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教室で寝て起きたら好きな人のパンツがありました   作者: 犬三郎
恋愛頭脳戦第3試合 〜夏の成績を上げろ!〜
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第37話 〜動きつつある第3試合〜

「朱雨くん、おはようございます」


「おはっっっようっござっいまっっすっっっ!?」


 電車で雪と別れてから急ぎ早に駅のホームに着くと、いつもの場所に雨さんが待っていた。

 毎日の恒例な光景と言っていいほど行き交う人達の目を奪っていく雨さんの魅力に凄いな〜っとか思っていると、雨さんは不思議そうな目で俺の後ろを見てくる。


 まあ、その理由ってのは俺は分かってるけど——


「そちらの”女性と”男性”のお方は?」


「どうも、初めまして! 柏木波です!」


「俺は芝木です」


「あ、初めまして」


 雨さんが困惑するの当たり前だ。


 昨日の夜、波さんと連絡先を交換した俺は何故か波さんから電話をしようと来た。

 恐る恐るいいですよと回答し、電話が直ぐに来て喋った内容は簡単。


 波さんは「朱雨くんが三原さんともっと仲良くなるように私、手伝うよ!」


 っということだった。何故そんなことをするのかは俺は全く分からなかったが、それはめちゃくちゃいいチャンスなのではと俺は即座に思い直ぐに快諾した。


 嫌なお節介かもしれないけど雨さんは同年代の女の子にちょっと距離を置いている気がする。

 今、やっと花火くんと仲良くなりだして、花火くんの親友でありコミュ力がすごい波さんが近くにいれば、雨さんと仲良くなれるし、雨さんに新しい波さんという友達が出来るかもしれない。


 しかも、不甲斐ない俺と雨さんが仲良くできるし花火くんとも必然的に仲良くなれる気がする!

 もうこれはチャンスでしかないと思ったからだ。


 だけど、芝木さんっていう人が来るのは聞いてなかった。


「それで今回はどんな要件で?」


「うーん、朱雨くんが”私”っと一緒に登校したいって言ったから一緒に登校することになりました」


 ————カチンッッッッ!


「へ、へぇ〜。そうなんですね。私は大歓迎ですよ」


 あーーーーーーーーどういうことだよ?


 こいつ誰だよ!? なんだこいつ、なんで朱雨と仲良くなってんだよ!?

 いつだ? 私の知らない間に何があった!?


 柏木波、名前は何回も花火から聞いたことがあるけど……


 落ち着け私、まずは情報整理だ。


 波はなんで朱雨に近づいた? 私との関係を深めたい……いや、花火くんと仲良くなってきた私への復讐?

 それとも、花火くんともっと近づきたいかのか


 ってことは自分の私利私欲のために朱雨とつるむって決めたってことだよな?

 あー、私の大っ嫌いな奴だ。


「おー、悪い悪い。おく……れた?」


「よっ」


「おはよー……」


 うん? 少し用を足しに行ってただけなのに、何が起きた?

 何故、芝木と波がいる? ってか今日、どうやって波と顔を合わせればいいかってすげー悩んでたら、こんなあっさりと会うのか?


 しかも、めちゃくちゃ元気そうだし……何があった?


 波が無理やりこの場所に乗り込んだのか? それだったら芝木がなんとかしてくれるはず……本当に何が起きた?


 まて、頭がめちゃくちゃパンクしそうだしめちゃくちゃ気まずい。


(な、なんだろう、この空気)


 俺は陰キャなせいか空気の重みとかがちょっとだけ分かってしまう。それだから分かるけど……花火くんと波さんの空気が凄い重い。

 2人とも陽気に話してるけど、やっぱり昨日波さんが泣いたのと関係があるのかな?


「花火が波に告られて振ったて話は本当だったんだな」


「えへ?」


「へ?」


 芝木くんが言った言葉に花火くんと波の空気が凍りつき、私も朱雨くんも凍りつく。

 花火くんに告って……振られた? それやら波は気分が最低な時だし、そんな振られた翌日からこんなに大胆な行動するかよ?


 女としてはめちゃくちゃつえーけど、やっぱり花火くんを諦められないから朱雨くんに近づいたんだよな?

 私の推理はあってるはず、だとしたらこいつは絶対私の嫌いなタイプだ。


「あははは〜、ま……まあそうだけど。私はもうキッパリ花火のことは諦めたから花火も気にしないでよね」


「ああ……ま、そうだよな。俺が気にしすぎてただけか」


 ふっ、さすが俺だ。この重い空気を使い、波の気持ちを再確認できた。やはり波は花火のことキッパリ諦めた。

 そうじゃなければ昨日、俺が波の家を訪ねた時にあんな元気な訳が無い。

 そして、引っかかるのが『電話』をする。


 あの時、波が去り際に俺に言った言葉だが……何故、親友の俺に告白がどうだったとかは言わなかったのか?

 電話の先に何かがある、その何かは今日波に付いてきたら分かった。









 朱雨 お前だろ









「では、学校に遅れそうですし、歩きながら喋りましょうか」


「はひっっっっっっっっ!?」



 ◇◇◇◇◇



「それで、なんで波と芝木が一緒に居たんだ?」


「あー、朱雨くんが私と一緒に登校したいって言ってたから」


「朱雨が?」


「はひっっっっっっ!?」


 波が嘘をつくこともないし、朱雨が嘘をつく理由もない。

 しかし、昨日と今日でどうやって朱雨と仲良くなった?

 芝木は何か知っているのだろうか? っと思い長年の感覚で芝木にアイコンタクトをしたが、芝木首を振った。


 波の魂胆も分からないが、俺は歩き出した時から気になってることがある。


「三原さんと朱雨くんって仲良さそー」


「えへ? そ、そうですかね?」


 照れながら喋る雨。波のコミュニケーション能力があったとしてもやっぱり、朱雨と雨を繋ごうとしているのが見え見え……いや、恋敵である俺だからわかっていることだろうが、波は雨を朱雨に意識させようとしている。


「でも、私と朱雨くんもこれから仲良くなるんだもんね」


「はひっっっっっっっっ!?」


 あ? こいつ私に喧嘩を売ってるのか? 私の方が朱雨くんと仲良くなるみたいなこと言い出しやがって……いや待てよ、もしかしたらこいつは朱雨くんのことが好きなのか?

 それでもしかしたら、私に敵意を買おうと……なんだこの掴めそうで掴めない、真意は。


 あーーーーイラつく!


「すみません。波はこういうやつじゃないんですけど、振られたショックからおかしくなってるようで」


「おま、そんなにいじるなよ」


「そうだよ芝木! それめちゃくちゃタイムリーなんだから!」


「あははは、ごめんごめん」


(……これが陰キャの人達との会話か!)


 俺はこんなに人と歩くこともない人生を送ってきたから分かるけど、こんな陽キャ組との会話と集団!

 俺の学園ライフが遂に動き出したぞ!



 ◇◇◇◇◇



 俺は波と雨と別れてから波に問いただす。


「波……どうして俺と朱雨との輪に入ってきたんだ?」


「私、花火には悪いけど朱雨くんのために頑張るから」


「は?」


 波はその不可解な言葉だけを残して、それ以上喋ろうとしなかった。



ブックマーク、感想、評価など頂いたら犬三郎ってやつは喜びます。


例えるなら、あーー寒い寒い! ヒーター早く起動してくれぇぇぇ!


数分後……


あったけええぇぇぇぇ! ぐらい喜びます。めちゃくちゃ嬉しいですよね


まあそんなことはどうでもいい。


お久しぶりです……めっさ久しぶりです。


今回から投稿を再開します! っと言いたいところなんですが、ストック数の少なさで毎日投稿は不可能。2日投稿も不可能、3日投稿……ぎりいけるか?

ぐらいです。そして、第3試合はテスト編です! 第1章的な最後になるのですが、恋というか策略というか色々な動く予定です。

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