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酒好きドラゴン

12


だいぶ落ち着いてきたこの頃。

異世界にも冬が来た。

にしても、この世界にはいい感じに慣れたなぁ~……


けど、目の前にいるモンスターはどう接待したらいいかわかんねぇぇぇぇぇ!!

なんで『ドラゴン』が!?

あのRPGゲームやアニメとかでは誇り高きモンスターなのに、ロング赤髪のFカップ、トカゲような尻尾が付いたエロ娘になってここで働きたいなんて意味不だわ…

確かに雇う事は出来るけど、なんでなの?

まさかあのクソ勇者(ドM)に何かされたのか!?

う~ん………

彼が心の中で葛藤していたら、そのドラゴンさんが鋭い犬歯が綺麗に並んだ人間の口を開いた。

「あの~、私じゃダメですか?」

「ダメって訳じゃないの、ただ……」

ただ、ドラゴンがあんな事やこんな事していいのと思った。

「ただ?」

ドラゴン娘は俺の顔をうるうるした涙目で見てきた…うぅ………

俺が悪者に見えそうだからそんな目で俺を見ないで!

「ただ、モンスターの中でも誇り高いドラゴンがなんでうちで働こうと?」

俺が彼女に聞いたら、難しい顔をして答えてくれた。

「お金が無くて大変だから……」

「働いたらお金はどこでももらえるよ?」

「いや、その~……」

「その?」

「ここは沢山のモンスター娘が働いてて、私もって思って……」

あっ、そう言うこと。確かにうちらの店は他の店よりモンスター娘が多いもんな……

モンスター娘が働いている店は奴隷として使っている。だが、ここで働くモンスター娘は奴隷じゃない。

「本当はお酒じゃないの?」

俺は悪ふざけで冗談を言ったら、

「なっ!な、な、なんでわかったんです!?」

えっ?マジで?

ドラゴンは確かにお酒や女に弱いことはゲームやアニメで知ってたけどガチなん?

「おっ、お酒なんだ。そっ、そうだよね♪」

「うぅ…そうです……ぐすん」

「わぁー!泣くな泣くな!!雇うから泣かないで!!!」

「えっ!?雇ってくれるんですか!」

必死に涙をこらえている泣きそうな目で尋ねてきた。

もう後には引き下がれない。男は度胸だ!

あれ?女は度胸だっけ?

いや、そもそも俺は今女だし……

とっ、とりあえず雇うことにするか…

「雇う雇う。お酒は勤務中に飲めるから安心して」

「働いている時に飲めるんですか?やったーー!」

このドラゴン娘は大丈夫なんかな?

「あっ!で、名前は?」

「名前ですか?名前は…『ユミサ・カルタス・ハツトナオサ・ユモラス・パブリ』です♪」

長っ!

「ならユミサでいい?」

「はい!これからよろしくお願いいたします♪」

彼女は豊かな胸をユサユサ揺らしながら深々とお辞儀をしたので、こっちも慌てて礼をした。

「クスクス、マスターは堂々としとかないと♪」

体はお前以上の胸をしているダイナマイトボディーエルフだけど、中身は1日1回は礼をする日本人元サラリーマンだから仕方ないでしょ!!

「まぁっ、これからよろしくユミサ」

「はい!マスター」

これからこの店はどうなるんだ…

はぁ~、気が重い……....


とりあえずユミサは働くために服を沢山買った。もちろん下着も。

服や下着、化粧品などの働くために必要な物は経費が落ちる。領収書をもらって俺に渡せば、使ったお金が返ってくることはドラゴンのユミサは知らなかった。

だから一緒に町に行き、こちらの業界で有名なランジェリーショップに寄ったりした。

ユミサが買ったのは紫色の下着だが、胸の所は乳袋だがその下からはレースがヒラヒラしているタイプだ。男だったら襲ったのに……

チッ!

神はわざわざ俺を女にしやがって、クソ!

ペッ!ペッ!

俺が神を恨んでいると、ユミサが買ってきた。

「こんな高いの買っても大丈夫なんですか?その『けいひ』?ってのでなんとかなるんですか?」

ユミサは高いの買っても経費が落ちるのかと心配していた。

「大丈夫大丈夫、経費はちゃんと落ちるから」

「よかった~♪」

「領収書はもらった?」

「紙もらいました。これです」

「そうそう、それそれ」

その後、店に帰ってユミサに下着と服の領収書をもらってから領収書に書いてあった金額を足して、『150000イン』渡した。

彼女はびっくりしたが俺からしたら当たり前の事だ。

俺が持っているマンションの一室に案内したら、彼女は寝酒を頼んできたから俺は一緒に飲む事にした。寝酒にビールはどうかと思ったが在庫にこれしかなかったからビール瓶を2本持って上がった。

いい感じに酔ったユミサは布団に入るなり、寝た。今日はいろいろあったからな…

「おやすみ」

そう言って、俺は仕事をしに自分の部屋へと戻った。

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