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教室で寝て起きたら好きな人のパンツがありました   作者: 犬三郎
恋愛頭脳戦1試合目 〜美少女とのデート〜
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第3話 〜ギャルからのちょっと来なは怖いよね〜

「ひっっっっ! なんでっっすかっっ!?」


「ちょっと来な」


 物凄く怖い声色と心の通った声。その声がめちゃくちゃ好きな反面、好きな人が確実に怒っていると直ぐに分かる。


俺は反応的にビビりながら夏さんの後ろをついて行くがやはり、あのパンツのことだろう。……夏さんと喋るのはめちゃくちゃ怖いし嬉しいけど、やっぱり怒られるんだろうな〜。


————ガヤガヤガヤッッッッ


廊下を歩いて玄関へと行っているが、廊下にいる人達が俺らを凝視する。

ギャルに連れられる、陰キャ……しかも問題児。変な目で見られるのは当然だ。


「…………」


 しかし、それ以上に夏さんの後ろ歩くだけで、夏さんの後ろ姿を見れるので、俺は胸がドキマギしてしまう。夏さんの肩まである輝かしい金髪に凛とした立ち姿。

 もちろん、白い肌に今は見えないが金色の目と少し小さい胸……どこをとっても好きなんだ。


 クラスでもトップクラスに可愛い彼女を陰キャで、女子の目など見れない俺はここで夏さんを拝むしかない。


 だが、これから起こるであろう悲劇の前に夏さんの後ろ姿だけでも目に焼き付けておこう。


「…………ここでいいか」


 素直に付いて行くとそこは人が疎らにいる校舎の外。


 俺と夏さんの距離は3メートル。近いようで遠い距離だが、夏さんの顔をろくに見れないという陰キャモードに入ってしまっている。


 そのため夏さんの足元を見ているが、夏さんのスカートの丈はギャル特有で短く、細くもなければ太くもない完璧なスタイルにまたもや俺の心臓はドキドキしてしまう。


 その時、脳裏に浮かぶ先程の光景、夏さんのパンツが俺の頭をよぎったると同時に——


「私のパンツを盗んだって本当なの?」


 夏さんの声に俺の心臓はドクンッ! と跳ね上がり、直ぐに返事をする。


「ひっっっ!? 盗んでないでしゅっっっ!」


「本当なの? あんたがド変態で私のことが好きで盗んだ訳では無いの?」


「絶対にっっっ! 盗んでないですっっっ!?」


「じゃあ、許すわ」


「えへ?」


 間抜けな声が出た。絶対に暴言を言われると確信をしていたからだ。


「でも、あんたが私のパンツを見たっていうのは心底気持ち悪いし、ムカつくし、死んで欲しいと思うけど……私は陰キャオタクのことをいちいち気にしてたらギャルなんて出来なわけだし」


「でっっもっっっ!?」


「下級陰キャオタクが否定する必要なくない? 私がいいって言ってんだからいいんでしょ? 返事は?」


「はひっっっっ!」


「じゃあ、私は教室戻るけど、あんたも教室に戻りなさいよ」


「はひっっっっ!?」


 夏さんは俺に背を向け、校舎の玄関へと歩いていく。夏さんが見えなくなった時、俺は空を仰ぐ。





 ————可愛い





 俺の心の中はそれで埋め尽くされた。


 怒られると思っていてバクバクしていた心は、明るく穏やかになり、もっとバクバクとしている。


 顔は見ていない、ただ地面を見て少し会話をしただけ。なのに俺の顔は赤い、真っ赤だ。


 あんなことをしたのに俺を許してくれる心の寛大さ。

 俺だって罪悪感は凄いある、だけどそれを覆すように心が躍動する気持ちというのはこういうことかと認識した。


 俺の気持ち悪い返事にも何も言わず、堂々としたあの声色。


「あー、好きだ」


 これは叶わない恋だと分かっている。まともに夏さんと話せないのにどうやって恋に発展させればいいのか?

 そんなのは俺でも、神でも分からないだろう。


 夏さんはきっと俺の事をただの気持ち悪い奴だと思っているだろう。



 ————それでも俺は夏さんと付き合いたい



 それがいつも俺がどこにいても思っていること。


「もうそろそろか……」


 夏さんがもう教室に着いているぐらいの時間が過ぎた時、俺は教室へと歩き出した。



 ◇◇◇◇◇



 イライラする。腸が煮えくり返る気分なんて久しぶりだ。


 なんなの、あの陰キャオタクは? マジでイラつく。


「おい。あの人すごい怖い顔してね?」


「マジだ。めちゃくちゃ怖い顔してる」


「ねぇ〜、あの人の顔やばくない? 」


「うわっ!? 本当だ」


 私が廊下を歩くと1つの声しか聞こえない。顔が怖い。


 陰口でそんなことを言われたのは初めてだ。私だって乙女の端くれ、そんなことを言われたら傷つく。


 陰口のストレスと、イライラ感が心を満たし私の心は破裂しそうになる。


 私はトイレへ早歩きで駆け込む。この時間では珍しく個室のドアは全て空いていた。


 私は一番奥の個室に入り鍵を閉め便座に座り、天井を向く。


「あーーーー! あいつめっさ可愛くない!」


 人目を気にしないで私は大声で叫ぶ。気持ちが溢れて止まらない。そして口角を上げ、思わず笑顔になる。

 それをやめるように私は頬を下に引っ張る。

 だけど、手を離すと口角はまた上がる。


「もー、私のバカバカバカ!」


 口角を下げる行為をやめ、今度はあんな話し方しかできない私に腹がってきた。


 だってそうでしょ!? あんなんじゃ、私を好きになってくれない、ただのギャルとしか思ってないはず!


 でも、あいつのキョドり具合とか可愛かったな。


「これって……やっぱり好きってこと?」

あー初な2人ですね。気持ちを言い合えばもう終わる話なのに……


あ、ブックマークとか頂いたら犬三郎ってやつは喜びます。よかったらやってあげてください。


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