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警備

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キナシは某ブレンド社が『迷えるダンジョン』のために出している緑の濃いウールジャケットの上につや消しされた黒色の中世の英国騎士のような肩パットを着用し、ウールミニスカートの下に黒タイツの25デニールを履いていた。

ちなみにウールジャケットの下にはコットン素材のシャツを着ているが首もとが少しチクチクするが彼女は慣れた。ざっと言えば某軍隊の装備に異世界感が混ざりあった装備だ。彼女はそんな装備で店の門前で木製ストックの後方の穴の部分に鉄の金具が嵌め込まれた手動で排莢するボルトアクションライフルを持って同じ装備をしたケロベロスの『シンナリン』と共に立っていた。

知ってる人もいるだろうがケルベロスは顔が3つの犬で、ギリシア神話に登場するハーデスが支配する冥界の番犬で『底無し穴の霊』とも言われている。

しかし、こちらでは風俗店『迷えるダンジョン』の門番を顔が3つない#人間__仮の姿__#で美人としてこなしいている。

実は主人のエリザベスに最近召喚された新人だが、警備室にいる時は長年していた門番と言う仕事からの貫禄があるため、雰囲気からして怖い……

だが主人の前では他の#警備員やキャバ嬢達__主人を独り占めしようとするライバル__#同様にメロメロである。また警備室以外なら愛想笑いだがニコニコしている。「さすが犬だな~…」とキナシは思っていた。

主人に警備配置に戻されるまでキナシは朝に主人の手料理を一緒に食べれて幸せだったが、警備室に戻るまで自分が特別だと思えてドキドキしていた。そのため途中で狼に戻ってしまったりした。

そんなラッキーイベントがあった彼女は新年明けて少ししか経っていない寒い日の夜に、門前で警備のために立っていた。

「寒いなぁ~…」

っと、彼女は今日も大繁盛している店の前で小声でぼやいたが、隣に立っていたシンナリンは聞こえていたため、「一度警備室に戻れ」と言われた。実はシンナリンも寒かったが主人に気に入られるためにやせ我慢している。キナシも負けじと頑張ろうと思ったが、風邪を引いてもなんなので、警備室に戻りコートを二着持ってきた。コートを羽織り暖を取ったキナシは門前に立っているシンナリンにコートを上げた。

「はい、シンナリンのコート持ってきた」

「えっ!?あっ、ありがとう……」

キナシはそう言うと配置に戻った。

シンナリンは予想外のことが起こりびっくりしていたが、コートが暖かかった。キナシは母性本能が目覚めたのかシンナリン用のコートを抱え込みコートを着てから暖めていた。

シンナリンはそんな思いやりに気付き、キナシを尊敬した。

「キナシ殿、ありがとう」

彼女は本当に小さい声で呟いた。

門番交代の警備員二人が来たため、キナシとシンナリンは警備室に戻り、#仮眠ベッド__ホットラック__#で横になった。シンナリンはキナシに「一緒に寝たい」と言ったものの、キナシはだめだと怒った。彼女達はそう言うと別々の仮眠ベッドに潜り、寝た。

キナシはいつも通りの主人とラブラブな夢を見たが、シンナリンは主人とキナシの#百合__ユリ__#3Pの夢を見た。

そんなことも知らない主人のエリザベスは、事務仕事で必死だった。


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