【プロローグ】
「ふむ? なるほど。
終活とやらを聞かせてもらった。
つまり俺達の終活は、これからじゃ!!!」
「 「 遺ィェェェェェ影ィィィィィィ ! ! ! 」 」
俺が埋められそうになってた棺桶から、20mと離れていない小屋の中で
クラフトのかけ声と共に、リリィとヴィヴィアンも勢いよくこぶしをつき上げながら叫ぶ。
うわぁ~~、3人共すごくいい笑顔だから、水を差すようで悪いんだけど
俺、この人達と終活することになるの? マジ?
勇者ダンテ(83歳)と、年齢が大して変わらないって嘘だろ……。
かけ声が「遺影」とか、おやじギャグを越えて、老衰ギャグだぜ。
「酷すぎて、棺桶に戻りたい」と「あんた達なら、まだまだ長生きするだろ」
という言葉を必死に飲み込んだ俺を、誰か褒めて欲しい。
って、この世界にも「遺影」ってあるんだ?
棺桶に片足を突っ込んでる3人……いや、今の俺を含めたら4人か。
じいさん達のギャグも、老衰ギャグになるのかもしれないが
ガキの俺がツッコむには、なかなかにハードルが高いぜ。
どうして、こんなことになったのかというと
俺の 余計なひと言だった――
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【終活】
終活は、「人生の終わりのための活動」の略称です。
人間が自分の死を意識し、最期を迎えるための様々な準備や
そこに向けた、人生の総括を意味する、言葉や行動のことを指しますね。
大事なのは「今をより良く」「自分らしく生きる」「活動」。
「終活」は「死に支度」かもしれませんがそれだけではありません。
「ここが、君の終着地だよ」という瞬間を迎える時
あなたや、あなたにとって大事な人達の心に何が残るのでしょうか?
おじいさん達の旅なので、のんびり まったりと進みます。
気長にお付き合いいただければ。