日がいつになるか全く予想がつかない。尚、学びの挑戦とは生物学に戦闘を挑んでいるのではなく、わたしが生物学を理解しようとチャレンジしようという意味である。なんとなく言葉が柔らかくなるような気がしたので英単語を用いてみたが、読者の方にはわたしの心もちを汲んで暖かい目で見守って欲しいと願っている。


 高校生物の本の出だしは、「生物は細胞でできている」で始まっていた。笑わないで欲しいのだが、わたしにとってこれは大きな驚きであった。わたしは細胞とタンパク質が同レベルくらいで生物を構成していると思っていたのである。プロローグで述べたわたしの疑問である「細胞とタンパク質の位置関係はどうなってるの?」は、少し前進したような全くわからなくなったような気分に陥ってしまった。


 わたしがタンパク質を過大評価(?)していた原因はDNAにあったことは直ぐに気が付いた。わたしが高校生のころ生物にはDNAというものは存在しておらず、卒業してから「人体の設計図であるDNA」とか「ゲノムプロジェクト」などが驚きと共にわたしの脳を支配していたようなのである。つまり、人体はたんぱく質でできていると半ば思っていたのである。しかし、細胞の存在も捨てきれずかなり誤った人体構造をイメージしていたようである。


 とはいえ、「細胞とタンパク質の位置関係はどうなってるの?」という疑問に答えが出たわけではなく、タンパク質は細胞の内外に存在するということがわかっただけである。いろいろ調べた結果こういうことであろうと考えるに至った。それはたんぱく質は何万種類もあるから分類したとしても1冊の本には収まりきらないのだろう。また、全てのタンパク質が発見、解明されている保証はないのだろうということである。


 ここで学びを挫折するのも悔しいし、さりとて全てを発見、解明することは完全に不可能である。ならばどうするかということが次話への宿題となってしまった。


 そういうわけで本を読み進めるのは暫くおあずけとなる。


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