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教室で寝て起きたら好きな人のパンツがありました   作者: 犬三郎
恋愛頭脳性2試合目 〜失恋をさせろ!〜
35/42

第35話 〜弱い時は誰にでもある〜

「朱雨くんって好きな人いるでしょ?」


「ブフォッッッッ!? いまっっすせんっっっ!?」


「ふーんそうなんだ」


 私は朱雨くんのお兄さんの言葉に感銘を受けた……というかなんならお願いごとに近かった。


『へ?』


 2人きりで何を言われるか凄い不安だったけど、弟と……朱雨くんとなんか関係があるお願い事なのかなって思ってたら恋のサポートをして欲しい?


 朱雨って人は学校では問題児だし、誰かのパンツを盗んだとか……確実に女の敵だけど、こんな優しいお兄さんと、あの妹さんが兄弟ならそれは間違ってるはずだけど……


 あと花火と仲良くつるんでるし。


 それでも、恋のサポートをして欲しいって唐突な事だし……失恋した私は今は……恋に関わりたくない。


『恋のサポー……ト……。す、すみません、今の私に……それは出来なさそうです』


『うーん、そうか。それなら仕方がない。もしかしたら波さんの”失恋”の痛みを和らげられると思ったんだけどね』


『え!? なんで知ってるんですか!?』


 私は失恋と言われビクンッッ! と体が動いてしまう。


 なんでお兄さんは私が失恋したって知ってるの!? 怖いし、そんなに顔に出てないはず——


『あははは。そんなのは簡単だよ。波さんが失恋しましたよって顔をしていたからね』


『そ、そんな顔してました……?』


『うん、ガッツリ出てたよ』


 いや、ガッツリ出てたんかい! 私って昔から顔に出やすいって思ってたけど、それでも失恋したって答えが辿り着けるはずないのに……なのに、このお兄さんは全てを見透かしているような怖さがある。


 だけど、それが心地いいとまで感じてしまう


『それでそれも相まって……やっぱり、失恋した後はナーバスになるものだろう? それを恋のサポートで癒せることができると僕は思っててね』


 恋のサポートで私の気持ちが治る……?


 どういうことだろうか。私は……自分で立ち直れる気はするけど、失恋の痛みなんてちょっとだけだし、癒すも何も自然治癒ってやつで治るはずだと私は思ってるけど……なんか私の中で引っかかっる。


『波さんは気づいてないかもしれないけど、私はそのまま失恋した気持ちを生涯ずっと引きずって生きていく気がしてね。それは波さんも分かっているんじゃないかな?』


 ぐっ……やっぱり、このお兄さんは人のことを見透かすのが本当に得意だ。

 今のお兄さんの発言を聞いて、なにか分かった気がする。確かに私は一生、花火のことを思って生きていく……そんな気がする。


『……否定できないのが悔しいですけど……多分その通りです』


『だったら、次の恋を見つける……今の波さんじゃあ、難しいかもしれないけど……僕の弟の恋を見てれば何かいいスパイスになるかと思ってね』


 このお兄さんは凄く自分の弟に自信がある声色で、言うけど……朱雨ってそんなに凄いのかな? でも、このお兄さんが言うんだ間違いはない。


 そして、私の座右の銘はdoの精神! やれば道は開けるかもしれないし、この鬱な気持ちも取れる気がする!

 しかも、恩返しをしないといけないし、お兄さんの言ってることは一理どころか二里もあから……


『分かりました。私なりに朱雨くんの恋のサポートします!』


『あははは。ありがとう、心から感謝するよ。あ、あと恋のサポートをするのは自己申告、私からしろって言ったのはナイショだよ』


『はい! 分かりました!』


『あ、それで朱雨が好きな人は分かるかな?』


『それならバッチグーですよ! 三原さんっていう人ですよね』


『…………私はそこら辺はよく分かってなくてね。多分その人なんじゃ…………ないかな……』


 最後はなんか笑いを堪えてる風だったような……まあそんなことはどうでもいいや。


 お兄さん達への恩返し、そして私のために朱雨くんの恋路を実らせなければいけない。


 お兄さんは朱雨くんには好きな人がいて悩んでるって言っていた。だからその悩みを解決させようと頑張ろうって決めた。


 だけど朱雨くんの好きな人あってるよね?


 順当的に言えば三原さんだと思うけどもしかしたら違う可能性も……いや、この間仲良く手を繋いでたし違うってことはないか。


「朱雨くんさ、明日から私も一緒に下校とか登校していい?」


「ひっっっっっ!? いいっっってっすよっっっ!?」


 お、思わずいいって言ってしまったけど……ってかなんで兄ちゃんは俺と波さんを一緒に帰らせた!?


『朱雨、男として女の子を見送るのは当然のことだよ。僕は体が弱いし、雪だと逆に帰りが心配だ。っていうことでよろしくね』


 ……あのいじってくる感じの笑み……めちゃくちゃウザイけど……男としては当然のことを言ってきた。

 雨さんの家はこここら2駅遠いところだから、2キロぐらい離れてるけど、それよりも良く学校からここまで歩いてきたな〜って俺は思う。


 ここから学校って6キロぐらい離れてるのに。


「朱雨くんってさ、花火のことどう思ってるの?」


「はなびっっっくっっんっっっっのっことっっでっっすかっっっっ!?」


「うん、花火のことだよ」


 悲しげな声色で聞いてくる波さんに、俺は結構戸惑う。雨はザァーザァーとまだ降っていて、恥ずかしくて顔も見れないけど、凄い悲しそうな顔をしてる気がする。

 花火くんと何かあったのかな? 波さんって花火くんの親友だし。


「はなびっっっくっっっっんはっとっってっもいいっっひとっっでっすっ!」


「それは知ってるよ〜。花火の凄くいい所だからねそれは」


「だけっっとっっっっなみっっさんっっっのはなしをっっっまいにちっっったのしっっくはなしっってまっっすよっ!」


「ッッッ————— あーそうなんだ。あーそっか……」


 波さんは苦しそうな、こっちまで心臓が引き締めるような雰囲気が出てきた。

 ……苦しそうで、玄関で見た時から、今歩いてる時から、感覚だけど、ただの勘だけど彼女はずっと空元気で、無理やり笑って、自分に言い聞かせて、だけど苦しくて。


 兄ちゃんや、雪みたいな強い人と居たから弱気が出せなくて、俺みたいな弱い奴といるから心が緩んじゃったんだ。


 俺も兄ちゃんの前ではカッコつけたくなるし、空元気も出したくなる……だけどそれが1番苦しいのは俺も少しだけ分かる。


 何があったかは俺みたいな奴には分からない。


 大切な花火くんと、何かあって悶えてるんだ。


「僕はっっっっはずかしっっくっってっなにもっっみれませんっっしっっっあめのおとっっっでっなにもっっきこえっっませんっっっ」


「え?」


「ひとをきにしないっっっでっっなくっっっってっいいっっものっっですっっよ!」


 泣くって……急に何をいいんだすんだろう。


 私は苦しくないのに、私に涙なんて似合わないし、もういっぱい泣いて涙は枯れて、お兄さん達に言われた通りここから復元していくんだ。

 泣くなんて……もうしたくない。それは私じゃないよ。


「何言ってるの……私って元気が取り柄だからさ。泣いたことなんてないよ」


「はなびっっっくんっっはっっなみっっさんっっがっつよいからっっっおれもっっ強くならないとっってっ言ってましたっ!」


「………………」


「でっっっも……くちっっがっっっかたいっっっぼくはっっっだれにもっっっきょうのっっことはっっいいっませんっっっ!」


 変態で有名な朱雨くんの前で泣くわけないじゃん……人前で泣くわけないじゃん。

 私は強くて、優しくて、皆に元気を振りまく人なのに……人前でまた泣くわけないじゃん。


 だけど、花火の話題を出すのもずるいし……もう目頭が熱いし、涙は零れそうだし———


「………………ないて……いいのかな?」


「はひっっっっっっっ!?」


「………………………………………………」


 俺は何も見なかった。波さんの顔も泣いてる声も何も聞こえなくて、何も喋らなくて……でも、俺って奴はやっぱり馬鹿でチラッと波さんの方を見て見たら。


 何故か美しく……頭から離れない、泣き顔だった。



ブックマークとか評価とか感想とか頂いたら犬三郎ってやつはめちゃくちゃ喜びます。


例えるなら、やばいやばいやばい! 電車に乗れない!? うおおぉぉぉぉぉぉ……セッーーーフ! ってぐらい喜びます。


まあそんなことはどうでもいい


ここの紅葉と波の会話がどうしても納得できないな〜、なんかちもなおしたんですけど……無理でした。

そして、ここまでは去年書いたものに加筆したものなんで、こっからは私が考えないといけない……つまり投稿頻度が減るかもしれない。


すみません!

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