第19話 〜勇気は必要だ〜
「それでさ、さっき雪ちゃんが言ってたけど朱雨って俺たちのなんのことを話してるんだ?」
夏さん達が去り、駅まで歩き始めた頃、花火くんがすこしイタズラ笑いで雪に質問する。
雪は1回、俺の目を見てきたが俺はアイコンタクトで余計なことは言うなよと目をぱちくりさせながらやふが——
「花火さんは、高身長でイケメンでとても社交的。非の打ち所が全くなく、友達になってくれてとても嬉しいと笑顔で喋ってました」
「そんなことって言ってるんか、なんか物凄く嬉しいな」
花火くんは口角が上がり、それを隠すように口に軽く手を覆う。いや、普通に恥ずかしいんだけど。
「じゃあ、私のことはなんて言ってるんですか?」
「はい。朱雨お兄ちゃんは人見知りでそんなに喋ってはないでしょうが、雨さんとの学校の出会いは今でも鮮明に覚えていて、その人がわざわざ話しかけてくれて高校生活、最初の友達になってくれて物凄く嬉しいと喋っていました」
「えへへ。それは嬉しい限りですね」
雨さんも笑顔になりながら喋ってくれた。この2人は本当に俺の友達なんだと再確認し、安堵を覚えつつも謎に俺の心にも羞恥心というダメージを喰らっている。
「ですが、雨さんに兄は少し困っているそうで……」
来た! 今日、1番の心配事だった雪の手助け。
「え!? 朱雨くん困っていることがあったのですか?」
「はい、大変困っているそうで夜も寝付けないそうですよ」
「そうなに困っていることが……」
雨さんの声のトーンがあからさまに下がり、俺の方をチラッと見てくる。
やめてくれ、断りずらくなるじゃないか。
「今日はそれを言う手助けをしに来たのですが……。大丈夫ですよ雨さん。そんなに大変な事ではないですから」
「本当? 本当ですか、朱雨くん?」
「はひっっっっ!? ほんっっとうっですっっっ!?」
「へぇ〜、じゃあ朱雨なにが困ってたんだ?」
流石、雪。自然な形でこの話し持ってきて、俺の口から言い出す負えなくなった。
そして、何故か花火くんも聞きたいという顔もしているし、雨さんの顔は見れてないが絶対に凄い顔をしている。普段絶対に見せない顔をしている。
それで、俺がデートのお誘いを断ったらどんな顔をするのか? それを考えるのは自意識過剰かもしれない。
だけど、これは本当のことを言おう。
「あめっっさんっっがっかわいすっっぎるっっんですっ!?」
「「へ (は) ?」」
◇◇◇◇◇
「では朱雨くん、花火くん、雪ちゃん。私はここですので」
「おっけー、じゃあな」
「はひっっっっ!? さよっっうならっっっ!?」
「雨さん、今後とも兄をよろしくお願いします」
「はい、今後ともよき親友として学校生活を過ごさせてもらいますね」
私は電車を下り、ホームへと歩き出した。改札を抜け、ホームへと出た私は早歩きで家に帰ろうとする。
帰りたい、早く帰って早く裏の私を出したい。
————ガチャッッッ
自分の家の扉を開け、中に入り扉を閉める。
「なんだよ、なんなんだよ……」
私は完璧美少女だ。私は常に完璧を装わないといけない。
なのに何故だ、陰キャに可愛いと言われただけだ。
それなのに心臓がバックン、バックンと鳴っている。気持ち悪い、吐き気がする。
心が痛い、締め付けられる。やめろあの朱雨の顔を出すな、少し頬を赤めに大きい声で私を褒めてくれたそれだけだ。
賞賛なんていくらでも貰った。可愛いのは分かっている。
「なんだよ……この気持ち」
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例えるなら、ゴミ捨てるか〜……ここら入れたいな。よいっと! おっし! 入った! って時ぐらい喜びます。
ブックマークしてやってください。
まあそんなことはどうでもいい
PV数は稼げてるけど、ブックマーク数は増えん……と思ってたら1増えました。ブックマークした人ありがとう!
まぁ、雑談はさておき、雨さんが心のもやもやに気づきましたね〜どうなるんでしょうか、デートは