魔法を込めた石を作った
オークを投石で倒すには急所に確実に当てる必要があり、不意打ちでないとなかなか効果がでない。なので武器を変えるか、石の威力を上げるかどっちかなんだけど、今更ほかの武器の訓練なんてできないので、石の強化を考えてみた。
俺の魔法で石を強化できるのか?投げて敵に当たったら魔法が発動するような仕組みが欲しい。前の世界でいうと手りゅう弾みたいなものか。あれはピンを抜いてから一定時間で爆発するんだっけ?
試しに、ぶつかったら水がでるようなイメージで魔力を石に込めてみる。石が水色になった。魔力の消費もさほどないようだ。試しに的を作って投げつけてみる。石がぶつかると石からちゃんと水があふれてくる。1Lほど放水したところでただの石に戻った。
この方法で火とか氷の魔力込めれば、今日よりは威力が増すかな?あとは飛んでる最中に重くなる石とかいいかもしれない。質量保存の法則とか無視だけど、いいんだろうか。それをいったら俺の魔法で物質を作ってる時点でおかしいな。
でもこれって俺の手作りになるから、結局それほど数が用意できないし、襲撃あるたびにこの作業するのめんどくさいよなあ。コボルト達だけで作れるいい武器があればいいんだけど。
あとは近付いてきた時ように槍を用意した。オークにも槍は有効だけれど、一度刺さると筋肉に刺さって抜けないことがあるようなので予備を大量に用意する必要がある。ああ、武器とか作れる仲間が欲しくなってきた。どこかにドワーフとかいないかな。
そんなことを考えつつ、せっせと武器を作成していった。それを見ていたコンが俺の真似をして、石に魔力を込めている。え、これってそんなに簡単にできることなのか?
『コン、おてつだいがんばるよー』
『ああ、ありがとうな。助かるよ』
なんでもできるようになっていくコンが末恐ろしい。
俺が魔力を込めた石をスライムが狙っていた。がんばって作ったのに、ただの石にされたら困るので、強めに言い聞かせておいた。どうやら俺の魔力は相当おいしいらしい。
お前も手伝えというと、スライムは石を取り込んでなにやらしはじめた。出来上がった石は橙色に染まっていた。ためしに投げると、ドロッとした液体があふれ出し、的を溶かしていった。
『あにきー、これつかえそう?』
『ああ、これはいけるぞ。がんがん作ってくれ』
『はーい、あとで魔力ちょうだいねー』
スライムはちゃっかりしているな。
これで投げる石の強化はできた。前より大量のオークが現れても対処できるだろう。
短いです。
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