電気
――1937年4月12日、高等研究計画局、スーツ、高田あき
お、ちょっとだけど米国の有線も傍受できるようになってるじゃん。これもっと取れないかな。
「大野さん、米国の電話会社に人を潜り込ませて、有線も一部傍受できるようになったんですけど、これがすごく価値が高いので、もっと傍受したいの。なんかいい手ないかな。なんかしこんだ中継機を安く売るとかさ」
「いや、ブラックボックスじゃないんで、そんなもん仕込んだら一瞬でばれますって。いつの時代の話してるんですか」
「無理かー」
「あ、適当な回路設計のせいってことで信号を電力線に流出させるのはどうすかね。同じ建物に受信機置ければ楽勝? あ、何にもしなくても流出してるは、ラッキー」
「ええ」
――1937年10月19日、高等研究計画局、スーツ、大野和夫
GEが取ろうとしている特許にアンプリダインが出てきた。そういやこんなのあったね。忘れてたわ。これ使ったらオーディオ出力から直接10Kw級のモーター制御できるじゃん。すぐ作れそうだし。ラッキー?
――1937年11月17日、高等研究計画局、スーツ、大野和夫
真空管ベースで簡易VHFネットに参加できるテレタイプ端末が作れることに気づいたので、作ってみてもらった。暗号化は簡単なメカニカル換字暗号だけど換字表は機器固有。TPM的にも機能する。テレタイプがでかいからしかたないけど、でかい。占有帯域が狭いから端末1台をホストにしてテレタイプをたくさんぶら下げられる。あれ、ややこしいな。穿孔紙テープ出力すれば、オフラインでもつかえる。
あれ、これプロッタにもNCにも使えるんじゃない? アンプリダインに紙テープからよんだパルスを送るだけだ。幅広くしとけば何チャンネルでもいける。ラッキー。
――1938年1月14日、逓信省(木造平屋)、スーツ、高田あき
電気局長によばれたよ。おかしいな、計画課長じゃなくていいの?
「電動機、電解精錬、真空管の需要が増えて電力不足がはげしい。どうにかならんかね」
あー、300万Kw程度の発電力しかないところに10Kw級のモーターを大量導入すれば、それはパンクしますよね。大野?
「需要については、永久磁石の改善による電動機の効率化、真空管の小型化などにより削減の努力をしておりますが、ご存知のとおり、使用量の増大が激しいため、電力消費の増加につながっております。一部事業では電力の需給にあわせ操業時間の調整も行い電力制限を回避できるようにしております。今後一層の努力をしてまいりますが、消費電力の増加は避けられないものと考えます」
「供給についても意見を聞きたい」
「供給について、水力発電の増強には時間がかかりますので、短期的には火力発電所の増設が必要と考えます。幸い原油採掘の副産物として天然ガスが得られるようになっておりますので、こちらを利用すれば、費用を節減して大出力の発電が可能です。天然ガスを液化して運搬することにより消費地に近いところでの発電も可能です。長期的には半導体技術を応用して製造する太陽電池により燃料消費を減らせる可能性があります。また、核分裂反応を熱源として利用する技術も研究が始まっています」
「天然ガス発電はいつできる」
「蒸気タービンだけでよければ技術的困難はありませんので、どこが作るかというだけの話です。ガスタービンを追加すれば効率が上げられますので、追加する余地を確保しておくことをおすすめします」
「わかった。こちらから技術者を送るから説明してやってくれ。核分裂反応を熱源として利用するのはどうだ」
「理研のサイクロトロンも稼働し、知見が得られております。黒鉛による中性子減速を利用した連鎖反応の達成が可能です。数百トンのウランを用意できれば、10万kw級の発電ができます。これ自体はさほど難しくないですが、採掘費用が高いので発電だけで元をとるのは困難です。地震対策が重要ですので、本土での建設は難しいです。放射性の高い同位元素を分離できれば効率が上げられます。いずれは100万kwが視野にはいります。こちらの研究はある程度予算をとって進めています」
「100万kwとなれば大変ありがたいが、まずは実験炉を見てということか。期待しているぞ。半導体はどうなっている」
「ご存知のとおり、高優先度で進めております。結晶解析の応用により偏析の解明がすすみ、端末による制御によって、ゲルマニウム単結晶が生産できるようになりました。実験室では半導体による増幅が確認されています。太陽電池はもう少し時間がかかりますが、真空管を減らせるのは大きいと思います」
だいぶ詰められたけどなんとかなった。仕事増えた気がする。ウランどっかで出るといいなあ。え、内モンゴルでウラン?
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日中戦争はじまってません。情報班以外平和です。石原さん実は影響力大きかった。