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嫌われ者の王子です  作者: アラベスク
幼少期編
1/4

プロローグ

アルテリア王国という国がある。


建国から三百年という歴史があり、国としての力も大陸で1,2を争う程の強国だ。そんな王国だが現在少しばかり不穏な空気が漂っていた。


それは現在の王ーーアルテリア王国第9代国王エヴァンズ・アルテリアが平民の女性を迎えた事に起因する。


今までの王国の歴史上で王が平民を妻に迎えた事はなく、さらに当時の公爵家の婚約者を押し退けてまで正妻、王妃として迎えたのだ。


当然国は荒れた。


長年王族に仕えて来た貴族達は不満を持ち、特に婚約者の実家、王国筆頭公爵家『リユース公爵家』は本気で怒り、リユース公爵家傘下の貴族と共に反乱を起こしかける事態となった。


宰相がなんとか収めようとしたが上手くいかず、国が二分している状況になったのだ。


が、それをある人物が止めた。


婚約者のアイリーン・リユースだ。


一番辛いはずの当事者たる彼女は父を諌め、自身が第一側室になる事で国の二分化を収めたのだ。


その結果彼女のおかげで国は表向き元の平和な状況に戻ったが、裏では今でも貴族達は王族に対して不信感を持ち合わせている。


ん?なんでこんなこと訳わからん事を長々と語ったのかって?


それは俺がそのアホ国王とアホ王妃との間に産まれた第ニ王子にして、王位継承権第一位のエンフィール・アルテリア様ご本人だからだよ、チクショウめ。



**************************



さて、俺の話をさせてもらおう。まず俺はいわゆる転生者、という奴らしい。


前世では色々な仕事を転々としていたしがないおっさんだった。なんで死んだのかどころか自分の名前すら思い出せないがまぁ、大したことではないだろう。


そんな俺だが今から二年前、三歳の時に庭で遊んでいたら転んで石に頭をぶつける、というしょうもない方法で記憶を思い出した。


そして、思い出すと同時に今現在の自分の立場も理解した。


そう、国を混乱させた二人の嫌われ者の子供だと。俺自身は何もしていないのに嫌われているとはまったくもって理不尽極まり無いと思うが理不尽なのはかつての世界も同じだ。


まぁ、そんな俺だから現在の状況は非常に厳しい。


先程も言ったように俺は平民の女性との間に産まれた子供。そのため他の三人の王子どころか二人の王女より貴族の支持が少ない。


本当に王位継承権が一位なのか気になるところである。


さて、問題はこれだけ支持が少ないと貴族共から暗殺される可能性が高いということだ。


はっきり言って死にたくねぇし、そもそも玉座なんぞまったくもって欲しくもない。元一般人に王とか無理に決まっている。


だからこそ俺は今世でとりあえず二つの事をする事に決めた。

王位継承権の放棄と王族から籍を外す事。


一般人にさえなれば、いざという時に他国にでも逃げればいいし、そもそもある程度面倒事からも離れられる。


魔法とか、魔物とかファンタジー要素がある世界なのだからそれも楽しむのも有りだろう。


しかし、仮にも王族として産まれ育てられた以上なにもしないというのも元日本人として心苦しいし、無責任だと思わなくもない。


なので、王族を辞めるまでは自分の出来る限りのことはしよう思う。


青空をぼけっと眺めながら、そう考えた。














聖暦1042年、この年はアルテリア王国最高の王と呼ばれるエンフィール・アルテリア大王の始動の年であると後の世で語り継がれていく事になる。



アラベスクです。

この作品は私が前に短編で書いた「望まれなかった王太子」という作品を連載版にしたものです。

短編を書くとどうしても後半急ぎ足になってダメになってしまうので、連載版ではなんとかそうならないように頑張りたいと思います。

毎日は厳しいですがなるべく早く更新するつもりなので暇でしたら是非読んでください。

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