第2話 〜ひっっっっ!〜
「知っていますか先生? 陰キャは恨まれることが多いと」
「ほう。だから、今日も私は無実だと言い張るのか?」
「先生も知っているでしょ、俺だって好きで陰キャをやってないんですよ!?」
「まぁ、その陰キャとやらは極度のあがり症で、もう1種の病気なのではないぐらいの人見知りだとはな……それは私も予想はできなかったよ」
「そうですね、それは私も予想は出来ませんでしたね」
ここは職員室、周りの先生たちが話していたり、自分の授業の日程を組んでいたりと、学生が来るとちょっと緊張する場所だ。そんなとこにで 俺は上村先生に連れられ、説教を受けている。上村先生とは学校に入学してから1年半、全く喋ったことはなかったがこの半年で俺が”問題行為”をするようになり俺の専属の教師みたくなってしまった。
他の先生たちも俺を白く見る中で上村先生だけは俺だけを真っ当……に見ざるおえないという立場にいる。
上村先生は化学の先生で、いつも白衣を纏い、黒髪、黒目で長いポニーテールをしている。
何歳かは分からないが、既婚者だとか彼氏がいるだとか、独身だとか、先生の圧倒的大人の美貌のせいで学校では色んな噂が彷徨っている。
まあそれはさておき、俺の後始末を色々やってもらっているので、上村先生にはものすごく感謝はしているが……なんかこの高圧的な態度が俺を削ってくる。
「で、今回は何があったんだ?」
「私にも分かりません。寝て起きたら夏さんのパンツが机の上にあるなんて」
「いつもいつも分からないか……。本当はお前がやっているんじゃないだろうな?」
上村先生は「はあ〜」っと深い溜息をつき、頭を抱える。その後に、俺の目を真っ直ぐ見てきて俺の真意を確かめようとすると俺は上村先生の目をガン見しながら——
「この私が同年代のパンツを盗めるとでも?」
「それを誇るのはどうなんだ」
俺の高言に上村先生はまた、「はあ〜」っとため息をつく。
「もういい。お前といると疲れが溜まる、早く教室に戻れ」
「あれ? いいんですか? 今回ばかしは停学になると思ったんですけど」
「今回は証拠はあるが、目撃者もないし、お前が教室で寝てた姿を見た先生もいる。だから、今回もお前が無実だとクラスメイト達に担任が説明するそうだ」
「毎度、毎度ありがとうございます」
「ああ、大丈夫だ。私の! 後始末があるだけだ」
「すいません」
「まぁ、いい。早く出ていけ」
上村先生は手で野良犬を払うよに、手を払う。めちゃくちゃ大変になるんだろうなとか思いながら……まあ、俺は知ったことは無い。
なぜなら俺の学校生活が今日から困難を極め始めるからだ……上村先生の今後のことを気にするよりも、自分を気にしなければ……ははは、なんか笑ってしまうよ。
「あっ、それともうひとつ。このまま教室にいるの最悪なので早退させていただきますね」
「分かった。私から担任に伝えとこう」
「じゃあ、ありがとうございました」
俺と先生の会話が終わり、俺は職員室を出る。
これから教室に行き、鞄を取りることを想像すると圧倒的に憂鬱感が俺の心を支配する。
絶対にクラスメイト達に嫌な目線を送られることを覚悟し廊下を歩きだすと———
「陰キャオタク!」
「はひっっっっっ!?」
突然呼ばれた女子の声に俺は、ビシッと背筋を伸ばし誰とも分からない人に対して怯える。
勿論、陰キャオタクなどは俺ではないかもしれないが反射で反応してしまった。
後ろを振り向くと———
そこには怖い顔をしている夏さんがいた。
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