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死なない私の物語  作者: 蜻蛉
1/8

プロローグ 魔動列車内にて

 ――夢を見ていた


 父さんと母さんが生きていたころの夢、そして


 父さんと母さんが死んだときの夢を


 最期に父さんは「自由に生きろ」と言って、母さんは「幸せに生きて」と言っていた。


 よく覚えてる。だから、どっちも目指したい。自由に、幸せに。


 今の私ならきっと目指せるとそう、思うから。――


 

 

 わずかな揺れとともに目を開ける。

 窓の外を見ると辺りはすっかり暗くなっており、自分が眠ってしまっていたと気付く。

 

 (おのれ師匠、ゆっくり景色も見れなかったじゃない・・・)


 今日出発というのに修行に付き合わされたことに心の中で文句を言う。

 まあ、これに関しては自分も悪い。

 せっかくの門出だから普通に見送るだろうと思っていて、師匠は頭がおかしいということを忘れていた。


 だが、そのせいで疲れて眠ってしまっていたのだ、後ろに流れていく景色を見るの、結構楽しみにしていたのに、これは文句を言ってもいいと思う。結構楽しみにしていたのに・・・

 師匠だけが原因ではない、座っているところも問題だ。

 すごくふわふわして快適な椅子、こいつがいたからぐっすり眠ってしまっていた。


 (さすが魔動列車、これに乗れるなんておじ様に感謝しないと)


 切符をくれた魔法と常識の先生に心の中で感謝をした。


 (とりあえず、最後まで乗っていなさいって言ってたから最後まで乗ってたら学園に着くでしょ)


 私の目的は学園への入学だ。

 レンバース学園、聞くところによるとたくさん人がいて、いろいろ学べるすごいところらしい。

 そこに入学してたくさんのことを学ぶ、それが私に必要なことだと師匠もおじ様も言っていたし、私もそう思う。

 内容がざっくりとしすぎているけど、途中から説明していたおじ様の話を聞き流していたからしょうがない。


 (可愛い子とか綺麗な子とかたくさんいるかなー)


 多少下心があるが、師匠たちも友人は作るべきとも言っていたし、そもそも可愛い子や綺麗な子が好きなんだからしょうがない。


 と、そんなことを考えながら、周りの気配を探ってみた。


 (車両内には10人。眠っている人もいるわね、目的地が同じ人はいないかな?いたら話し相手になってあわよくば仲良くしてくれないかなー)


 とは思うが、なにぶん、私は山生まれ山育ち、今までの人生において関わってきた人は父さん母さん師匠おじ様の4人くらいだ。

 いきなり知らない人に話しかけるという経験値が不足しているため、思うだけとなっている。


 (いやこれも経験だ、とりあえず可愛い子に話しかけてみよう)


 と決心したた矢先、魔動列車の後ろから妙な流れを感じた、まるで魔力を無理やり引っ張って奪おうとしているときのような感じ。

 平和なはずの列車内で感じるには少々不穏なものを感じたため、話し相手探しはいったん置いておいて、実際に見てみるため流れの発生源に向かうことにした。

 魔動列車がそういうもので不穏なものが私の勘違いだったとしたら、それはそれで問題はないし、そういうものという知る経験を得ることができるので私的には向かう一択だ。



 

 列車が止まった、目的地にも途中の駅?という所にも着いていないのに止まった。

 常識がないと言われた私でも明らかにおかしいとわかる状況、急いで引っ張る感覚のなくなった流れの発生源に向かうと、黒いフードを被った人が3人いた。

 あからさまに怪しい、とりあえず話をしようと思ったら向こうから話しかけてきた。


 「この列車の乗客か、何しにここに来たかは知らんが魔動列車は我々が止めた。大人しく殺されるのなら苦しまずに殺し、我らの神の供物としてやろう」

 

 そう言って、3人とも剣を抜き襲い掛かってきた。

 3人ともなかなか連携は取れていたと思う、散らばった後3方向から同時に襲い掛かってきたから、

 

 でも私には通用しない、回避も防御もする必要はなかった。

 振るわれた剣を砕き、砕いたついでに3人の首を刈る。

 この程度なら身体強化すら必要すらなく、一瞬で勝負は決まった。


 「しまった、一人くらい生かしておいて話を聞けばよかった」


 少し後悔するが、もう遅い。

 しょうがないから流れの発生源だった場所を見ると、部屋に繋がれた大きな水晶?があった。

 見上げるくらい大きな水晶みたいなもの、その周りに魔力の残滓が漂っているのを感じた。


 「もしかしなくてもこれって魔動列車の動力になっていたものだよね、これの中の魔力がなくなったから列車が止まったってことかな?」


 少し考えて自問自答した後、私はこれからの行動を決めた。


 「よし、動力がないと困るだろうし、魔力の補充をしてあげよう」


 容量はかなりあるみたいだから少々時間はかかるが魔力量には自信があるからたぶんできると思う。

 そう判断した私は、水晶に触れ魔力の補充を始めた。

 うん、これなら問題なさそう。

 動力が切れて困っているであろう人を助けていることはきっといいことだよね?


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