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第14話 波乱の幕開け

俺は朝から学校の机で手を組みながら今日何をされるか悩んでいた。

何故なら俺は昨日勝負に負けた。

別に賭けなどしてもいないのに紅茜というドSお嬢様によって何かをされることになった。

あんなドSお嬢様の下で働いている黒薙楓のことだ。

屈辱的な何かを要求するに決まっている。

そうなれば梓ちゃんにも完璧に嫌われてしまうかもしれない。

俺は恐怖と絶望で眼帯がベチョベチョになるくらい汗をかいていた。


「神くん大丈夫ですかぁ?

顔色が優れないようですね。」


匠は俺が何故こうなってるのかがさも知らないかのように話しかけてきた。

あのお嬢様もそうだが俺の周りにはドSの人間が多い。

そんな蜜は俺には塗ってないはずなのだがな。


「いやぁホント楽しみですねぇ!何を要求されることやら。」


うざってぇ。

そのあとも色々喋りかけてきたが全てを無視した。

次に話しかけてきたのは猛と蓮だった。


「啓介くん大丈夫?

すごい汗だから僕のハンカチ使う?」


「レンレンそんな同情はけいすけっちに対して無礼だぞ。

男なら潔く…散ろう!」


「散るのかよ!」


「そんだけ元気があれば大丈夫だな!」


猛は元気づけようとしたみたいだがイライラが貯まっただけだった。

あぁ辛い!さっさと来いよ黒薙楓!


「何をそんなに焦っているのですかこの中二病。」


「うわあああ!」


あまりにビックリし過ぎて俺は椅子から転げ落ちた。

それを無表情で見下ろす黒薙楓とウフフって感じの表情の紅茜がいた。

あっ!お嬢様は白の純白、御付きの方は黒のレースなのね。

じゃなくていつからいたんだこの二人は。

まさか忍者の末裔とかってオチは…ないよね?


「大丈夫なのですかぁ神啓介。

これから楓はもっとすごいことを要求するかもしれませぬのにこの程度で驚いて。」


もっとすごいこと!?ウフフと笑う紅茜の表情からは悪いことにはならなそうな気がする。

だがドSお嬢様のことだから違う意味で楽しみっていうこともあるか。


「どうでもいいが早く立て中二病!先程から覗いているのが丸わかりだ。

貴様には放課後に処分を言い渡す!」


もはや処分されるのね俺。

死ぬことより辛いかもしれないこの恐怖をまた後数時間も耐えなければならないとは。

誰か殺してくれ!


「神くん辛いことだったらちゃんと断るんだよ。

私も一緒に謝ったりするから。」


いややっぱり生きたいですはい。

梓ちゃんはいつも優しいけどこれは俺が招いた種だから俺が解決しなければ。


「ありがとう梓ちゃん。

俺頑張るよ。」


梓ちゃんに声をかけてもらえて少し気持ちは和らいだ気がしたがやはり不安だった。

それから放課後まで長かった。

死刑宣告された死刑囚の気持ちはこんなものなのかもしれないな。

帰りのホームルームが終わり遂に処分が言い渡される時がきたか。

心配した梓ちゃんと蓮、そしてただ楽しみにしてる猛と匠。

役者は揃った!どんとこい!


「神啓介!覚悟は出来たか?」


「どんな処分でも受ける所存であります!」


「なら言い渡す!

神啓介!私と土曜日に…デデデ…デートしてくれないか?」


教室の時が一瞬止まったかのようになり時が動き出したかのように周りが騒ぎだした。

あるやつはおめでとうと、あるやつは死ねや殺してやるなどの罵詈雑言が飛び交った。

1番驚いているのは俺だ。

俺は絶対嫌われていると思ってたし、何よりこんな展開になるとは思わなかった。


「待ってくれ!俺には梓ちゃんが…。」


「調べはついている。

お前は一度桃井梓に振られているではないか!なら気にすることもなかろう。」


全て分かってこんな事をしてきたのか。

しかし何故俺なんだ?もっとかっこいいやつや頭いいやつならたくさんいると思うんだが。


「では土曜日の9時半に駅前で待ち合わせということで。」


「ちょっまっ。」


俺の制止をに耳も貸さずにこやかに笑っているドSお嬢様を連れてさっさと教室を去ってしまった。

まさか梓ちゃんの前でデートを申し込まれるとは思ってなかったな。


「やったなけいすけっちぃ!新しい恋の始まりだな。」


「俺は梓ちゃん一筋なのぉ!ねっ!梓ちゃん。」


まぁ付き合ってはいないしフラれたけど、だからといって直ぐに違う女の子に目移りするほど俺は安くないぞ。

だが梓ちゃんの反応は違った。


「えっ?でもそのじじ神くんが自分で解決するって言ってたからその私は…私は関係ないかなぁなんて。」


「えっまぁそうだよねぇ。

じゃ俺先に帰るわぁナハハハー。」


目も合わせずに言われた。

俺は梓ちゃんに突き放されたように感じた。

それが妙に悔しくて走って帰った。


「あーあーあずさっちダメだよ今のは。

好きなクセにそんな言い方しなくても。」


「だって…私やっぱり最低かなぁ。」


「えぇ最低ですね。

最低で最悪でクソアマですね。」


波乱の土曜日が始まる!








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