橋場英男の場合 08
第五節
結論から言うと、橋場の目の前には見目麗しい三人の女子高生がいた。
洗濯を終えてアイロン掛けたてどころか、おろしたてにすら見えるこぎれいなセーラー服に身を包んでいる。
駆け付けた犯人たちは、全員橋場の「毒牙」に掛かって性転換&女装強制されたのである。
少し離れたところには、乱暴に上半身を破り取られ、閉めるのも面倒なので放置されたことで半ばブラジャーが見え、髪も乱れたセーラー服姿の美少女が縛られている。
「あと職員室に三人、各教室に二人づつか…」
精神的な縛りを掛けられているのか、三人のセーラー服美少女たち…言うまでも無く強盗犯のなれの果て…はその場に直立不動だった。
「あ、とりあえず動いていいよ。その代りその場から歩けないけどね」
そう言われるものの、どうしていいのか分からない。お互いに変わり果てた姿で顔を見合わせるが、自分の身体を見下ろし、全身で女体と下着まで含めた女物の着心地に戸惑う以上に現実感が無い。
目の前のしゃぶりつきたくなる美少女が、ついさっきまでのムサい仲間の男どもだったってのか?
「折角だからディティールを細かくして…」
一番右にいた「犯人」たる女子高生の髪型が何とも可愛らしいショートカットへと整えられ、ヘアピンが刺さる。軽くリップクリームが塗られたらしく唇がより一層つやを増し、そしてどこからともなく細いフレームの可愛らしいメガネが掛けられる。
「あ…」
真ん中の「犯人」の髪形は古風なおさげ髪にまとまっていく。胸ポケットには可愛らしい色のペンが刺さる。
一番左の「犯人」はポニーテールとなり、暑いのかセーラーの袖を二三度折り返してまくっている。
「そんな…これ…は…?」
「とりゃっ!」
ぶわり!ぶわり!ぶわり!と三度も風を仰ぐ音がした。
橋場は順番に全員のスカートをめくり上げたのだ!
「きゃああああ~っ!」
黄色い声がこだまし、「反射的」にめくれ上がるスカートを抑えてしまう“少女たち”。
白いスリップに加え、パンティまで見えたのは言うまでもない。
「ふっふっふ、折角なんでパンティの色まで変えてみたよ。白に…ピンク、そして黒だっ!」
はらりと落ちたスカートを依然として押さえている少女たち。恥ずかしさからか目尻にうっすらと涙が浮かんでいる様に見える。
(続く)