第41話 〜おっぱいの暴力〜
「これをっっっどっうぞっっっ!?」
微妙な空気で始まった勉強会だけど……こいつはさーちゃんにピンクのノート、私にはオレンジ色のノートを渡してきた。
私とさーちゃんは素直に受け取り、さーちゃんは早速中身を見て驚きの顔をする。
「これって……こんな短期間にこんなノートを作ってくれたんですか!? す、すす凄い!?」
さーちゃんの目が飛び出るぐらい……いやもう、半分飛び出てるけど、何が書いてあるだろ?
————ペラペラッッッッ
「うわ、なにこれ」
そこには綺麗な字で1ページから最後のページまで文字が読みやすい感覚で書かれていた。
私は通して最初は見たが、1ページに戻りそのページを読んでみると——
「やば……すご」
どこでどうやって私の苦手な科目を知ったか分からないけど、1番上の行に大きく現代文と英語の苦手を克服しよう! と書いてある。
その下には1ページから30ページが現代文の初歩的なやり方、31ページから80ページまで今回出るテストの出題させれるであろう内容やその解き方までを書いていると書いてあった。
ここまでくると怖いまであるが、もしかしてこいつ……私とさーちゃんに上手く喋れないと思ってこのノートを書いてきた?
「ははは……予想的中」
1ページの先程説明したその下行にはこのノートに書いてあることをベースに、問題を解いたらその問題を解いた説明を僕にして下さいと書いてある。
いや……極力自分が喋んないよにするためにこのノートを私とさーちゃんに書いてきて、しかもこのノートで問題を解かせる自信があると。
なんかその天才加減に妙に腹立つけど……それよりも——
「あんたってマジで凄いね」
「はい……本当に……凄すぎますよ」
私に同調するように頭を大きく上下させ、私の言ったことに頷きまくるさーちゃん。
それにこいつは頬を赤くして、照れるよう——
「はひっっっっ!? ありっっがっっっとうござっっいまっすっっ!?」
(あ、やば……なにその笑顔……可愛い)
……? 夏さんどうしたんだろ? いきなりなり、そっぽを向いて口を手で覆ってる。
今の俺の発言がなにか何か面白かったのだろうか?
嬉しすぎて満面の笑みをしちゃったけど、その顔が面白かったのかな?
「では、このノートを軸に勉強を進めていきましょうか」
「ゴホンッ! うん、そうだね。やり始めよ」
◇◇◇◇◇
(問題がスラスラ解けるんだけど……気持ちわる!?)
今まで解けなかった現代文がこのノートを軸に解いていくと普通に解けるようになっている。
もちろん間違えたところもあるけど、いつも以上に解けてるし、こいつは何故か、BL本を読んでるし……なにこいつは勉強しなくても1位とれますよって事なの?
ってかなんで女子の前でBL本読んでんの?
「はいはいはーい! 朱雨くん、私問題解き終えたので説明していいですか?」
「はひっっっっっ!? いいっっでっすっよっっっ!?」
さーちゃんは大きく手を挙げて胸の暴力というものを揺らす。あーなんかこれを見て、思うことはあるけど……流石優等生のさーちゃん、私より早く解いてんだ。まあそれは基礎がしっかりしてるからね。
————トコトコッッッ
「ひっっっっっっっっっっ!?」
「え?」
さーちゃんは徐に歩き出し——
朱雨の隣に座った。
どういうこと?
「では、説明させていただきますね」
さーちゃんはこいつにくっつきながら、問題の説明をしだした……頭がパンクしそうだ。さーちゃんってそんな子だったけ?
こいつはなんで拒否しないの? そんなに困っているのなら断ればいいのに。
「ここはこの問題とかけているんですよね」
「ひっっっっっっっっ!?」
佐倉さんがくっついてきて、俺の心臓はバックバク。だけど、ここで引く訳にはいかない!
昨日、波さんと電話した時、夏さんの気を引くには何事にも恐れず、何事も夏に見せつけろと言われた。
その意味は分からないけど、見せつけるってこういうことだったのか……!
この事をもう予測してたなんて波さんって凄い!
その波さんの教えに順してこの状況を我慢するのだ!
例え佐倉さんのおっぱ……が触れていても! 何事にも恐れず立ち向か———
————フニッッッッッッッ!
「ひえやっっっっっっっ!?」
は? なにこいつ普通にウザイんだけど、さーちゃんもさーちゃんだし……何この空気。
私にはない暴力を使われて、こいつはそれを否定しないで、拒否をしないで……なんか無性に腹立つ!
私の好きな人がこんな人だとは思わなかった。
「朱雨くんどうでした、私の説明は?」
「よかっっったっっでっっっすっっ!?」
————バクンッッッッッッッ!
な、夏さんからの眼光がきょ、強烈すぎる!? 波さん、本当にあってるのですか?
私はこれで夏さんに嫌われないですか?
「さ、今度は夏さんの番です。ほら夏さんも朱雨くんの隣に座って」
「え? さ、さーちゃん……まさか……!?」
これは!? もしかして!? さーちゃんからの最強のパスだったってこと!?
あ、もうさーちゃんの今の笑顔が天使の笑顔に見えてきた。ありがとう、さーちゃん! このチャンス掴み取ってみせる!
「じゃ、じゃあ私もそう———」
「なつっっさんっっはっっっいいっでっっす!?」
「は?」
は? 普通に拒否られた……けど。そんなに私の事……嫌い? さーちゃんは良くて、私はダメで、あ……なんかちょっと心がなんか凄い気持ちになってきた。
好きな人はさーちゃんの方が良くて、私は駄目で。
気分……わる
「はあ? こっちから願い下げだけど。だれが下級陰キャなんか隣に座らなといけないの」
(あはは……そうだよな)
佐倉さんはギリギリ大丈夫だったけど、夏さんが隣に座るなんて考えただけでも恥ずかしくて思わず断ってしまった。
でも、結果的に夏さんは座りたくなかったか。
いや、それ当たり前だ。この勉強会だって俺を勉強を教える奴にしか思ってなはずだし、パンツを盗んだ疑惑がある俺にどうして良い対応ができるか。
あははは……壁は厚いか
「ぎゅふふふふふふふふ、びちやあああぁぁぁ」
今日はたまたま学校に用事があったため、朝早くから来たが、まさか朱雨のあんな姿を見れるとは。
「朱雨くん、朱雨、朱雨ちゃん、しゅーう……」
朱雨は夏が好きだと今、見ていて分かった。そして、夏も朱雨が好き。
ならば俺がすることは1つ
「こーわしちゃお!」
ブックマーク、評価、感想などを頂いたら犬三郎って奴は喜びます。
例えるなら……え、あれってテレビの撮影? ちょっとピースしよ!
翌日……あ、映っとるやんって時ぐらい喜びます。
あれよく良く考えれば恥ずかしいな。
まあそんなことはどうでもいい。
うわ〜丁度2週間ぶりの投稿……草生えるわ
そういうことで、なんか最後の方は怒涛の展開でしたね。後、芝木が気持ち悪い。
そして、こんなにも期間が空いたのにブックマークし続けてくれた方ありがとうございます!
投稿頻度がクソみたいになりつつありますが……1月中には第1章を完結させたいと思っています。このペースでいったら出来ないんですけど。