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山へ行こう

 冒険者達を奇襲して倒した俺達は、川を下るのをあきらめて家に戻った。冒険者達は川の下流に向かって逃げていたところから推測すると、おそらく下流のほうにいけば、街道か町があるのであろう。今日はさすがにもう人間達には会いたくない。

 家に戻ってから、魔法の練習をしたり、ピーちゃんやコンと遊んだりして過ごした。




 人間達がゴブリンの群れに襲われていたにしては、ここ最近は家の近くにゴブリンが来たことはない。ゴブリン達はいったいどこからやってきているんだろうか?川の上流側にあるとしたら、人間達に遭遇する前に俺達の家のほうにやってくるはずである。ということは、川から離れた場所にゴブリンの棲み処があるんだろうか。

 俺が前世で読んだラノベの知識によるとゴブリンは知能が低く、通常は集団行動はしない。ただしゴブリンリーダーやゴブリンキングなどの上位種が生まれた場合、それに統率されて集団行動をとる。20体ものゴブリンが人間達を襲っていたということは、この付近に上位種による群れがあってもおかしくない気がする。

 なるべく平和に暮らしたいから、危険な要因があるならば、なるべく早めに対処したい。とはいえ、とりあえず周囲の探索を続けるしかないんだよね。あとは普段から「探知」を絶やさないように心がけよう。




 翌日は上流へ向かって探索をすることにした。前回はぶどうを見つけるかわりにトレントに遭遇し、帰り道にはピーちゃんの卵を発見した。そう何回も、おかしなことには遭遇しないと信じたい。そして今日こそは山までたどり着きたい。


『今日も探検するよー』

『おーー』

「ぴー♪」


 探索は危険だけれどこの2匹?1匹と1羽か、を家に置いていくのは不安なので連れていくしかない。前回は敵と遭遇した時、1匹と1羽を放置して戦っていたが、さすがに無謀なことに気付いた。

 コンは俺と同じぐらいの速さで走れるので、逃げる場合は心配いらないだろう。問題はピーちゃんだ。逃げる時用に、以前使用しただっこ紐を今のピーちゃんの大きさに作り直した。

 そして俺が戦う時にみんなを守るために、魔法で「結界」を開発した。敵からの攻撃を空間を遮断して防ぐイメージだ。もちろん、空気はちゃんと入れ替わるというご都合主義な仕様だ。さすがにチート過ぎるかな・・・。「結界」からは動けないけれど、俺が解除するか、死ぬまでは有効である。


 これだけ準備すれば、今回は安全にいけるはず・・・。信じてる。





 準備の甲斐もなく、というか甲斐があったというか、無事に山の麓までたどり着いた。が、ここで「探知」にとんでもない反応がひっかかった。「探知」の範囲は徐々に大きくなっており、今なら最大1kmぐらいは「探知」可能である。

 そいつは山の中腹あたりにいるようだ。ゴブリンを100体足しても足りないほどの反応だ。いったいこの山には何が住み着いているのだろうか。


『コンはこの山にはいったことある?』

『ママ、いっしょ、きた。おおきい、あった』

『親狐といっしょに来たことがあるのか。そして会ったことがあると』

『うん、やさしい、つよい』

『そしたらこの辺のことについて聞いてみてもいいかな』


 俺達は、とても大きな存在に会いに行くことにした。

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