第3話 春を取り戻す
あれ?ここはいったいどこなんだ?
気がつくと周りがピンク色で俺はベッドに寝ている。
ガチャリとドアが開いて入ってきたのは下着姿の梓ちゃんではないか。
「本日はご指名ありがとうございます。」
えっ!?そういうこと?
大人の階段を一気に5段くらい飛ばしている気がするが構うもんか。
でも体が動かない、何故縛られているんだ。
ガチャリとまたドアが開いて入ってきたのは匠だった。
「とりあえず氏名料金13万とコース料金9万です。」
「ふざけんな匠ぃ。」
と言った瞬間に俺は飛び起きた。
「おはようございます神くん。私が何か?」
ハッ!
良かったぁ夢で。
危うく自殺か刺し違えてもやつを消すところだったぁ。
「いや何でもない。」
「そうですか、ならさっさと支度を済ませて学校に行きますよバカ。」
相変わらずだなぁ匠は。
昨日はあんなことがあったから俺は妙に距離がつめづらい。
さてと今日の目標は、梓ちゃんにちゃんと事情を説明してなっとくさせることだな。
あぁ朝から気が重い。
人間は目標を高く持つといいと言われているが俺はそうは思わない。
自分の目標に埋もれてしまえば何も出来ないじゃないか。
そう、今のこの状況と同じさ。
梓ちゃんとの溝が思ってるよりも深くなったのではないかとソワソワしながら支度を済ませた。
「よぉーす。」
玄関を開けるといつも通りな感じであの二人がいた。
猛と蓮には悪いことしたなぁ。
それこれも匠の発言のせいだ。
あの場を穏便に済ませる方法などいくらでもあったはずだ。
そして何くわぬ顔で一緒に登校しているのがムカつく。
学校に着くと癒しの声が飛んできた。
「おはよう神くん達。」
よし!俺はこの4人の中で1番の存在らしい。
イケメンより上なのは気分がいいな。
しかし、梓ちゃんは以外と傷ついていないように見えるが俺は気を使われただろうか。
「お、おひゃよう梓ちゃん。」
うわっダサキモッ俺。
だが俺には今日やることがあるのだ。
そのためにまずは!
「昨日の今日であれなんだけど、放課後空いてるかな?」
「うん。私も丁度言おうと思ってたところ。」
「じゃ放課後校門で。」
梓ちゃんも気を利かせたのか真面目な顔をしていた。
だが計画第一段階終了だ
まぁ第一以外考えてもいなかったが。
まぁ、話しかけても無視されたら終わりだったんだが。
1度は失いかけた春なんだ、大事にしかし大胆に動こう。
これから始まるんだから。