総集編(訂正してあります)
プロローグ
異世界に転生したものの、大変な事しかないわ~……………
けも耳っ娘や悪魔っ娘、ゾンビっ娘などの異種の娘達は世話が大変だからこれならまだ、サラリーマンを続けたかったわ~…
こう見えて私はエルフ族だから妖精が召喚出来るから少しは楽なんですけどねぇ~ー……
あぁ~あ、「男」に戻りたい
01
工藤琥太郎(36歳)は独身サラリーマンだった。未来永劫の独身貴族であり、童貞のままだ。
どうでもいいが「童貞」と言っても、挿入したことのない意気地無しではない。恋人のアワビに自分の本マグロを挿入しようとしたが子供が出来そうだったのが怖かったからか、マグロからサバの子供並みになったので挿入出来なかったのだ。「意気地無しではない」と、彼は語る。
年中無休の職場の合コンや宴会には欠かさず参加し、同期から誘われる高校のクラスメイト達の会には最初の一、二回しか行った事しかないのにキャバクラに誘われたら忙しくても行くかなりの遊び人だ。
当然だが家には誰もいないので、夜のお友達(エロ本)が沢山ある。そのためか、本棚からはみ出したお友達が、一つ以上テーブルの上に堂々と箱ティッシュと置いてある。
そんな彼は、仕事に対しては超一流の熱意があった。いわゆる「社畜」だ。そのため若いが、9課ある中の2課の課長にまで上り詰めた。
仕事熱心な時の彼は語る。
「私は独り身だから過労死しても心配されない。だから社畜になってもいい。」
そんな彼が家では自慢出来ない事をしているが、2課の課長になったのは奇跡か必然かはわからない。しかしこれだけは言える。ド変態の遊び人だと。
今日は誘われたキャバクラ「TUA」へ行くのであった。
会社から出ると誘ってくれた後輩が待っていてくれた。
「悪いな待たせて」
「いえいえ一人で行く勇気が無くて……」
苦笑いしている後輩の何気無い一言に琥太郎は「だから俺を誘ったのか」っと感心していた。
「さてこれから行く訳だが、行く店の行き順はわかんの?」
後輩にキャバクラ通りとの二つ名のある通りに行く為、とりあえず歩きながら聞いた。
「わかります。前に行ったお店の近くです」
後輩はちょっと遅れて歩き出した為に早歩になりながらも答えた。
「前に行った店って言うとトルードだったけな?」
キャバクラ通りには20位のキャバクラやクラブが並んでいる為、ある程度のお店は覚えられるが激戦区のこの通りはコロコロと店が変わる。
「ひょっとしてトルード潰れたのか?」
琥太郎はそこには良く通っていて、お気に入りの店だっが潰れたのかとひやひやしていた。
「先輩は過ごいですね…そうなんですよ……潰れたんですが、オーナーさんが変わっただけなんです」
後輩は苦笑いで先輩の質問に答えた。
「そうか…今日はパーっと景気良くやるか!」
そんなこと言っているうちに目的地に着いた。
外装はあまり変わっていない店だったがキャバクラ感が他の店よりも際立っていた。
「先輩お先にどうぞ」
後輩はそう言うと琥太郎を先頭に入店した。
内装も変わっておらず、琥太郎はホッとしていた。
受付を済ませると、指名したお気に入りのキャバ嬢と席に着いた。
後輩は自分の指名したキャバ嬢にウォッカを頼むと、後輩は指名したキャバ嬢が水や炭酸水で割ろうとしていた時に止めて、ロックで飲みまくった。
カッコつけで飲みまくったみたいだが、結果は明日は二日酔いになっていそうに泥酔した。
琥太郎は後輩に気が取られてあまり楽しめなかったが、後輩をこのままにしていると面倒なのでタクシーを呼んだ。
二人分の料金を現金で払い、外で後輩と待っていた。
電話予約してタクシーは数分で来た。運転手は白髪の40歳後半の男で、千鳥足の後輩を琥太郎と一緒に運び、タクシーの後部座席に乗せると、
「ありがとうございます。では後はおまかせください」
そう言うと後輩を乗せたタクシーは琥太郎を置いて、行ってしまった。
「さて、俺も帰るか」
そう言うと琥太郎はイヤホンをしながら帰路に着いたが、後ろから居眠り運転をしていた白いトラックが突っ込んできた。当然、イヤホンをしていた琥太郎は後ろから跳ねられ、白いトラックのフロントをべっとりと赤く染めた。
36歳、独身の工藤琥太郎は交通事故で呆気なく死んだ。
しかし彼は、異世界に転生し風俗商会の女主人となり、けも耳っ娘や悪魔っ娘、スライム娘などのモンスター娘と遊んだり店の経営やキャバ嬢を狙う輩と戦ったりする事は知らなかった。
02
(目覚めよ、琥太郎…)
(目覚めよ、琥太郎…)
(目覚め……)
「ハイハイ、今目覚めますよ!うん?ここどこ!?」
辺りを見渡すと某ゲームの指令室のような感じの部屋だったが、彼は『女』になっていた
俺は工藤琥太郎だ。自分で言うのもあれだが36歳の独身、社畜だが夜は遊び人だ……だが、そんな事はどうでもいい!!
「なんじゃこりゃー!?なんでクソエロいチャイナ服を着てるんだ!しかも俺のナニが無い!もしかしてあれか、昨日のキャバクラでお金無くて遂に自分の体を売ったか!?」
まっ、まずは落ち着こう!リラックス、リラックス……
「やっぱ無理!!!!」
どっ、どうして知らない部屋の椅子に、エロいチャイナ服で座っていたんだ!?
しかも胸デッカ!!
酔い潰れて道端で寝ている内に、本当に強制性転換手術されたか!?
テンパっているそんな時、ノックされる音が聞こえた。慌てて心臓が出てきそうなビックリしている心を無理やり平常心に変えた。
「どっ、どうぞーーーー♪」
すると、Eカップはあるであろう犬耳の娘が入って来た。
「マスター今まで騒がしかったけど、どうしたの?」
っと聞かれた。
「うん?あれは……そう!少し疲れが貯まっててね!そう、そうに決まってるでしょ!!」
「そ、そうなんだ~……ふ~ん……………」
ジィーーと見詰めて来る彼女の眼力に負けて、聞いてみた。
「ここはどこ?そして君は誰?」
と……………
すると彼女は答えた。
「決まってるでしょマスター。ここは風俗商会総まとめ役のマスターが営む風俗店『迷えるダンジョン』で、ここで働く指名ナンバーワンの私は犬族のククルちゃんで~す♪ひょっとして、マスター薬初めたの?」
薬もなにもしてねぇーーよ!死んだらここにいたの!!
「マスターの心で言ってる事聞こえてるよ……」
ボソッと言っていた事に気付かなかったが、俺は今さっきなんて言った?「死んだらここにいたの!!」って言ったよな?あれ?すると俺は、死んでんの!?まじか!!?けどなんで?身に覚えが無いはず……………
ん~~………
(マス)
(マスター聞こえますか?)
(マスターってば!)
「マスター!!!」
「あっ、はい!」
「『あっ、はい!』じゃないですよ!大人の魅惑がある顔にシワ作って、一人の世界に入らないで下さい!!」
「ごめん、ごめん」
「まぁっ、いいんですけど…しかし、疲れが貯まっているなら寝て下さい!仕事は秘書のコルンに任せて下さい♪」
秘書?コルン?新しいキャラが来る予感と思ったら、俺の座っている椅子の横に黒い靄が出来たからビックリしたが、その靄から黒髪のキャリアウーマンがよく着る服に、眼の鋭いメガネっ娘が出て来た。
「呼びましたかククル?」
「そうだよ♪実はねマスターが疲れてるみたいだから、仕事を代わりにして上げてね♪お願いします♪」
「そんな事ですか?しますとも♪それ以外に用がないなら出てて下さい」
す、凄い!仕事が出来る女ぽっいぞ!!内の会社に欲しい人材だ!!
「流石、コルン♪」
っと言い残したククルは部屋から出てっていた。
すると、部屋に残ったコルンはこっちを見ると、
「あなたはすでに前世では死んでますよ?」
っと言ってきた。えっ、えーーーーーーーー!!
「まじですか!?」
っと聞くと、真顔で
「まじです」
っと言われた!!何たることか!あれは夢じゃなかったのかよ!確か、ベロンベロンになるまで飲んで帰ってる最中にトラックに引かれて死亡したのか俺は!?
「心の中で叫ぶ時は口を閉じましょ♪」
っと言われた…
自分でもわかっているが難しい事だ……
「とにかく、コルン?」
「えぇ~、コルンです」
「コルンはなんで俺が何者なのかは知っているのか?」
「いえ知りませんが、ククルが来る前におっしゃって言た事を考えると前世から来たのかと……」
なるほど~……
「しかし、俺は誰なんだ?」
「ククルが先ほど言っていた通りです♪あなたのこちらの名前は『エリザベス・シク・ヘルス』っとなっています。今、鏡を……」
彼女は俺の座っている椅子の前の書類でいっぱいになっている机の引き出しから鏡を取り出して見せてくれた今の顔を……
「こっ、こっ、これが俺!?」
そこには、エルフ族を思わせる独特の耳にブルーアイのロングの金髪美少女が写っていた……
男なら間違いなく見とれるエルフ族の美少女が今の俺の姿!?
コルンへ聞いてみた。
「本当に、これが俺なのか?」
またもやコルンは真顔で、
「間違いなくそうです」
っと答えた。
その後、コルンに机の上の書類をやらせる事にして、俺は寝た……
03
俺が寝ている時に、コルンが言った。
「前世では工藤琥太郎って言うんですねぇ、なかなか面白くなりそうです♪」
本当に面白そうに言うから、泣きそうだった……
ちなみにコルンは、俺の使い魔らしい。コルンによると俺は色々出来るらしい。例えば精霊やコルンみたいな使い魔を召喚したり、魔法を使えるみたいだった。
つまり、『チート』的なものが働いているらしい。異世界に転生したらチート能力が使えるキャラが出て来るアニメや漫画ではあるあるだが、いざチート能力が使える事になると心強い!
この世界では魔法使いにはランクがあるみたいで、上から行くと、SS→S→A→B→C→Dの順らしい。そんでもって俺は世界に数人しかいないSS級の魔法使いみたいだ。迷惑な事にギルドからの勧誘書がいくつも来るみたいだ。この後どうなるかを考えると、気が遠くなっていった……
04
異世界ってのは本当に存在する。俺が体験しているからそう決まっている。確かアニメや漫画などのサブカルでは定番と決まっている。
まあいいんやけどよ、異世界が存在するのは変わりない。
俺様こと、社畜でド変態の工藤琥太郎は、異世界に転生し、ククルやコルンっと言ったけも耳っ娘や使い魔を拝む事が出来たが、俺は風俗商会の主で、SS級の魔力を持つエルフ族の女になっていた!!本音を言うと嬉しく無い。出来れば生きていた頃のサラリーマン生活に戻りたい。しかしこの生活を楽しまないつもりは無い。そんなこんなで、いつも通りの時刻に起きたつもりだ。
でも、異世界の時刻は知らんがな。
「起きて下さい」
しっとりした声で揺すられる。
「起きて下さい。朝ですよ」
言っておくが起きただけであって、これでもかと言わんばかりの気持ちよさを追求した布団からは出ていない。むしろ出たくない。
「起きて下さい……泣きますよ」
泣かれたら困る。ちょっとイタズラし過ぎたみたいなので、渋々布団から出る事にした。必死で起こそうとしていたのは、コルンだった。
コルンは俺の使い魔らしいんだが、十分成長したFカップ位の胸に黒髪の眼力が凄いメガネっ娘なんだ。
俺の前世の生活だったら、恐らく普通の男達はガン見するだろう。俺もまだサラリーマン生活を送っていた普通の男だったらガン見していただろう。
「よく寝れましたか?」
「ぐっすり寝れたよ」
目を覚ましたらみんながするように、俺は目をこすった。まだ気持ちいい上品な布団に入っていたい。
「やっぱり、異世界のまんまだな」
「昨日の今日ですからね、無理ありません」
確かに昨日の夜頃に転生してきたんだった。
「そう言えば、夢の中で『その書類は君がやれ』とか『ですからこれが、こうなるんです』って言っていましたが、本当によく寝れたんですか?」
確かに昨日は気が遠くなっていって寝ていたが、夢の中ではまだサラリーマン生活を送っていたような。我ながら異世界に転生しても社畜だな……………
いや、病気だな。しかもかなり重症だ。
「もう前世じゃないんです。こっちの生活に慣れて下さい」
そうですよねぇ~。言われるのわかってました。
「今何時?」
「今ですと、5時位でしょうか?」
適当だろうが『5時』は、日の出が出るか出ないからしい。やはり前世とほぼ同じ起床時間だな。社畜サラリーマンの生活習慣恐るべし。
「ありがとさん」
俺はとりあえず、ベッドの上に座った。
「で、コルンはなんで俺を起こした?」
「本日はこの世界を色々知って貰うために早起きして頂きました」
「さいですか」
「ですので着替えて下さい」
「わかっ……てっ!?おい!」
「どうされました?」
「どうされたもこうされたもない!俺は男だぞ!!お・と・こ!!!」
「わかっています。しかし、これもあなたのためです。わかって下さい」
「着るにしてもどうやって着るんだよ!」
「簡単です。ドレスを着るだけなので。」
「簡単って言ってもよ。着た事ないんだよ!!」
「そこからですか?なら、私が手伝って着せます」
「初めからそうしろよ」
「申し訳ありません」
「謝るのはいいから早くして」
「ではまず、パジャマを脱いで下さい」
「こっ、こうか?」
「そうですそうです、では次に下に置いてあるドレスに脚を通して下さい」
ドレスの真ん中に穴があったのでそこに脚を通した。
「出来ましたね?次にパニエを腰の所まで上げて下さい」
「パニエ?なんだそれ?」
「パニエはドレスの内側にあるスカートみたいなものです」
「スカートみたいな?あぁ~これか?」
「それです。それを腰の所まで上げて下さい」
改めて今の俺の姿を見ているが、エレベスト並の乳が凄い。
「こ、これでいいのか?」
「はい。ではドレスを上げて下さい」
今更ながらドレスの胸辺りが凄い事に気付いた。今の俺の胸がデカい為か、乳袋化しているではないか!?
「上げましたね?では最後です」
っと言って、コルンはドレスの後ろ部分。つまり俺の背中でチャックを下から上に上げて、その上からスニーカーの紐の様に編み上げていった。
「出来ましたよ♪」
コルンのしっとりした声を聞いて鏡を見て見ると、黄色の華やかなドレスを着ている美人さんが写っていた。俺は鏡の中の自分に見惚れていた。
「か、可愛い………」
「良かったですねぇ♪」
「で、最初はどこに行く?」
「まずはお店を見学して頂きます」
まぁ、そんなもんやろ。
「わかった。行こう」
「では付いて来て下さい」
コルンが後ろに付いてくるようにとジェスチャーでも伝える。
今までいた部屋から初めて出たが、そこには広い廊下が進んでいた。
05
広い廊下を少し進むと、エレベーターがあった。驚くべきに異世界にエレベーターはあるみたいだ。しかしエレベーターっと言っても、かなり古いエレベーターだった。例えば『ホーンテッド◯◯ション』などに出て来る、「外側の金網の扉を開くと透明な折り戸があり、その透明な戸が動く時に自動的に閉まる」クラシカルなエレベーターだ。
しかしビックリはしない。そもそもこの世界に前世の物があったら魔法なんていらないからだ。
そんな話は置いといて、エレベーターに乗った俺達は1階に着いた。
「こちらでは、受付や指名を受けております」
「なるほど………」
「2階に参ります」
「了解」
………、……………
こんな感じで案内してもらったが、だいたいこうだ。
1階は受付や指名。2階はバー。3階、4階は秘密の部屋(防音魔法をかけてある)。
そして5階が俺の部屋。
地下もあるらしいが、バーの在庫や店の主電源と緊急電源などがあるらしい。
当たり前だが、電気や水道を使えるのは俺達だけらしい。
ククルなどのギャバ嬢達はこの俺の買っているマンションで住んでいるらしい。もちろん電気や水道は使える。
「すると、俺は金持ちなのか?」
っと、コルンに聞いてみた。
コルンは頷き、
「この世界で一番の金持ちでしょう」
っと答えた。
コルンによると、俺は100兆インあるらしい。
ちなみに『イン』とはこの世界の通貨である。例えば我々日本人に馴染み深い『円』みたいなものだ。
「我ながらチート能力があり、金持ちは最強じゃねぇ?」そう思いながら朝の内に案内が終わった。
◯
そんなこんなで暇になった俺は、コルンに聞いた。すると、
「特にないので、町をぶらぶらしますか?」
っと聞かれたので、行くことにした。
町は賑やかだった、中央公園で市場が開かれていたり、ピエロが子供達を笑わしていた。しかし中期ヨーロッパの様なモダンな町風景は綺麗だった。
市場で買い出しをしていると店主から
「今夜も伺います♪」
っと言われたので、ビックリしたが言ってやった。
「楽しみに待ってますわ♪」
ってな。我ながらよく言えた。店主から少しばかり値引きとオマケしてもらった。
まだ夜まで時間があったので、何かあっても良いように武器を作ることにした。魔法で鉄や木材を加工出来る事を知ったので、ボルトアクションライフルを作った。
『Kar98k』をイメージしながら、「ホヤハ・フサナギ」と呪文を唱えると完成した。
試射したが問題なかった。これで警備は大丈夫だ。
そんなこんなで、何丁か作っていたら夜になっていたので店に帰った。
06
なぜ道端に女の子が?
ライフルを作って帰路に着いていた俺は、道端で倒れている女の子を見つけた。
「うぅ~……………」
生きている様だが無事なのか?
「み、水~………」
こいつ行き倒れか?見捨てるのは心苦しいから水やるか。
俺は魔法で水を錬成することにしたが魔法を覚えていないので、そこら辺で買った『簡単な魔法大百科』を見ながら錬成した。
「え~と水を錬成する魔法は……イントール・ウォーター」
錬成した水は、空中で直径30㎝の水の塊としてプカプカしていた。
すると行き倒れの女はその塊にかぶりついた。いや、塊に顔を突っ込んでいる様にしか見えない。しかし飲んでいるようで水の塊が少しずつだが確実に小さくなっている。
「生き返った~♪」
水をかぶりついた行き倒れ女は、水の塊を飲み干していた。
「お陰さまで生き返りました。ありがとうございました」
「それは良かった」
「失礼ですが、お名前は?私はニラハです♪」
「ニラハだな。俺いや、私はエリザベスです」
「エリザベスさんですねぇ♪」
「そうですよ」
なんだこいつ一体何を言いたい。
「よろしければ、一緒に付いていっていいですか?」
こいつ行き倒れは演技だったのか?
「いいですが、家まで来る気ですか?」
「はい!」
やっぱりこいつは何か企んでやがる……
企んでる奴を連れて帰るのは嫌だな。なら………
『全力で逃げるしかない!』
行き倒れていた女がよそ見した瞬間、俺はその場から逃げた。全力で逃げた。後ろから「待ってーーー!!」っと言われたが、聞こえないふりして逃げた。
逃げに逃げ切った俺は、自分の館に帰り着いた。あぁ~疲れた………
「マスターどうしたんですか?」
っと言われたからギョッとしたが、ククルだった。
「人に追われて逃げて着たから疲れたの……」
「ひょっとして、またですか?」
「また?」
「えぇ~♪先週もそんな事があったでしょ?」
「えっ!あっ!あれね♪そうだよ」
適当に誤魔化した。我ながら完璧。しかし、あいつもよくやるよ……
「ギルドで討伐してくれると嬉しいのに……」
「ギルドは暗殺はしませんよ♪」
ですよねぇ~♪
しかし、今度あったら無視しよう。
「ですがマスターの抱えてる杖はなんですか?」
同然だよな。この世界には『銃』は存在しないのだから。
「これは警備で使わせる誰でも使える攻撃魔法専用の杖だよ」
「そんなの作ったんですねぇ♪」
「今日から警備班に使わせるつもり」
「警備班も喜びますよ♪」
「ならいいけど」
警備班はお尋ね者達(罪滅ぼしで警備してくれてるらしい)だけどね。
「警備班には後で使い方を教えるよ」
「私も知りたいです♪」
「あなたは無理よ」
今さらだが、女言葉はそんなに大変じゃない。会社の接待みたいにしていたら問題ない。
ククルは「準備があるので先戻ります♪」っと言って、店に入っていった。
07
警備班に使わせる攻撃専用の魔法の杖を届け、使い方を教え、自分の部屋に到着した俺だがなにしよう。暇で仕方がない。そんな時に、
「入ります。マスター」
凛とした声がドアの前から聞こえたので、「どうぞ」と答えた。ドアを開き入って来たのは、ロング銀髪のCカップ位の胸の鎧を着た娘だった。
「わたくしは人狼族のキナシと申します。今後、マスターの護衛を勤めさせてもらいます。」
「キナシですか?これからよろしくお願いいたします♪」
「早速ですがマスターの書類仕事をお手伝いさせて頂きます。」
「暇だからこれするからいいよ。気持ちだけで十分だよ」
このセリフは前世でもよく言ったものだ。懐かしいなぁ~………
しかしキナシの尻尾が悲しそうに垂れ下がっていて、なんか可哀想だな。ここは何かしてもらおう。
「肩揉みしてくれない?」
肩揉みを頼んだら真顔で「喜んで」って言われたけど、キナシの尻尾が表情と合ってないけど、犬みたいにフリフリしてるから喜んでるのか?
肩揉みを初めてくれたが、中々上手い。あ~~、そこそこ。そのツボは痛気持ちいい。Qカップ位の胸があると肩がカチカチに硬くなるから毎日してもおうっと。
「上手だね」
「ありがとうございます」
「コツとかあるの?」
「特に無いですが、書に書いてあったので……」
この子は予習してくるみたいだし、主人に従順なのかな?
しばらく肩揉みしてもらって、書類仕事も少ししてもらった。お陰さまで早く終わった。さてなにしよう……
暇だしゲーム作るか?
「チェスしない?」
「チェスとはなんですか?」
「う~ん。私の考えたゲーム?」
「ぜひやりましょう」
「ちょっと待ってね。作るから…」
そう言って木の板と石を何個か持って来て、チェスをイメージしたら出来てた。ひょっとしてSS級になるとイメージだけで魔法が使えるのでは?
う~ん謎だ。
「これがチェスですか?」
考え事をしていたら、キナシが質問してきた。
「うん?あっ!そうだよ」
「ルールを教えてください」
「いいよ」
ルールを知らないのでは出来ない。とりあえず俺は一から十まで教えた。キナシはわかったみたいで、早くやりたそうにしている。
「こっちが先攻ね」
こんな感じで俺から始まった。
結果は言うまでもなく、俺が勝った。嬉しい様な悲しい様な複雑な気持ちでいっぱいだった。
その後も何回かしたが俺の連勝だ。面白くないので最後のゲームで賭けをした。賭けの内容は俺が勝ったら尻尾を触らせてもらう。負けたら俺の胸を触っていい事にした。しかしキナシは負けたので、尻尾を触らせてもらった。尻尾はいつもブラッシングをしているためかモフモフしていて気持ちよかった。
08
高級ベットにふかふかして気持ちいい布団、微かにラベンダーの香りがする枕の3コンボは二度寝への追い風となってしまうが、朝のカーテンから注いでくる日の光が鬱陶しく思う。
日の光は鬱陶しいが異世界にも素晴らしい『朝』が来た…
もちろん嬉しくない。この気持ちがわからん朝が好きな人は凄いと思う。
しっかしまぁ~起きたくない。
そんな時…
「朝でございますマスター」
昨晩にチェスで負け、ソファーでふて寝していたキナシが起こしてくる。
「あと5分寝かして」
「ダメです。朝食無しにしますよ?」
駄々をこねる子供を起こす母のように、朝食を人質に脅してくる。朝食無しは嫌な俺は起きることにした。
「じゃ~起きる」
今日の朝食はなにかなぁ~?
「今日はスライムソースかけの鹿肉です」
なに!?今俺の心を読んだだと!?
えっ!そこじゃない?俺的にエスパーの方がビックリしたが『スライムソースかけの鹿肉』のこと?名前の通りスライムから出て来る栄養豊富な汁に塩と胡椒を入れて出来るソースを鹿肉ステーキにかけて食べる料理だ。
この世界では贅沢な料理だ。しかし朝食からステーキはキツいと思っているだろうが、平気である。
そんなこんなで料理が部屋に運ばれてくる。
運ばれてくるなり肉の食欲をそそる香りが部屋を漂う。
朝食だから肉は夕食のときより二周り位小さいがちょうどいい。焼き加減はいつものレアだ。
食べやすいサイズに切ってある。
パンも付いてきているが、クロワッサンだ。俺的に肉とならロールパンが嬉しい。もちろんオリーブが塗っているロールパンだぞ。
そんなこんなはどうでもいい?早く肉を食えだと?そう焦るな、肉は逃げない。
スライムソースがたっぷりついた鹿肉を口に入れると、照り焼きソースみたいな肉にピッタリのソースがレアの鹿肉の香りを引き立たせる。
チート使える異世界万歳!!
朝食から金持ちを体験した俺は下に降りることにした。
09
女はあまり会えないと会ったときにすぐに群がるのか?下に降りるなりニホンミツバチの巣に入ろうとするスズメバチを殺そうと団子を作るみたいに群がって来た。前世の頃にしてほしかった。
「おはようございますマスター」
「マスターは今日も輝いています」
「今夜こそどうか朝まで…」
最後の言葉はつまり、えっ!そういう関係になりたいの?前世ならともかく、今は女なんだぜ?イコール『百合』とか『レズ』ってなるぞ!?おい!
「私がお守りしますので安心を」
キナシは頼もしいな。そう言えばコルンはどこだ?
「はっ!コルン殿は先程からマスターの後ろに」
「えっ!」
「おはようございますマスター。昨晩の寝顔は可愛らしゅうございました」
なっ、なんだと!?寝顔を見られた!キナシがふて寝したから寝酒をグビグビ飲んで寝たからだらしない寝顔だったはずだ!
最悪だ。
「冗談です」
お前の冗談はガチに思うからやめろ。心臓に悪い。
「今日はどうなさいますか?」
「う~ん……特に無いから寝たい」
「それはダメです」
「そうですよ。今日も何かしてもらいませんと」
「マジかー……」
やる気出ねぇ~し……
そうだ!
「オセロする?」
思い付いた!前世の簡単なゲームをしよう!
「オセロ?」
「今度こそ私が勝てるゲームですか?」
キナシは負けず嫌いなのか?今日はどんな賭けをしようか……
「勝てるかもよ♪」
「キナシは心配性です」
コルンはしないのかよ!?
ちっ!
「賭けをして私をどうしたいのですか?」
コルンは俺の心を読んだ!こえ~……
とりあえず、俺とコルン、キナシは俺の部屋に向かった。
部屋に着き次第、石と板を準備した。
「え~と……カーヤノ・ハサ」
準備した石と板がみるみるオセロになっていた。
魔方陣が消えたときには、前世で見たオセロそのものがあった。
二人に簡単なルールを教えた。
「じゃ、やってみようか♪」
「「仰せのままに」」
初めの対戦相手はキナシだ。
最初はキナシが優勢だったが、俺の5連ちゃぶ台返しで負けた。
次はコルンだったが、キナシより弱かった。
しばらくキナシとコルンでさせていたら、キナシが連勝していた。
3人ではつまらないと思い、他にも呼んだ。
10
肩が痛い。
ちょっと座っていただけなのに、肩と背中が悲鳴をあげている。大半の男から見れば、巨乳というのはロマンだと思う。しかし女からすると、男からガン見されたり肩が凝ったりしてマイナスでしかないが、今痛いことには変わらない。
俺の頭上には高そうなシャングリラがあった。下には上品にも赤一色のカーペット。右や左、ついでに正面も女の子。
要するに男が嫉妬するような羨ましい状況にある。そして手にはちょっと素朴なオセロのコマ。これを使って、さっきから正面の相手とオセロをしていた。
やっているのは普通のオセロではない。別にハリウッドとかに出てくるマフィア達のカジノとかをしているわけじゃない。暇つぶしでオセロを始めたが、誰も勝てないから勝つのが作業化していた。
で、今の相手が弱音を吐いた。
「あーー、もうやめやめ」
ちょっと高めなボイスで、まるで自分が一番可愛いと思っている痛いぶりっ子そうだが、声の主は天然ちゃんだ。ククルだ。
「もう、マスターは強すぎです!ハンデつけてもらったに勝てないなんて……」
「勝負は勝負だよ♪さて、お約束の尻尾を触るよ♪」
「やっ、やさしくしてください……」
なっ!?俺が今から入れようとしているようなそのセリフは!?たかが尻尾だぞ?尻尾を撫で撫でするだけでいいのに!!
とっ、とりあえず撫で撫でするぞ!
(撫で撫で)
「頭も撫でて欲しいです……」
頭もとな!?欲張るね♪仕方がない、撫でてやろうじゃないか!
(撫で撫で)
「顎のしたも……」
「いいよ♪顎のした……って、おい!」
「気づきましたか……ちっ!」
えっ!?ククルが舌打ち!?これはこれでレアだな。
「そっ!?そんな羨ましい事をククル様だけ!なんと羨ましい……」
えっ!?キナシ、お前もか!
「き、キナシもしてほしいの?」
「もちろんです!マスター!!想像だけでも興奮します!!!」
興奮しなくていいから!!とりあえず落ち着かせないと……
キナシだけは顎を撫でないと、ヤバいことになりそうだな………
(撫で撫で)
「マッ、マスターそっこ気持ちいいです!!はっん!!」
おぉ♪トロンと目が虚ろになって口からはよだれを垂らして、準備も済んだことだし。そろそろこっちの相手をして貰おうか……………って!なんなの!?
顎を撫でてるだけなのにキナシはこんな顔になるの!!?そもそもあれか!?
獣人族って皆こうなの!?
「ひゃん!そこはらめーーー!!」
あっ!ごめん……
考え事してたら撫でてるの忘れてた。
キナシは撫で終わると、まるで糸が切れた操り人形のように崩れ座った。
「マスター様、最高……」
「キナシだけズルーい!!私も……」
あーーもう!!誤解を招く発言しないで!!!
っと考えていたら、キナシが座っていたところに一匹の狼が!!!
「なっ!?おっ!狼!!!!!」
「マスター!私です!!キナシです!!」
「キナシが狼に!?知らないうちに魔法を!!!?」
「違います!私達人狼族は本来狼なんです。気持ちが高ぶったりしたら元の姿に戻るんです。」
「ふぇ?人狼族は元は狼で、それが人間に化けてくるの?なら狼男の逆?」
「大雑把に言えばそうです。狼男は人狼族ですが…」
「えっ!?狼男って人狼族だったの!?」
これは意外だ……
狼男は人間から狼になるモンスターだと思っていたが、まさか人狼族だったとは……………
悶々と考えていたら、狼だったキナシが人間の姿に戻っていた。
「とりあえず、人狼族は元は狼で人間に化けていると覚えていればいいと思います」
「ありがとう♪」
「いえ、マスター殿のお役に立てて嬉しいです」
「ねぇってば!!!私もして!!!!!!!」
あっ!ごめん、忘れてた……………
ククルもしようね……
「あら?私はしてもらえないんですか?」
「私もお願いするどす」
「イサもイサも♪」
「私はマスター様のドSプレイを!!私をメスブタと読んでくださいまし!!!ハァハァ」
始めら辺の3人はまだしも最後はなんだ!!!!!!
なんでSMプレイ!?確かにそう言うシチュエーションのエ◯ビデオとかは見てたけどよ!
俺はSだけど、そう言うことはしたことが無いんだよ!!!してみたいけどさ!
「ナミサ以外の頼みは今するが、ナミサの頼みはしない」
「「「やったー!」」」
「そんなーーー!!しかし焦らしプレイも中々いいぃぃぃ!!」
ナミサ以外の頼みは撫でることだったので容易いが、ナミサの頼みはかなり無理がある。したくないと言ったら嘘になるが……
しかしVIPルームに通したお客を懲らしめるためにドS能力を発揮することは、まだ知らなかった……
それも魔王を倒す為に旅をしている有名な『勇者』だと知らずに……………
11
勇者が来たらしく、「化粧し直さないと♪」や「ちょっと、その衣装は私のよ!」の声があちらこちらで聞こえるが、指名されたのは『ナミサ』だけどね…
ナミサにVIPルームに案内される前に「私達のパーティーに入りませんか?」っと誘われたが、営業スマイルで丁寧に断った。
RPGゲームあるあるだが、強いやつは決闘に勝たないと仲間にならない。
つまり、俺は目を付けられている。
無論、面倒くさいから仲間にはならない。
そうなると、闇魔術が使えるナミサが目を付けられる。ややこしい!!
「後でコルンに相談だな」
「呼びましたか?」
「わぁっ!びっくりした……」
「ふふふ、用はなんです?」
「勇者が俺を仲間にしようとしているが、ナミサも危険だ。だから、奴を調べてくれないか?」
「それなら策はもう打ってあります」
はっや!さすが出来る女!!
「どんな策なんだ?」
「ナミサさんがいるVIPルームに盗聴魔法を仕掛けたので、あんな声やこんな声を聞けます」
えっ!?魔法に盗聴出来るのあったん!?俺も使えるように勉強しないと…
「それで、今どんな感じなんだ?」
「今はマスターの言う通り、仲間にならないかと口説いています。ナミサさんは興味無さそうですが……」
「そうか、なんかあったら連絡してくれ」
「わかりました。マスターはこれからどうするんですか?」
「ちょっと準備」
「準備?」
コルンは何をするのかわかっていなささそうだが、
「準備は準備だ」
俺は誤魔化した。だって勇者を『寸前地獄』に合わせて、ドMに変えるんだしな!
準備と言っても街に出て行かず、俺は自分の部屋のタンスの中から、大事な所しか隠せてない露出し過ぎているラバースーツを着て、鞭をベルトに差すだけだった。
~30分後~
「マスター!ナミサさんが!!」
「どうした!?」
「勇者が身体で言うことを聞かせようと、ベッドインしました!!」
「わかった!今から行ってくる!!」
「ところでマスター、その格好は……」
コルンが言いかけていたが、俺は聞くなと目で合図した!
「きっ、気をつけて下さい!」
「おうともさ!!」
一刻を争うから、俺は瞬間魔法を唱えた。
「クド・ザグブ・サハ!!」
あっという間に勇者のいるVIPルームの扉まで来た。
「よっしゃっ!一仕事しますか」
『ガチャッ』
「お客様、お楽しみ頂けていらしゃっいますか?」
「あぁぁ、そこ、気持ちいいぃぃぃ!!」
『パンパン』
「おっ!やっと来たか!!すぐに相手してやるから待っとけ!!!!」
『パンパン』
やるねぇ~♪
けど、お前には俺の寸前地獄を味わえさせてやる!!それまで耐えてくれ、ナミサ!
「あぁぁ、勇者さま!!わっ!私、気持ちよすぎて、イクぅぅーーー!!!」
「俺も気持ち良くなった!出すぞ!!」
う~ん、人がイクところを見てもな……
「あっ、あぁぁ……」
ナミサがガクガクと震えているが大丈夫か?
蹴りを着けてやる………
「今度は私ですね。ではシゴいて差し上げます!」
「よろしく頼むぜ!」
油断したな!!出させないからな♪
「では……」
おぇ~…………
『シコシコ』
「あぁぁ、上手いな!どうだ!俺の仲間にならないか」
「いえ入りません」
「これが終わったら、お前も身体で言うことを聞かせてやる!!」
「それは無理です♪」
寸前地獄を味わせてやる!!!!
「そろそろ出しそうですねぇ~♪」
「くっ!出すぞ!!!!!!」
「出させません!」
『ギュッ』
「ぐっは!何しやがる!!」
「まだまだ行きますよ♪」
今度は魔法を使ったプレイだ!
「シスム・カナ!!」
「なっ!なんだその魔法!?」
「今の魔法は、あなたの身体が異常に敏感になる術です♪だから、こうやって触られると……」
俺は、奴のナニーを軽く擦った。
すると、
「ひゃっん!なっ!!!やっ!!」
魔法は上手く行ったみたいだな♪なら……
「さて勇者さま、あんまりもしつこいのでお仕置きです♪」
俺は腰に差していた鞭を取ると、奴のナニーに絡み付けてシコった……
「あっ!あぁぁぁぁ!!!気持ちいいぃぃぃ!!なんでだ!!?」
「あなたはドSのフリをしているドMなんですよ♪」
「違う!おっ!!俺はSだ!ドSのはずなんだぁぁ!!!!」
「なら、もう一度ですね♪」
さっきより、シコるのを高速にした。
「あぁぁぁぁ!!!いっ、イクーーー!!!」
『ギュッ』
「イカせて!!お願いだ!イカせろ!!!」
「それは無理です♪」
「言うこと聞くから!!お願いします!」
「なら、なぜ私達の店に来た……」
「そっ!それは、大賢者のあなたを誘いに来たからです!」
「そうか、なら……まだまだ寸前地獄を楽しんでください♪」
「えっ!?あっ!ちょっ!!!おっ!あぁぁぁぁぁぁ!!!」
『 高速でシコられて、イク寸前で根元を掴まれてイケない。』を繰り返した。
~1時間後~
「あぁぁ、もう何も隠してません!だからイカせてください!!!」
「あら?本当かなぁ~……嘘ついてるかもしれないし……………」
「もう隠しても嘘をついてもいません!!なので、この汚らわしきブタをイカせてください!!!!!」
「いいでしょう♪ほら!イキやがれ!!!」
「ぶっ!ぶひぃぃぃ!!!」
『ドッピューウ』
「たくさん出したね♪ほら!!用は済んだ!!!!」
「はい!ありがとうございました女王さま!!!!」
ふぅ~~……疲れた……………
この後は、うちに勇者は勧誘しなくなり平和になったが、ナミサがしつこく、「私にもあのプレイをしてください!!!!!」と頼んでくる……
12
だいぶ落ち着いてきたこの頃。
異世界にも冬が来た。
にしても、この世界にはいい感じに慣れたなぁ~……
けど、目の前にいるモンスターはどう接待したらいいかわかんねぇぇぇぇぇ!!
なんで『ドラゴン』が!?
あのRPGゲームやアニメとかでは誇り高きモンスターなのに、ロング赤髪のFカップ、トカゲような尻尾が付いたエロ娘になってここで働きたいなんて意味不だわ…
確かに雇う事は出来るけど、なんでなの?
まさかあのクソ勇者(ドM)に何かされたのか!?
う~ん………
彼が心の中で葛藤していたら、そのドラゴンさんが鋭い犬歯が綺麗に並んだ人間の口を開いた。
「あの~、私じゃダメですか?」
「ダメって訳じゃないの、ただ……」
ただ、ドラゴンがあんな事やこんな事していいのと思った。
「ただ?」
ドラゴン娘は俺の顔をうるうるした涙目で見てきた…うぅ………
俺が悪者に見えそうだからそんな目で俺を見ないで!
「ただ、モンスターの中でも誇り高いドラゴンがなんでうちで働こうと?」
俺が彼女に聞いたら、難しい顔をして答えてくれた。
「お金が無くて大変だから……」
「働いたらお金はどこでももらえるよ?」
「いや、その~……」
「その?」
「ここは沢山のモンスター娘が働いてて、私もって思って……」
あっ、そう言うこと。確かにうちらの店は他の店よりモンスター娘が多いもんな……
モンスター娘が働いている店は奴隷として使っている。だが、ここで働くモンスター娘は奴隷じゃない。
「本当はお酒じゃないの?」
俺は悪ふざけで冗談を言ったら、
「なっ!な、な、なんでわかったんです!?」
えっ?マジで?
ドラゴンは確かにお酒や女に弱いことはゲームやアニメで知ってたけどガチなん?
「おっ、お酒なんだ。そっ、そうだよね♪」
「うぅ…そうです……ぐすん」
「わぁー!泣くな泣くな!!雇うから泣かないで!!!」
「えっ!?雇ってくれるんですか!」
必死に涙をこらえている泣きそうな目で尋ねてきた。
もう後には引き下がれない。男は度胸だ!
あれ?女は度胸だっけ?
いや、そもそも俺は今女だし……
とっ、とりあえず雇うことにするか…
「雇う雇う。お酒は勤務中に飲めるから安心して」
「働いている時に飲めるんですか?やったーー!」
このドラゴン娘は大丈夫なんかな?
「あっ!で、名前は?」
「名前ですか?名前は…『ユミサ・カルタス・ハツトナオサ・ユモラス・パブリ』です♪」
長っ!
「ならユミサでいい?」
「はい!これからよろしくお願いいたします♪」
彼女は豊かな胸をユサユサ揺らしながら深々とお辞儀をしたので、こっちも慌てて礼をした。
「クスクス、マスターは堂々としとかないと♪」
体はお前以上の胸をしているダイナマイトボディーエルフだけど、中身は1日1回は礼をする日本人元サラリーマンだから仕方ないでしょ!!
「まぁっ、これからよろしくユミサ」
「はい!マスター」
これからこの店はどうなるんだ…
はぁ~、気が重い……....
とりあえずユミサは働くために服を沢山買った。もちろん下着も。
服や下着、化粧品などの働くために必要な物は経費が落ちる。領収書をもらって俺に渡せば、使ったお金が返ってくることはドラゴンのユミサは知らなかった。
だから一緒に町に行き、こちらの業界で有名なランジェリーショップに寄ったりした。
ユミサが買ったのは紫色の下着だが、胸の所は乳袋だがその下からはレースがヒラヒラしているタイプだ。男だったら襲ったのに……
チッ!
神はわざわざ俺を女にしやがって、クソ!
ペッ!ペッ!
俺が神を恨んでいると、ユミサが買ってきた。
「こんな高いの買っても大丈夫なんですか?その『けいひ』?ってのでなんとかなるんですか?」
ユミサは高いの買っても経費が落ちるのかと心配していた。
「大丈夫大丈夫、経費はちゃんと落ちるから」
「よかった~♪」
「領収書はもらった?」
「紙もらいました。これです」
「そうそう、それそれ」
その後、店に帰ってユミサに下着と服の領収書をもらってから領収書に書いてあった金額を足して、『150000イン』渡した。
彼女はびっくりしたが俺からしたら当たり前の事だ。
俺が持っているマンションの一室に案内したら、彼女は寝酒を頼んできたから俺は一緒に飲む事にした。寝酒にビールはどうかと思ったが在庫にこれしかなかったからビール瓶を2本持って上がった。
いい感じに酔ったユミサは布団に入るなり、寝た。今日はいろいろあったからな…
「おやすみ」
そう言って、俺は仕事をしに自分の部屋へと戻った。
13
新しく入ったユミサが酒場であまりお酒に強くなさそうな30歳中間の成金男を接待している時に、酒好きドラゴンのユミサが何杯もウォッカを飲むもんだからその成金はトイレに行ってくると言うとユミサから逃げるようにレジに向かった。
ユミサは呑気に飲み続けていたけど、俺が止めた。ユミサは不満気に、
「マスターは何杯飲めますか?」
彼女は何杯も飲んでいたが、まだ飲めるようだ。
面白い、いいだろう…
受けてやる!
「普通に勝負するのは面白くないから、賭けない?」
「マスター、私は勝ちますよ?」
「あら、ユミサは余裕なの?なら…負けたら尻尾握るからね♪」
「なっ!?べっ、別にいいですよ!マスターが負けたら胸をさわさわしますからね!!」
彼女は怒りか恥ずかしさのあまり、赤い顔でプルプルと震えていた。
まぁ、別に負けてもいいけどよ♪
だって、俺が勝つ事は変わらないからな♪
コルンが審判として名乗り出たから、任せた。
「両者いいですね?」
「「来い!!」」
「レディー……ゴー!!」
合図と共に飲んだ。
ウォッカが20ml入っている小さいガラスコップをガバガバと飲み干していった。
かーー、辛い!さすがウォッカだな…
だが負けれん!!酒に強い九州人をナメるなよ!
ユミサの方は、始めはペースが早かったが今は遅い。この調子だと70杯位で終わりだな…
行けるぞ!
「ユミサ、口程でもなかったね♪」
と飲みながら言うと、
「マスター、これからですよ♪」
と言った。
俺は少し考えた。すると、ユミサは始めのペースより早く飲み干していった。
まるで水を飲んでいるように……
終わった……
結局、俺が96杯でユミサが148杯だった。
喉が焼けるように痛いが、頭もガンガンしている。もう懲り懲りだ………
「マスター、私が勝ったから揉みますよ♪グヘヘ」
ユミサは下品な笑い方をしながら揉む仕草で近寄って来た。
今ここで揉まれる訳にはいかないから、ユミサを連れて俺の部屋に帰った。ユミサはビール瓶を持って楽しそうにしていた。こいつまだ飲むの?
そんな事を思っていると、部屋に着いた。
「ほらユミサ揉め……」
俺はベッドに座ると小声でそう言った。
ユミサはにんまり笑うと、俺の大きい乳を下から持ち上げて、重量を確かめた。
「ほほ~♪マスターのおっぱいは大きい割にはいい形をしてる。しかもエロい……」
彼女はそう言うと、激しく揉み始めた。
まず俺の乳を下から上と撫で、そして少し撫で下ろすと乳首を指でくるくると回す。
「ちょっ!はぁぁん!ちょっと待って!!」
「なんですか?マスター?」
彼女は一度手を止めた。
軽く、女の体でイきそうになったわ……
「そんな感じで揉むの?」
「えっ?人間はこうやって揉むって書物に書いてあって……」
書物?
ひょっとしなくてもアレだよなぁ……
「あのねユミサ、その書物に書いてあったのは違う……」
「えっ!?違うんですか?」
やっぱり知らなかったんだ……
「うん、アレは揉んでからヤるんだよ…」
「そうなんですか!?」
「そうだよ……だからもうおしまい………」
これ以上揉まれると俺が持たない…
てか、そんなしょんぼりしても揉ませないからな!!
「はぁ~……とりあえず、お酒は1、2杯にしてね……」
「は、はい………」
彼女はしょんぼりしながら部屋を出ていった。
けど、女の体は面白いな……
グヘヘ、こんな生活もいいな♪14
14
工藤琥太郎は人間をやめた。
この姿を見たらわかるだろう。誰でもわかる。だって、ロングヘアーの金髪でブルーアイ、Qカップあるおっぱいで外国人ぽっいが耳が横に長い『エルフ』の美女になっているのだから。
その姿になったのは約8ヶ月前の事だが、前世ではサラリーマンとして働いていた。うっかりキャバクラ帰りに事故って死んで、起きたら今では見慣れたこの広い部屋にチャイナ服で椅子に座っていた。
最近の出来事は勇者をドMに調教したり、ドラゴンのユミサを雇ったりした。あはは、懐かしいなぁ~……
てか、その前に男から女になったのはどう言うことだーーー!!!
大事なことだからもう一度言っとく、なんで性転換したんだーーー!!!
そんなこんなで異世界に転生したら性転換していた月日はあっという間に8ヶ月経った。
もうすぐそっちの世界と平行していると思われる異世界にも『冬』が来た。
「え~、明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!!」
俺はちょっと高い台に立って、そう言った。
「「明けましておめでとうございます!!」」
俺の目の前にいる女の子達は全員、俺の店『迷えるダンジョン』で働くギャバ嬢達だ。
しかし彼女達はただのギャバ嬢じゃない。
彼女達は犬族や人狼族、スライム族などモンスター娘が多い。この世界ではそう言う娘を奴隷として売買されている。
でも俺の店に奴隷はいない。全員俺が買い、自由に生きなさいと解放したが、みんな口々に「ここで働かせてください」と言う。
我ながらいいハーレム作れたぜ!
でも、俺も女なんだよなぁ~……
まぁ、この国の風俗商会のトップだから商会の方にも挨拶に行かないと……
「うげ~~……」
「どうなされましたかマスター?」
ロングヘアーの銀髪が美しいキナシが俺の顔を覗いてきた。
「う~ん?あ~~、商会の方に行くけどついて来てくれる?」
「商会の方にも挨拶にですね、しかしあそこは……」
キナシは少し、ばつが悪そうに答えた。
「あそこに来る暇人はいるでしょうか…」
確かに………
「とりあえず行こう。転移アイテム使うからまずは外行かないと」
そう、風俗商会に属している店長はある場所に転移しないといけない。それも魔法ではなくて、アイテムで転移だ。
なぜアイテムによる転移かと言うと、その場所は聖なるところらしい。俺にとっては関係ないと思っていたが、魔法を使うと少し疲れるからアイテムを使うことにした。
転移アイテムはアイスの棒のような物もあれば魔方陣が書かれている紙といろいろあるが、一番使われる転移アイテムは『指輪』だ。
指輪は転移アイテム以外にも攻撃や防御などのアイテムとしても多く見られる。
足元がレース満載なのにどこか大人らしい背中が大きく開いた黒色のドレスを着た。この姿にも慣れたから着替えるのも早くなった。
キナシは聖騎士のような紋様が右胸に書かれている銀色のつや消しされた鎧を着ていた。
俺はキナシと手を繋ぐと、
「グサン・ホタバン」
っと、唱えた。すると人差し指にはめている転移アイテムの指輪が白色に発光すると、俺の店の中庭から木々が沢山生えている森へと景色が変わった。
「着いたね♪」
「えぇ、着きました……」
俺らはそう言って振り返った。
そこにはギリシャのパルテノン神殿のような建物があった。
パルテノン神殿はアテナイのアクロポリスの上に建設された、アテナイの守護神、女神アテーナーを祀る神殿だ。古代ギリシャの建築技術を現代に伝えるドーリア式建造物の最高峰であると見られている。そのため、世界遺産になっている。
そんな事はさておいて、そんな世界遺産擬きに入っていった。
高さは15mの廊下が松明で照らされている。数十mキナシと何気ない話をしながら歩くと質素な木の扉が現れた。
俺は細い両手で押した。
そこには丸い大きいテーブルが置いてあり、回りに5個の椅子が並んでいた。1個だけは金色で豪華な装飾をしている椅子があり、俺はそこに座った。
テーブルには赤ワインが入れてある金のコップに、牛肉のステーキが盛ってある銀色の皿が1席ずつに置いてあった。
俺とキナシは早く来たみたいで誰もいなかったから、ここの管理人にいつ集まるかを聞いた。
すると、「5分もしないで集まります」と答えてくれた。
俺とキナシはしりとりをしながら遊んでいた。すると、俺らが通った廊下を誰かが歩いてきた。ドアの目の前に着いたみたいでドアが開いた。
そして彼らは現れた。
15
この世界では勇者アナッテを祀る聖なる神殿『チベンスパッシュ神殿』があるが、今では忘れられた神殿だ。それをいいことに、俺が商会長の風俗商会『ディカシヒラ』はそこを拠点としている。
ディカシヒラは俺を合わして15人構成だ。そこに入るには店の売り上げ額を月額で1000000イン以上の会入金がいる。会入金はこの神殿の維持費やこの国の風俗店の取り締まりとかに使う。
確かに月額はキツいが、会入したら「ディカシヒラ」と言う客が安心して来やすいもうひとつの看板を貰える。だが偽物の看板を使う店もあるから会入している店の名前を書いたチラシを配ったり、変装してパチもん店がないか見回りしている。
そんな事より、こっちの世界では新年になった。街のあっちこっちでは飲んでいる酔っぱらいの大人が多いが、俺とキナシがいる神殿には東洋人のような黒髪や黒目に、家紋が入っていない黒色の裃を着た男二人組とピンクのドレスの裾に白レースを付けている金髪美少女とメイドが入ってきた。
「「おや、商会長殿」」
「ほほ~、長殿は早りんしたね」
「あら、新左衛門さんとアリスちゃん」
男二人組の彼らは二人合わせて新左衛門らしい。そんな双子の彼らだが、兄弟で国の東部の大きい風俗店を構えている。
次にお人形のように可愛らしい少女はアリス・ハサシスミと言う。彼女は北部で外見はロリだが中身は150歳以上が沢山いる風俗店を構えている。物好きな野郎は相当いるらしく全国から来るらしい。メイド姿の秘書は大人だがいいのだろうか…
「今日の集まりでは一体何を話されるのですか?」
「え~っと、新左衛門さんは聞いてませんか?」
「確かに儂らは知っているが新左衛門は忘れやすいからの~…」
確かに忘れやすい人達だけどそんな可哀想な目で見ないであげて!
ほら!二人して落ち込んでるし…
「きょっ、今日は年明けなので飲みませんかと去年の冬の集会の時に通知したはずですけど……」
「そうでなんですか!?今日は飲むぞ!!」
「兄者、おらも飲みたい!」
アリスちゃんはのんきに見ているがケンカ始まりそう…
でも安心しろちゃんと兄弟揃って飲めからな!
だから刀を抜こうとするな!!!
「安心して下さい、お供の方々も飲めますから……」
「「「えっ!?」」」
おい、メイドも嬉しそうにするな!主人の前だろ!!
「全員飲めますからね」
後は西部と南部の方々が来れば宴の始まりだぜ♪しっかし遅いなぁ~…
「ところでアレックス殿とリン殿はいずこに……」
「まだ来てませんねぇ……」
アレックスは西部に店を構えていて、店員達のカウボーイチックな服装が有名で人気もそこそこある。一方リンは南部に大きな店を構えているが、ちょっと話に訛りがある。
そろそろ足音も聞こえて来たから来るかもな…
どっちが先だ?
ドアが開くとそこには、アレック……
「えっ?あっ?女王様!!?」
なんでドM勇者が!!??
訳がわからんが、国王の城に転移しろ!!
「ヴィアイ・ホーク!!!」
クソ勇者は青く発光すると消えた。
助かった~……
「あの~、商会長殿…今のは………」
「忘れなさい!」
「「はっ!はい!!!」 」
いや!もう記憶から消してしまえ!!
「シンナマ・ヘカサー!!」
俺は勢い良く立ち上がると、この場にいる全員に今さっきの出来事を忘れさせるために忘れさせる魔法を使った。
まぁ、その後は何事も無かったように時が過ぎた。やっとアレックスとリンは来た。
アレックスは新聞の取材を受けていて遅れたらしく、リンは寝坊だった……
「では皆さま、今年もよろしくお願いいたします!乾杯!!」
「「「「「かんぱーーい!」」」」」
乾杯をし合うとワインが入った金のコップがコツンといい音を上げる。
ワインを一気に飲み干すと、2杯目を各自で好きな酒を注いだ。ビールは無かったはずだが、アレックスはどこから持って来たのか瓶ビールを開け始めていた。
……、………
そして俺らはいい感じに酔ったり食ったりした。キナシが飲み過ぎて気持ち悪くなったようで俺らはお開きにした。
なんだかんだで楽しかった集会から店の中庭に帰って来た。
今年もいい一年になりますように!
16
さて、今年も初めてすぐに飲んだ俺とキナシは俺の部屋にある豪華なベッドで寝ていた。寝たと言っても、あんなことやこんなことをするわけではない。そろそろ起きるか…
「そろそろ起きるぞキナシ」
「うぅぅ…」
なんだ?
まだ気持ちが悪いのか?
「大丈夫?」
「頭がガンガンして痛いですが大丈夫です……」
あっ、二日酔いね…
二日酔いになると、少しうるさいだけでも頭が痛くなるんだよねぇ~……
水がいいと聞くけどウコンとか無いよなぁ~……
俺も頭が痛いけど仕事があるからゆっくりもしてられない。
仕事と言っても警備配置や売り上げ、#酒樽__さけたる__#の仕入れとかの事務的な仕事だ。割りと前世のサラリーマン生活が役立つから楽と言えば楽である。だが残業をしなくていいのは嬉しい。
そんな事よりキナシを起こして持ち場に就かせないと…
って、また寝てるし……
「ほらキナシ起きて!」
俺がキナシに添い寝しながら起こすと、彼女は俺の尻を揉みやがった!
「マスターのお尻やわりゃか~い…」
確かに俺の尻は白くて形も良くて、もちもちしていて気持ちいいが…
って、そっ、そんな事はどうでもいい!!
「ほらキナシ起きて!起きないと朝食無しだよ!!」
「そんなっ!?起きます起きます!」
彼女は狼の耳が頭に生えた状態で起きた。
「キナシ、朝食で気持ちが高まるの?」
「えっ!?そっ、そんな事はございません!」
嘘だな……
「そんな事はいいからとりあえず…」
「とりあえず?」
「私のお尻を揉むのやめて!」
このやり取りを初めて、今の今まで揉み続けていたんだ。ちょっとムラムラしてきたけどさ!
「もっ!申し訳ありません!!」
「わかったから、揉むのやめて」
彼女は渋々と揉むのやめてくれた。
「朝食を食べに行く?」
「今からですか?でもこんな時間に開いてる店など……」
「あるでしょ?ここが♪」
「それでも今は…」
「私が作るの」
「マスターの手料理!?」
そんなに嬉しいの?
「それじゃ~、料理場行こうか」
「はい!!」
元気だなぁ~、頭痛かったはずだけど……
とりあえず卵焼きと味噌汁か豚汁を作るか。
俺とキナシは2階のバーの調理場に向かった。
……、…………
タイムスリップしたような昔のエレベーターから降りた俺たちは、バーの後ろの業務用の冷蔵庫やIHコンロが埋め込まれている調理台がある15畳の狭すぎない調理場に居た。卵焼きと味噌汁か豚汁を作るからまずは味噌汁か豚汁にしろ味噌を溶かさないと…
「キナシ?味噌とって」
俺は鍋に張った水が沸騰していることを確認して、味噌をとって来て頼んだ。
「えっ?あっ、はい!」
彼女はそう言うと、普通の冷蔵庫が何台もあるような横に長い冷蔵庫から味噌の入ったガラス容器を持ってきた。お玉ですくって鍋で溶かすためさえ箸で始めるた…お玉から味噌がなくなる前にキナシに切るのを頼んでいたネギを入れた。後はネギが少し柔らかくなるまでに卵焼きを作らないいけないけど、卵は2つでいいか?
とりあえず2つでいいや。
まずは四角のフライパンにオリーブを入れて全体的に回して、暖かくなったのを確認して溶き卵を少しずつ入れて、焼けたらクルクル回して、また少し入れて回して卵焼きを作った。それを合図に味噌汁も完成した。
後は白米がいいがパンでいいや。
俺はキナシが用事が無くて先に座っていたカウンターに卵焼き、味噌、パンの順番に置いていった。パンは中にバターが入っているバターパンだ。
キナシは珍しそうな目で俺が作った料理を見ていた。
「エルフ族に伝わる料理ですか?」
キナシは本当に知らないのだろう…
俺はこの料理は東の国ではよく食べられる事を1から10まで教えた。無論、こっちの世界では東西南北関係なく知られてないどころか存在しない。
「では、いただきます!」
彼女はそう言うと、フォークとナイフを持って卵焼きを上品に肉を切るように切って食べた。すると、美味しかったのか食べるペースが上がった。
さて、手抜きの朝食を食べたキナシはまだ頭が痛かったらしく頭を押さえていた。
「警備に支障が出そうだからもう治すよ♪」
「ほへ?」
キナシは可愛らしい声が出たが、俺は魔法を発動させた。
「イグニス・ドラナー」
この魔法は、状態異常やケガや病気などを治す事の出来るS#級__クラス__#の魔法だ。ほとんどの冒険者や医者はB級な為、回復アイテムや薬草を使っている。
「どう?」
「頭が痛くありません!さすがマスター!」
彼女は嬉しそうに尻尾を振っていた。モフモフしたい……
さてと治した事だし、配置に戻してと……
「キナシ、配置に戻っていいよ♪」
「そんな!?」
なんでだよ!戻れよ!!
「いいから戻りなさい!」
「は、はい……」
そんなに戻りたくないアピールしてもダメだから!だーー、後ろをチラチラ見ないで早く戻れ!
ナイスイベントが発生したのに部屋に帰り着いて気付いて後悔していたら、不幸は続くもので使った調理台や道具、皿を洗い忘れていた俺は、オーナーなのにシェフ達にこっぴどく怒られた……
17
キナシは某ブレンド社が『迷えるダンジョン』のために出している緑の濃いウールジャケットの上につや消しされた黒色の中世の英国騎士のような肩パットを着用し、ウールミニスカートの下に黒タイツの25デニールを履いていた。
ちなみにウールジャケットの下にはコットン素材のシャツを着ているが首もとが少しチクチクするが彼女は慣れた。ざっと言えば某軍隊の装備に異世界感が混ざりあった装備だ。彼女はそんな装備で店の門前でKar98kぽいボルトアクションライフルを持って同じ装備をしたケルベロスの『シンナリン』と共に立っていた。
知ってる人もいるだろうがケルベロスは顔が3つの犬で、ギリシア神話に登場するハーデスが支配する冥界の番犬で『底無し穴の霊』とも言われている。
しかし、こちらでは風俗店『迷えるダンジョン』の門番を顔が3つない#人間__仮の姿__#で美人としてこなしいている。
実は主人のエリザベスに最近召喚された新人だが、警備室にいる時は長年していた門番と言う仕事からの貫禄があるため、雰囲気からして怖い……
だが主人の前では他の#警備員やキャバ嬢達__主人を独り占めしようとするライバル__#同様にメロメロである。また警備室以外なら愛想笑いだがニコニコしている。「さすが犬だな~…」とキナシは思っていた。
主人に警備配置に戻されるまでキナシは朝に主人の手料理を一緒に食べれて幸せだったが、警備室に戻るまで自分が特別だと思えてドキドキしていた。そのため途中で狼に戻ってしまったりした。
そんなラッキーイベントがあった彼女は新年明けて少ししか経っていない寒い日の夜に、門前で警備のために立っていた。
「寒いなぁ~…」
っと、彼女は今日も大繁盛している店の前で小声でぼやいたが、隣に立っていたシンナリンは聞こえていたため、「一度警備室に戻れ」と言われた。実はシンナリンも寒かったが主人に気に入られるためにやせ我慢している。キナシも負けじと頑張ろうと思ったが、風邪を引いてもなんなので、警備室に戻りコートを二着持ってきた。コートを羽織り暖を取ったキナシは門前に立っているシンナリンにコートを上げた。
「はい、シンナリンのコート持ってきた」
「えっ!?あっ、ありがとう……」
キナシはそう言うと配置に戻った。
シンナリンは予想外のことが起こりびっくりしていたが、コートが暖かかった。キナシは母性本能が目覚めたのかシンナリン用のコートを抱え込みコートを着てから暖めていた。
シンナリンはそんな思いやりに気付き、キナシを尊敬した。
「キナシ殿、ありがとう」
彼女は本当に小さい声で呟いた。
門番交代の警備員二人が来たため、キナシとシンナリンは警備室に戻り、#仮眠ベッド__ホットラック__#で横になった。シンナリンはキナシに「一緒に寝たい」と言ったものの、キナシはだめだと怒った。彼女達はそう言うと別々の仮眠ベッドに潜り、寝た。
キナシはいつも通りの主人とラブラブな夢を見たが、シンナリンは主人とキナシの#百合__ユリ__#3Pの夢を見た。
そんなことも知らない主人のエリザベスは、事務仕事で必死だった。