表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教室で寝て起きたら好きな人のパンツがありました   作者: 犬三郎
恋愛頭脳戦1試合目 〜美少女とのデート〜
12/42

第12話 〜なにやってんの?〜

「……なにやってんの、人の机の前で」


「ひっっっ!? なにもやっってないでっっすっ!?」


 夏さんは鋭い眼光を俺に放ち、俺はその眼光に萎縮する。やばいやばいやばい! 絶対に変態だと思われてる!

 絶対に引かれてる! 絶対に通報される!?


 俺のスクールライフと俺の恋終わる!?


「本当はなんかやってるんじゃないの?」


「ほっっんとうっっにっなにもやってないっっですっっ!?」


「じゃあいいけど」


 夏さんは思ったよりさばさばしているのか? 普通ならパンツを盗んだと思われている人が自分の机の前で何かやってたらめちゃくちゃ引くし、怒るし、通報するけど……


 ————コツコツコツッッッ


 夏さんは俺の方に歩いてきて、俺の前で止まり俺に鋭い眼光をまた放ち、冷たい声で——


「どいて」


「はひっっっっ!?」


 俺はその力強い言葉に1歩2歩と後ろに下がる。夏さんは自分の机の中を確認して1冊のノートを取り出す。


「……このノートの中……見た?」


 ピンク色の普通のノートを手に持ち、俺に見せる。このノートになにか見てはいけないものがあるのか?


「いえっっっ!? みてなっっいっですっっ!?」


「…………あっそ。ならいいけど」


 ————コツコツコツッッッッッ


 夏さんは俺の言葉を聞いて直ぐにこの教室から立ち去ろうとする。


 ————ギュッッッッッッッッ


 俺は後ろに隠している冷えピタを握ってる手の手首を左手で強く握る。

 ここで渡さなくていいのか? この状況で渡すのは馬鹿かもしれない、だけど……せっかく買って……もしかしたら夏さんは具合が悪くて……これを渡さなかったら多分、一生後悔するに決まってる。


「なつさんっっ!?」


 俺の言葉に夏さんは歩みを止める。


「なに?」


 少し怖い声色で応答する夏さんに俺は冷や汗と、体がビクビク震えるが気合いで渡すしかない!


「こっっれっっっっっっっっ!?」


 俺は右手と左手で掴んでいる冷えピタを夏さんの方に差し出しすと、この行動に夏さんは意味不明な表情と、首を少し傾ける。


「たいちょうっっがっっ悪いってきいて……」


「いや、私は調子がなんか変なだけで体調は悪くないけど」


「へ?」


 思わず変な声が出た。体調が悪いんじゃなくて調子が悪いだけ?


「すっっいまっせんっっ!?」


 俺は恥ずかしくなり咄嗟に冷えピタを後ろに隠してしまった。


「なんで謝るの、私のために買ってきてくれたんでしょ?」


「そっっうっですっけどっっ!?」


「私はうれしいよ、普通に」


「えへ?」


 また、思わず変な声が出た。嬉しい……うれしい……そんなことを言われて俺がめちゃくちゃ嬉しい。

 思わず下に向けてた顔をもっと下に向けてしまった。


「ていうかさ、それ私にあげようとしたんでしょ? じゃあ、もう私の物じゃん」


 夏さんはまた俺に近づき、右手を俺に出す。


「ん、早く出してよ」


 俺は下を向いたまんま冷えピタの箱を差し出す。


 夏さんはその箱を受け取り、その時に少し夏さんと俺の指が触れ合う。夏さんと指が触れ合った瞬間にまた俺の心は高鳴る。


 冷えピタを受け取った夏さんは後ろに振り返り教室を出ようとする。


「じゃあ……また明日」


「はひっっっっ!?」


 また明日と言った夏さんの声は先程の怖い声色ではなく、優しい声色だった。


 コツコツと足音が遠のいて行き教室には静寂が訪れた。


 だが、俺の心の中は本当にうるさかった。



 ◇◇◇◇◇



 ————楽しかった 嬉しかった


 そんな言葉では収まらない、心が、心臓の鼓動が物凄く狂っている。

 あいつに触れた指、その指の感触はまだ残っている。指が少し触れ合っただけだ。


 それだけなのに私の口角は上がる。


 そして、あいつから初め貰ったこの冷えピタ。それが産まれて初めて気になった人から貰った最初のプレゼント。


 今日、一日中あいつの事を考えていた。考えすぎて頭が真っ白になってイラついて、友達に当たって……それで落ち込んだ時にこのノートを忘れたと思って教室に戻ったら、あいつがいて……。


 それで更にイラついて、あいつにも怖い声色で言っちゃって。


 そしたらあいつがビビったのを見て少し反省して、そんな自分のことがまた嫌になると、あいつが私が体調悪いって聞き間違いして私の事を気遣って、冷えピタをくれて。


 そんなことだけなのに私の心はこんなにも踊っている。


 友達の事だって明日はまた仲良くなれる、あいつと一緒に居るだけでこんなにも体は軽くなって心も軽くなって、心臓は踊るんだと。


 ————ペラッッッ


 私はノートの1枚目を開き、その真ん中にデカく書いてある文字、いつの間にか書いてあって何故か消せなくて……この文字は嘘なんかじゃないって気づいた。


 ————アイツが好き————


「これが……恋か」


 私はあいつ……朱雨が好きなんだと気づいてしまった。







ブックマークとか頂いたら犬三郎ってやつは喜びます。


例えるなら、あ、肌綺麗になってきたっ時ぐらい喜びます。


まあそんなことはどうでもいい


主人公が言ったなつさんっっのこの「っ」の数が少ないんですよね。だんだん慣れてきましたよってやつなんですけど……主人公の人見知りって治るのかな〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ