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介入

――1939年11月16日 高等研究計画局、スーツ、大野和夫


無茶振りが多い。この1年で端末を使わないマシニングセンタ、ICを使った計算機、UHF送受信機を実現したのにまだ振ってくるのか。今英国にあるのより、ちょっとだけいいレーダーを作って供与しろ。そんな微調整できないって。端末使ってなきゃいいんだろ。マグネトロンだと端末なしじゃ使い物にならないし。あ、進行波管レーダー、ちょうど量産始まってるじゃん。ラッキー。


――1940年3月12日 、情報局、スーツ、高田あき


2月24日に発動された黄色の場合を受けて、独の大部隊が移動を進めている。仏もある程度この状況を

把握しているようだけど動きは鈍い。あまり詳しいことも言えないので、ふわっとした情報を出したけれど、反応ないなあ。まあなんでお前がそんなこと知ってんだになるよね。英は多少反応した。英は暗号機を強化しようとしたりもしてるので、こちらの暗号解読能力を疑っているのかもしれない。要注意。


――1940年4月20日 、情報局、スーツ、高田あき


4月10日に始まった対仏侵攻では双方300万とかの軍勢がぶつかってる。仏は成年男性の3分の1、500万を動員してるって。とんでもない規模だよね。現状日本の陸軍は22個師団、45万程度。英仏にはちょっとずつ情報を流してるけれど、突破されてからだと効果は薄い。電波妨害すればいいんだけど、けっこういいのを持ってたレーダーとは話がちがって、使えるの持ってないものはだしにくいよね。英は、すでに大陸からの撤退を視野にいれて動いている。レーダー配備も終わってるし海峡の制空権には問題がなさそう。


――1940年5月26日 、情報局、スーツ、高田あき


独は大陸からの脱出させまいとして空軍に莫大な損害を出した。海峡近辺は仏内陸とは話が違うんだよ。仏軍の一部も脱出に成功してるね。


――1940年6月21日、情報局、スーツ、高田あき


パリで停戦。独は当面攻勢に出られないはず。このまま平和に収まってくれればいいんだけど。仏的にはそうもいえないのはわかるけどさ。


――1940年7月18日、情報局、スーツ、高田あき


米がポーランドでのホロコーストを早期に発見、というかこちらが英に流しちゃってた。テレビやラジオで宣伝が始まってるよ。炉辺談話の影響は大きい。

ルーズベルトが民主党大統領候補に選出。3選はないんじゃなかったの? ねえだれも戦争してないよ。

危険すぎるので戦時体制に入れてくしかないって話を始める。


――1940年10月1日、動員局、従軍服、高田あき


動員局ができて動員局次長も兼任。デスクワークで従軍服着るのつらい。基本軍服だからごついの。だれだ動員なんか始めたの。

歩兵の動員、飛行機、砲、トラックの生産をかける。端末は研究機関から引き抜き。

さしあたりの予定は、月間1個師団2万人動員、航空機生産2000機、ジェットだよ。海軍はずっと放置。

師団は配置できるまでに半年かかる。航空機生産は2ヶ月ぐらいで軌道にのる予定。


編成はこんな感じ。軍令部門と軍政部門、大蔵省、情報局、高等研究計画局、動員局の調整の結果。参加者半分私だ。


軍 歩兵師団

  歩兵師団

  歩兵師団

   歩兵団

    歩兵連隊

    歩兵連隊

    歩兵連隊

   野砲兵連隊

   野戦重砲兵連隊

   野戦高射砲連隊

   工兵連隊

   自動車連隊

  飛行師団

  野戦重砲兵連隊

  野戦高射砲連隊


航空偵察が低コストなので捜索隊は縮小。砲兵が多いので師団の端末は4台ずつになった。警戒とか通信とかは端末なしでもできるようになったけど、対空レーダーと対砲兵レーダーは計算量多すぎで端末必須。

搭乗員教育で端末1000台引き抜き。教官の数に限界があるからやむを得ない。


――1940年11月13日、スーツ、高田あき


フランスをホロコーストから救えとか言い出して3選。これは来るね。

航空機の量産も始まってしまった。

早いよ早すぎるよ。なにこれ。米軍どんどん増えてる。

C案はずれじゃん。ポーランド防衛とはいわないけど、最低限仏防衛ぐらいはしとかないとアメリカが介入してしまうのか。英の対米借款もすくないし、これまずいんじゃ。


――1940年12月24日、動員局、従軍服、高田あき

満州と樺太、千島、南方に物資を積み上げ、警戒レーダーと飛行場を充実。日本近海には潜水艦対策として海底ケーブルに聴音機をつけたやつを設置し始める。

もうね。情報局からの情報に基づいて、動員局が高等研究計画局に要請してって動いてるけど、おんなじ書類が何回も私のとこにきて、全部ハンコおすんですけど。意味ないじゃん。途中で変な赤いれるのがいるから余計な手間はかかるしさ。


――1941年3月10日、動員局、従軍服、高田あき


米が対独宣戦布告しちゃった。空軍しか出しませんってことで議会は通したね。


――1941年5月10日、動員局、従軍服、高田あき


1万機規模の本格的な爆撃が始まった。独の防空は早期に崩壊。英への援助が過剰だったのかな。


動員はおおむね予定通り進行中。各種ロケットの生産も増えている。軍中央は動員した兵や士官の教育で死にそうになってる。工場と農村でデジタル化ギャップがあるから、地域によってはそうとう大変みたい。徴兵エリアと連隊が対応しちゃってるので師団の戦力に差がつきそう。歴史と伝統の前にはむちゃいいにくいから大人しくシミュレーションプログラム用意しよう。連隊により教育期間の調整も必要かも。

満州のパイプラインなどインフラ強化。満州、樺太、朝鮮半島に縦深防御態勢を準備。


――1941年9月15日、情報局、スーツ、高田あき


英仏の部隊100万がフランスに上陸。

500万のソ連軍がポーランドから攻勢開始。桁が多いよ。だれか間違えてない?


――1941年12月24日、情報局、スーツ、高田あき


クリスマスまでに戦争がおわっちゃったよ。独軍部のヒットラー暗殺が成功したのが大きい。米国人の被害は少なく、国民は大はしゃぎ。大量の兵器と生産設備の余剰が生まれている。まずい。B17だけで8000機とか残ってる。さらに500万のソ連軍はほぼ無傷。独進駐は主としてソ英仏。ソはともかく、米はまったくもと取れてない。ねえ、それこっちこない? 大丈夫?


――1942年1月27日、情報局、スーツ、高田あき


案の定一般教書演説から対日宣伝がはじまる。黄禍論と満洲国問題。中国の人々を救いましょうと黄禍論が並列してるのがおかしい。中国人排斥法どうなった。こちらもいろいろ手は打ってるけど、ヨーロッパがうまく行き過ぎたので、悲観論の効きが悪い。


――1942年4月6日、動員局、従軍服、高田あき


特に満州、樺太について、中央から連隊レベルまでのシミュレーション演習が繰り返される。このシミュレーション演習の判定機構はもちろんこちらのソフトウェア。いろいろ時間をとられる。ソ連側配置は情報局の推定をもとに、参謀本部が並べたやつ。向こうの演習情報も手に入るので、丸コピーしたのもやってみた。向こうの配置のほうが優秀じゃん。

海軍や防空のシミュレーション演習もある。もちろん実際の部隊を動かしての演習や無人標的機を利用した訓練もあるけれど、燃料備蓄、標的機生産の関係で限界あり。

航空部隊は実機での訓練が進んでいる。満州と樺太では民間人や重要資産の疎開が始まっている。疎開が終わり次第、油田や鉱山、鉄道などのインフラは爆破準備。


――1942年5月3日、情報局、従軍服、高田あき


警報がなってる。徹夜明けに頭が痛い。テレビラジオでは避難情報だ。

軍需産業の圧力を受けた米国は、満洲国問題を使って対日宣戦布告、同日海空から侵攻開始。同日ソ連も宣戦布告して大規模な陸上部隊によって侵攻。日本は独と同一視されてるよ。どういうこと? べつに同盟も何も結んでないんですけど。英仏中は中立。

ほんとのところは対米黒字かもね。ヘリウムとか買ってたけど、車まで売り出して追いつかなくなったのが引き金かな。


ソ連国内からB17 10000機 そのほか15000機

グアムから 3000機

アリューシャンから 2000機

満州に機甲部隊中心の400万

樺太に12万

米艦隊来襲 戦艦、空母各15隻、そのほか150隻 航空機1000機 

潜水艦 300隻


全部同時に来るね。動員開始してから1年半。もう半年欲しかったな。戦力比は海が3対1、空が4対1、陸が7対1ぐらい。もちろん全部向こうが多いよ。毎年クリスマスまでに戦争終わらすつもりかな。


370/6000/3540/90

誤字報告ありがとうございます。助かります。

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