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御前会議

――1938年11月30日、御所、フロックコート、高田あき


内閣情報局長になって御前会議によばれた。情報分析しろって。衣装は揉めたよ。


情報分析としてミュンヘン会談の結果、ソ連が英仏への信頼を失い安全保証のため独との融和工作を準備していること。独は東方生存圏の確保をもとめていること。結果独ソはポーランド、フィンランド分割協定を結び開戦する可能性が高いこと。これにより英仏との開戦の可能性が高いことを説明。米国の即時介入の可能性は低いこと。その場合、独の対仏勝利の可能性は高いが、対英勝利は難しいという低精度の予測を述べた。


参謀総長、軍令部長より、いずれの勢力に対しても初期の攻防における戦力は十分であること、継戦能力は対英仏については十分であるが、対米ソについては不足することを説明。人的資源の不足が最大の問題。

海戦では圧倒的優位。陸戦は、満州防衛は動員が必要だが可能なこと。攻勢は島なら押さえられるが、大陸は困難なこと。

長期的には、確証破壊能力を獲得するには平和状態で5年、戦争を行えばより長くかかること、破壊されない能力を獲得するのは非常に困難であること。

防衛能力については米国の高い航空攻撃能力とソ連の「量はすなわち質である」が特に問題になること。


商工大臣からは、工業化は順調に進んでいるが米英ソには遅れていること。希少元素の需要が増加し、こちらの手配、探鉱権の確保などが課題とのこと。また化学、生物分野の発展が対米遅れていることの懸念も説明。


総理からこれに対する帝国の方針として、


A案 積極的英仏側参戦 敵(ソ連)の味方は敵理論を展開し、事前の英仏との協議の上、ポーランドに対する経済、軍事援助を早期に行い、なし崩し的に英仏側での参戦に持っていく。

ポーランドが状況を理解していれば、受け入れる可能性はある。距離の関係上、適時の援助が行いにくい。ソ連の介入リスクがある。


B案 消極的英仏側参戦 英仏の宣戦布告後、英仏側にたって宣戦布告し、要請に応じて地中海大西洋に艦隊、航空部隊を派遣する。前回と同じ。これによって満州国の承認、国際連合復帰をねらう。

今の時点なら英仏への工作で可能性があるが、独の意図、戦争能力に対するこちらの分析、特に傍聴情報を開示する必要がある。ソ連の介入リスクがある。


C案 英仏寄り中立 中立を維持し、国力増大を図る。対英仏援助を可能な範囲で行う。


D案 独寄り中立 表面上中立をまもるが、独の継戦能力をなるべく維持するよう、技術、物資の支援を行う。

独の早期敗北により、米英から「最後の敵」とみなされるリスクが非常に高い。その時点でも米国、ソ連との戦争は困難。


E案 独側参戦 対独軍事同盟を秘密裏に締結。英仏の対独宣戦布告と同時に即時対英仏開戦。インド洋の支配を確立し、早期対英勝利に持っていく。

対英勝利は可能ではあるが、米国・ソ連の介入リスクが高く、回復不能の被害を受ける可能性が高い。


という5案の説明があった。実質的にはAからCまでの3択という合意は得られたみたい。最終的にはまだまだ会議。


陸軍は動員準備。

高等研究計画局は全面的デジタル化の推進、確証破壊能力の獲得をすべく調整する。

情報局は米ソそれぞれの国内分断を加速すべく、経済工作、文化工作を強化する話もほぼ決まった。英仏、アジアへの政治工作は外務省が担当する。


――1938年12月12日、内閣高等研究計画局、スーツ、高田あき


防空については

・衛星による監視

むりむり。情報局にふっとこ。

・高高度防空戦闘機

ジェットはだいじょうぶ。短距離用誘導ロケットもある

・高高度防空ロケット

こちらは難しい。端末消費すればかんたんだけど。爆撃機相手に使ってると確実に枯渇する。


量に対抗するには

・通常兵器による戦略爆撃

つぶしあいになるから有人兵器や端末をあまり奥まで送り込みたくない。巡航ミサイルはICがいるね。

・工場、インフラの自動化、自律戦闘装置の配備 

自動化はすすんでるけど、自律戦闘装置はLSI必須だね。まだまだ。


どう考えても確証破壊のほうが簡単。


確証破壊能力

・核弾頭

・大陸間弾道弾

・ぜいたくいえば弾道弾発射可能な原子力潜水艦


コストはかかるけれど核弾頭は作れる。弾道弾もそこそこの信頼性はある。


デジタル化の推進については、

・トランジスタ生産の拡大

・キャラジェネの実装

・UHFへの移行

・官民の参加が可能な一般ネットワークの設立 これも情報局マターかな

・化学、医療分野への支援

・事務処理のデジタル化

これ端末使わずにやるの。フレームバッファは到底無理だから数字とカナぐらいからスタート。

近いうちに漢字表示もしたいけど、そのためには漢字削減、標準化、簡易化が必要。文部省?


ーー同日深夜、内閣情報局、パジャマ、高田あき 


対米工作については

・高性能な決済システムの提供により、取引速度の加速をはかり、信用経済を膨張させ、実体経済に根ざした活動に従事するものと資産経済に従事するもの、信用経済に従事するものの格差を拡大させ、社会の不安定化を図る。

・工業生産性の向上により安価で高性能の電子機器を大量に輸出することにより、第2次産業、特に電子機器の生産を衰退させる。この際、ヘリウムなど戦略資源輸入を加速することにより、短期的な資金の移動は起こさないように留意する。


具体的には37年型真空管を用いたラジオ、テレビ、放送機器、ゲーム機、自動車の販売。VHF通信網と真空管計算機を用いた銀行サービス、信用決済サービスの提供ということになる。高度機器は販売せずサービス提供にとどめる。テレビ、ラジオでの広告宣伝によって商品の浸透をはかる。


対ソ工作については

・米国の繁栄、豊富な商品などのイメージを展開。市民のモラルを低下させる。

・共産党指導部の不安をあおり、軍指導者層やインテリ層の追放を繰り返させる。

・ウクライナ分裂工作


こちらは37年型真空管を用いたラジオ、暗号通信機などの密輸、盗聴情報をもとにした発言情報などの密告ということになる。秘密裏にトルコの協力を得ている。敵の敵は味方だ。


おっかしいな。名目上違う局だけど、情報局は実態において高等研究計画局内の秘密組織。コードかけない人使えないから、スタッフは私含めて兼任ばっかりじゃん。なのに私からまで仕事振られてるし。定時にあんまり作業できないから、高等研究計画局の忘年会のあとに会議やってるんですけど。盗聴情報の分析も最後は私の人力だし。超ブラック。多変量解析できる人材どこー。コーパス集まってるから端末1000台ぐらい投入してLLMトレーニングすれば楽になるの? ほんと? だいたいそれも人材いないし。


989/7800/1200/11


F案 即時対米開戦。アリューシャンから数個師団で米本土上陸。圧倒的制海権を使って米本土でアイランドホップ。西海岸からパナマを確保して、ミシシッピ遡上。ゲームじゃないんだからさ。

ということでAからEまでの5択です。どれでしょう。

高田さんはペレストロイカとベトナムに持ち込もうとしてます。ばれないといいですね。


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