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呉福妹の場合 02

第三節


「だーからウェイトレスの話ね。最近の日本人の女子大生駄目。すぐやめる」

「だか…ら…なんの…」

 折れる様に前のめりになる悪徳警官。両脚が閉じて行き、お尻が膨らんでくる。

「あなたの話聞いて確信したね。これは救いようのないクズあると」

「あ…あ…あああ…」

 悪徳警官が目の前に翳した手が細く美しくなっていく。

 団子みたいだった鼻がすらりと通り、ホームベースみたいに角ばっていた顔が細面に換わっていく。

「な…何だぁ!?…何が…」

 細くなったウェストによってずり落ちたズボンが、大きなお尻に止められた。

 むくむくっ!と乳房が成長する。

「わああっ!」

「お前にお金払ったらその後延々絞られるね。ウチは儲かってるけど、そんなお金はビタ一文ないね。これ、日本語の表現だけども」

「いや…いやあああっ!!」


 別人の様に細く生まれ変わってしまった悪徳警官。その佇まいは、まるで似合わぬ警官コスプレをしている女子大生といった具合である。

 乳房がむぎゅりと締め付けられる。

「ああっ!」

 そして、ブリーフの脇に風が吹き込んできた。

「これ、ひもパンね。身体の脇に生地を出さないのがポイントね」

「なん…の…はな…し」

「あなたの話よ~.アクトクケイカンさん!」

 ピン!と乳房の先端を人差し指で弾く美女。

「あんっ!」

 身をよじる元・悪徳警官。



第四節


 濃い色の警官の制服がみるみるノースリーブ形状に縮んでいく。

 身体の表面にぴったり巻き付く様になり、メリハリのある体型があらわになってくる。

「おー!おっぱい大きいねー男性のお客さん喜ぶのでいいねー」

「そ…そん…な」

 泣きそうな顔で、落ち武者みたいなザンバラ髪を振り乱す元・悪徳警官。

 ぴったりと身体に張り付き続けた服は、ズボンのベルトのみならず、ズボンそのものがぐにゃりと変形し、一体となり、身体を回り込む筒状となった。

「これ…は…」

 上の方から色が朱色に染まっていく。同時に金色の派手な刺繍が全身を覆い始める。

「まー工夫無いけど、基本が一番ね」

 一体となった服は、ワンピーススカートとなって元・悪徳警官の全身を覆い切った。

 全体が朱色地の金刺繍に覆われるのはあっという間だった。

「やっぱりこれが無いと駄目ねー」

 身体の真横から、スパッ!と切れ目が入り、すすーっと胴体の横、わき腹まで迫る勢いですりあがってくる。

「わああああっ!」

「やっぱりスリット必要よー」

「ま、まさか…これは…」

 革靴は、同じく朱色に金刺繍のハイヒールへと姿を変え、元・悪徳警官のかかとの下から押し上げる。

 ザンバラ髪だった髪の毛はしゅるしゅるとまとまっていき、二か所でお団子を形成した。同時にドアノブカバーの様なものが包み込み、結ばれたリボンが垂れる。

「あ…」

 両手の指の一本一本に真紅のマニキュアが入っていく。

「そんな…いやっ!」

 付けまつ毛が出現し、アイシャドウ・チークシャドウが施される。

 チリン!と音がして耳たぶが重くなった。大きなイヤリングが下げられたのだ。

 そして端からぬ~っと唇が撫でられていく。

「やめ…てぇえっ!」

「誰が止めるね」


 そこには、真紅のチャイナドレスに身を包んだ可憐な美女がいた。



(続く)


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