表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

第6話 やはり俺は

劇的な4月はあっという間に過ぎ5月の中旬なっていた。

頭脳明晰の俺には全く関係ないが周りがカリカリしている。

そう、中間テストである。

この時期になるとやたらと勉強熱心になるが今さら詰め込んだところで一体どうなるってんだ。


「げいずげっぢだずげでぇ。

どこもかしこもわかんねぇよぉ。」


あぁここにもまた一人。


「仲間くんはまたですか?

たまには自主的な勉強をすることをオススメします。」


「匠の言うとおり、猛だけのために勉強会っていうのもなんかなぁ。」


ホントは今頃梓ちゃんとは勉強出来ていたかもしれないのになぁ。

まだ気持ち捨てきれねぇなぁ。


「けいすけっちはまだあずさっちのこと考えてんのか?

俺が勉強会に呼んでもいいだぜ?」


「マジか!」


「楽勝だぜ。

そのかわり勉強教えてくれよぉ。」


教える教える。

もう体をどこから洗うかも教えちゃう。

でもこの勉強会で距離が縮まるとは思えないし第一に梓ちゃんが言ってた優しくないていうことは一体どういうことなんだろうか。

考えても仕方がないのに梓ちゃんのことになると全部知りたい。

これがストーカーの気持ちか。

今ならわかる気もする。


「神くんひどくキモい顔をしておりますよ。」


匠よ許せ。

俺はまだ諦められんのだ。


「けいすけっち誘えたよぉ。」


「ご苦労。」


フラれたことをなかった雰囲気にしなければ。

そうしなければ梓ちゃんは優しいから気を使ってしまうだろう。

大人スイッチーオーン


「神くんまーた面白そうなことしてるね。」


天使の声が聞こえる。

後ろで梓ちゃんがクスクス笑ってた。

傷ついてるのは俺だけかぁ。


「いきなり勉強会に誘ってごめんね。」


「全然いいよ。

でこっちからも提案なんだけどね、友達呼んでもいいかな?」


天使の友達は天使に決まっている。

ならば猛に恩返しが出来るな。


「オッケイ!」


「じゃ決まりだね。」


嬉しそうにスキップしながら戻って行く天使。

しかし神様は残酷だ。

梓ちゃんはどんくさいからスキップも出来なかった。

早く土曜日なんねーかなぁ。

だが女の子と勉強会などしたことない俺には1つの不安材料があった。

俺より頭が良いやつがいる。

蓮は邪魔だなぁ。

かわいくて整ってる系のイケメンで頭が1番良くて何よりも心が綺麗だ。

勝てっこねぇよ。

天使全員をかっさらってしまう恐れがある。

だからといって蓮だけをはずすっていうのはいささか可哀想な気がする。

あぁ板挟みジャーンボ。


「啓介くんはいつも変な顔してるね。」


蓮それは俺がキモいって言いたいのか?

あぁそうだよ俺はキモいよー。


「蓮はいいよなぁ。

頭良くてイケメンでさぁ。」


「それだけならいいんだけどね。」


蓮にしては後ろ向きな言い方だったけど気にすることがなかった。

気づけなかったと言った方が良かったかもしれない。

この時の俺は自分のことしか考えていなかった。

もっと早く気付いてやれたらと思ったのはもっと後だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ