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究極職と一緒  作者: 観光鳥
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 頑張って書きます。誤字脱字、説明不足、多いです。

教えてくれると、少しずつでも修正していきますので、応援指南など、よろしくお願いいたします。

 尚、タイトルが他の作品様と被りご迷惑をかけては嫌なので正式に決まるまでは変わことがあります。




 異世界に行ってみたい。そう願う老若男女が現代社会に何人いるだろうか?



 何千、何億? いやいや、世界中だともっと沢山の人がいるかもしれない。

 それは今いる世界にうんざりしていたり、現実から逃げ出したかったり? いやいや、違う違う。俺はほとんどの人が異世界という未知の世界への憧れが強いからだと思ってる。



 機械とか化学とか生まれたときから身の回りにある目で見て感じる物より、海外に行かないと見れなかったり、本やゲームの中でしか語られない中世世界の町並みと人々、そして魔法が存在する夢いっぱいのファンタジーな世界に憧れない人はいない。そして、言うまでもなく俺もそんな世界に夢見る一人の少年だ。



 俺が異世界に憧れた理由はたった一つ。魔法とか必殺技を使ってモンスター倒すのがカッコイイからという単純で厨二のような理由しかない。

  正直なところ俺はよくいるその辺の背景と同化しそうな高校生。というか、普通の子。

 これはフラグでもなんでもなく、そんな現実世界ではなんの取り柄もない運動神経が平均以下の俺がもし異世界という世界に足をに踏み込むとどうなるかというと……あら不思議! 身体能力が何倍にも向上したり、自分にしかない特別な力を身につけて、魔法や必殺技を華麗に放ったり出来るよになって、のちのちは魔王討伐! そんなありきたりでハッピーエンドな未来を用意されてる異世界って超最高じゃないですか!! なになに? 異世界に行けもしないのに夢を語るな?



 ふふふっ! 何を言っているんですか! 俺たちの世界は今や異世界に行ける確率が50%を越える異常な日常じゃないですか!



「山本の奥様大変よ! お宅の坊ちゃん、足元に魔法陣が出てきてパッと消えちゃったのよ!」

「えぇええええええええっ! 息子がついに異世界に⁉︎ どうしましょう、あの子、鈍臭いところあるから大丈夫かしら!」

「大丈夫よ、奥様! 私の息子もすんごく鈍臭かったのですけど、異世界ではなんと! 世界を救う勇者にまでなって、しかも金髪の可愛いお嫁さんを六人と子供八人を連れて帰ってきましたの! 私も〜う嬉しくって!」

「まぁ、本当ですか!」

 とか? ご近所の奥様が話してるのを聞いて──



 やっぱりな。俺も異世界行ったらすごくなるタイプだよね、奥様!

 お嫁さん? 彼女もいない俺にいきなりお嫁さん?

 って、妄想ウフフしてみたり!



「ねぇ、聞いた? 昨日事故った佐藤の奴、目撃者の話じゃ、引かれて車と壁の間でペシャンコになった遺体が突然光って消えたらしいよ」

「ねぇねぇ、それってもしかして今流行りの異世界転移したってこと?」

「ってより、異世界転生じゃないかな? あいつ死んでっし」

「へ~、そうなんだ」

「いいよな、佐藤。異世界転生は九割が金持ちの美男、美少女に生まれ変われるし、超絶強くなるから」

「だよね。私もこんな生活より、毎日煌びやかな生活して楽して暮らしたいわぁ」

「そうそう! んで、やっぱ芸能人の王子様より本物の王子様っしょ!」

「そりゃ当然そうじゃない? 顔が良い芸能人は当たり前だし、そいつらも永久的に私を好き放題の豪遊させてくれる金があるわけじゃないし」

「そうよねぇ〜」

 とか? フードショップで話してる同世代くらいの高校生が話してるのを聞いて──



 最近のってこともないが女子高生ってこうだよね。すぐ王子様だよね。すぐお金だよ、と言いたいが、自分も含めて男女ともに昔からこんな風にお姫様だの王子様だの夢見てる人は多かったと痛感したり。




『──それでは次のニュースです。先日行われていた東京都の〇〇高校の運動会競技の途中、生徒全員が消えてしまうという事件、これについて、異世界《ベロアンダ》や《アルマダ》など20の世界を救って地球に帰ってきた英雄《加賀谷涼介》さんにお越しいただきました。加賀谷さん、よろしくお願いします』

『よろしく。どうも皆さん、異世界のスーパー英雄、皆さんの~…………加賀谷です』

『加賀谷さん! 率直にお聞きしたいのですが──』

『間違いなく異世界に召喚されたと見ていいでしょう』

『やはり!』

『見てください。この生徒が消える瞬間、運動場に広がっているのが魔法陣です。僕の知ってる世界のものよりかなり(・・・)レベルの低いものですがね』

「やはりそうですか! さすが加賀谷さん!」

「はははっ。いやいや、僕レベルになると…………当然のことですよ」




 …………ムカつく。なんで何回も行ける奴のチャンスが俺には一回もない!



「はぁああああ…………」



 ──というグチは置いといて、世のニュースに一般人でありながら異世界に行って帰って来た人をヒーローだと持て囃し、どこでとったのかわからないテレビの街角アンケートや、異世界に行って帰って来たヒーロー? や異世界評論家を交えたテレビ番組、異世界に行った人たちの話をもとに作ったドラマやアニメなどなど、とにかく世は異世界時代。

 今や五人に一人は異世界に行っちゃうのが当たり前な時代になってしまった……とは言っても、誰でもかれでも彼方の世界に行けるものではなく、才能とか運とか関係があるのか立証もされてないのでわからないが、そんなの周りで日常茶飯事で起きてたら、次は自分かもと期待するじゃないですか! 例え無事に帰れなくても異世界に行きたいと思うのが少年少女の夢ってもんでしょ!

 と、いうわけで!



「よしっ! 準備オッケー!」



 高三にもなり、異世界行き平均年齢とほぼ同じになった俺は、今日も寝る前に避難バッグよりも異世界キャンプリュックを枕元に置いて、『目が覚めたら森の中や草原だったり、滅亡した世界だったらどうしよう!』なんて妄想しながら寝るのも今日で十数年! 異世界への憧れも十数年‼︎ そんじょそこらの流行りに乗っかる若者たちより気合いの入ってる俺がついに!




「…………。……はへ?」




 ──高校三年の夏。異世界でドラゴンと華麗に戦う自分を想像しながら寝て起きたら──



「んぁ〜?」



 なんと! 自分の部屋がアニメでしか見たこともない立派な森になっていた!



「…………っ!?」



 というか森の中だった! 確かに異世界転移でいきなり森の中に飛ばされる話はよくある話! ついに来た! と思ったね!

 


「え、えっ? マジで? いやいやいや! 森の中⁉︎ 本当ですか⁉︎ マジでマジで⁉︎ こんな急に⁉︎ こんな急にくるの⁉︎ そうだよね、出会いと異世界は急だよね! 急に来るよな! どうしょう! 髪型変じゃないか⁉︎」



 その状況にあたふたするもワクワクするしかない現代っ子な俺は、とりあえず深呼吸をして現状確認!



 昨晩、俺は間違いなく自分の部屋のベッドで寝むりについたのに起きてみれば不思議なことに妖精の住んでそうな森の中! ってことは、こちら側の都合で強制転送されたと考えるのが、これが夢でないなら王道だというその考えにたどり着いた俺は、寝ぼけた顔を叩いて引き締めると、その場で正座してお出迎えの姿勢。



「…………」

 そろそろなんでしょ? 俺をこの世界に呼んだ綺麗な女神様とか妖精王が物陰から『──うふふ。お目覚めになられたようですね』なんて現れるのは!



「…………」

 ワクワク!



「…………」

 まだかな? まだかな?



「…………」

 キョロキョロ?



「…………」

 来てますよ? 俺、来てますよ?



「…………」

 ……隠れてます? 




「…………。……うーん、違ったか」

 小一時間ほど待っても現れる気配はなし。待てど暮らせど女神も神官もエルフも誰も来やしません。どうやらそのパターンではないらしい。

 どうなってるんだ、この世界は? プロローグもサポーターもティ◯カーベルもいないとか不親切じゃないか?



 改めて自分の今置かれた状況を再確認。

 寝間着のパジャマがわりのジャージは着たままで、身ぐるみをはがれたり縛られも怪我もしてないことは、たまたま今は人を捕食する生物がいないまたはこの場所は人があまり通る場所じゃなかったり、住んでいない場所ということは普通にわかるんだが……。



「……そもそも、なんで俺は此処にいるんだ?」



 試行錯誤していると常日頃用意しておいた異世界キャンプリュックが足元に転がってるラッキー状態だったことに今更気がついたが、プロローグと説明とナビ無しで、もしこれが異世界初回特典だとしたら『俺の用意したもんだろうが!』と、この世界の神や女神にツッコミを入れてしまう。



「にしても、俺がここに来た理由だよな。もしかして、寝てる間に地震とか火事で安楽死しちやって可愛そうだから異世界に転生した可能性は……ないな。だったらほとんどの場合が生まれたての赤子になるパターンだろし……とにかく、説明してくれる女神の一人でも居てくれるのが物語の始まりてもんでしょ! くっそ! 誰だこの世界の管理者は! きっとサボってる!」



 独り言でバカ言いながら頭を掻きむしり、やっとこれた異世界に文句を言ってカッコ悪いが、わざわざ召喚や転生させた大事なゲストをもてなしもなく山にポイ捨てとか雑すぎると思わない奴はいない……が、最近のラノベやアニメだとそんな不便も今じゃありなのではないかという気もしてきた。 そういう不幸系の主人公、最近多いし!



「てか、ちょっと待て」



 よくよく考えてみれば寝てるだけで異世界これるとか都合が良すぎるから、これは俺の異世界好き好きパワーがダイレクトに夢に反映されてるだけなのでは? 



「……と言いつつ、ここまでリアルな夢ってあるのかな? どちらにしても何か確かめる方法は……あっ!」



 独り言を言いながら、俺はバックに入っていた調理用の刃物……はやめて、父さんのキャンプセットから拝借したマルチツールからナイフを出した。



「確か夢って痛かったり強く夢だって意識すると目が覚めるとかなんとか聞いたことがある」

 ──ので、指先をチクリ。



「ヤベッ! 血が出た!」



 血の出る人差し指に慌てて吸い付くと、あまりのダサさに誰か見てないかと周りを確認した後、ホッとするように深い息を吐いた。



「ふ〜っ。血が出る夢もあるらしいけど、いろいろ試すにしても自分を傷つけるのはやめよう。ちょっと痛かったし」



 それにここまで自分の思ったことをズバズバ言って目が覚めない時点で、自分の中でガッツポーズのお察しだったのかもしれない。

 そう思ってから先ずしたことは着替えることだった。

 バックを漁って高二の修学旅行で東京に行ったときに某服屋で購入した厨二くさい服に着替えて、山登り用のブーツを履いて着替えを完了させると、再びバックを漁って出したのは袋でありながら長期保存で袋はそのまま捨てても土に帰る異世界の土地への環境のことも考えた味も満足な人気のパン。

 慌てたところで結果は変わんないし、何があるかわからないから食事はしとこう。空腹はイライラのもとで冷静な判断を鈍らせるって聞くし。



「とりあえず一口……うん! 夢だろうと、現実だろうと、異世界だろうと食った感と味覚が馬鹿になってないのは嬉しいな」



 景色を見渡しながらパンを完食。



「んぐんぐ……ごくっ! さてと、お腹もいっぱいになったし、これからどうしたらいいのやら」



 お腹も膨れ頭が少し回る。とにかく状況整理だ。

 ここが人里離れた場所で今が遭難だった場合、一日でも早く水の確保を優先的にすべきだろう。運がいいのかさっきから微かに水の流れているような音は聞こえている……ってことは、近くに水辺があってそれを辿って行けば下流か上流には人が住んでいる可能性が高いよな?



「そうとなれば──」

 異世界交流を求めて早速行動したいところなのだが、やっぱり思う。



《この未だに現実か夢かわからん世界に野生動物……モンスターはいないのか?》



 というか、人型の生き物はいるのか? いたとしても人型のとある虫みたいのとか嫌だぞ、俺。言葉も通じないし勝てる気もしないし、こっちが勇気を出して友好的に挨拶すれば数秒でモザイクだらけで死んだ名も無きキャラが何人いたことか! 安全策! 夢であれ現実であれ、ここは武器を装備するべきではないだろうか! うん、誰だってそう考えるだろう!



「……でもなぁ」



 戦闘経験もない素人がモンスターや山賊相手にこんな玩具みたいなマルチツールのナイフや調理用の刃物を振り回して勝てるわきゃない。それに身を守るためとはいえ刃物片手に歩いてて一般人に出会った場合いらない誤解を招く可能性が非常に高いってことになるよな。



「ま、無いよりマシだろ」



 俺はバックに入れてた中学の修学旅行で購入した京都土産の木刀を装備して、バックを背負うと水の音を頼りに進むことにした。どうしてそんな物をバックに? こういうときのために決まってるでしょうが。



「よっ、と」



 森の中の落ち着く雰囲気、邪魔になる草木を木刀で払ったときの青臭い匂い、そしてこの疲れというか嬉しい疲労感。小学生以来だな。初めて行ったことのない近所の山へ一人で出かけた時のワクワク感が蘇ったような感じがした。……あのときは人んちの畑を踏み荒らして怒られたっけ。



「やった! 水だ!」



 最初にいた場所から歩いて約五百メートルといったところ。一応未開封のペットボトルに水が2リットルほどはあるが、こうも都合よく水の確保が出来るとは思っていなかった俺は、早速リュックを下ろして携帯用浄水器を取り出し飲むことに──



「んぐんぐ……くはぁ! 生き返るよぉ!」

「…………」

 ──した、その時。少し離れた川上で水をがぶ飲みしてるいる人間が……人間がいるっ⁉︎



「あ、あの!」



 気がつくと、ファーストコンタクトでどんな危険があるかもわからないのに現地人に声をかけていた。というか、日本語で通じるのか? いや、通じるか! 『生き返る』って言ったのわかったし!



「へっ? んっ?」



 警戒する視線を向けられるが、俺は慌てることなく言った。



「えっと、えっと! 何もしませんから聞いて下さい! もう何日も森の中で迷って困ってるんです! この川の下流か上流に人は住んでいますか⁉︎」

 当たり障りのない嘘を速攻でついたが、困ってるというのは嘘というわけじゃないからセーフだろう。

 


「あははっ! そういうことか! よっと!」



 川沿いに転がりそうな水々しい苔の生えた大きな岩の上を滑ることなく、トントンと軽快に飛んで俺の前まで来たその人物の第一印象は小柄で年は小学生高学年か中学二年くらいで自分より年下と感じた。

 近づいて来る彼女の頭から視線を落としながら相手を観察すると、アニメや漫画ではお馴染みの濃いピンク色の髪を可愛いサイドテールで纏めて腰まで落とし、ぱっちりと陽気というかイタズラが好きそうな瞳は俺を真っ直ぐ見つめ、服装は軽装備で二の腕やニーハイと短パンの間の太腿から見える少しだけの露出から筋肉質というよりは健康的に育った印象のする女の子。その姿に俺は初対面なのに何故かすごく懐かしい……不思議と親しみを感じた。



「やっほ!」

「ど、どうも!」

 助かるくらいに、すごくフランクだ。



「ごめん、ごめん。てっきり同業者の人かと。クエストの邪魔したかと思ったよ」

 言いながら、濡れた土埃だらけの服を叩くが、落ちない泥に彼女は少し嫌な顔をした。お気にが汚れてげんなりといったところか。



「あの、同業者とはなんでしょうか?」

「ええっと~、意味わかんない? あなたも冒険者ですかってこと」

「冒険はしてますけど、ハッキリと言いますと現在進行形で迷子です。詳しく言うと土地勘のないただの迷子です~……というか、あなたは冒険者なんですか!」

「う、うん。まぁそうだけど」



彼女は一枚のカードを取り出して俺に見せる。なんだろう今のカードと行動は? 自分が冒険者だと証明するために警察手帳のように見せなくてはいけないだろうか?



「その顔、冒険者も見たことない田舎者迷子とみたよ。此処からだと……パゴルとかダンロガの生まれ? それともナバ──」

「う、うぐっ……」

「ちょ、ちょ待っ⁉︎ なんで泣きそうになってんの⁉︎ 田舎者扱いしたから⁉︎ ごめんてば!」



 これは嬉しさからきた涙だ。俺と同じ大志を抱く者ならば、今の俺を誰が気持ち悪いと言おう!

 こんなバリバリ冒険者の女の子から日本で聞いたことない地名を連呼されたら嬉しくて泣くに決まってんじゃないか!



 お、俺は今! 憧れの世界にいるんだ!

 次回、執筆中です。

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