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武林光の場合 11


 第二十一節


 大きく脚を上げて走ることでパンティが見えてしまうことも厭わずに必死にドーム内を駆けた。

 すぐにゼーハー言いながら前方にかがみこんでしまう。

 無意味に重い学生カバンを放り投げた。


 橋場は客観的に自分を見ることは出来なかったが、正にその姿は今時の女子高生である。


 ゆっくりと歩いてくる武林。ポキポキと指を鳴らしている。

「この期に及んで逃げるなよ卑怯者が…」

 橋場の精神が折れ掛かっていた。

 初めての性転換&強制女装を体験してしまい、この後“女として”精神的な絶頂を迎えさせられるのだ。

 いや、「精神的な屈服」をされることになる。

 もうこの勝負は「メタモル・ファイト」に移行していると宣言している以上、この武林という男は必ずそこまでやるだろう。

 はあはあと息が上がっている橋場。

 同期するように視界にちらちらと上下する自らの乳房が入ってくる。

 クリーム色のベストに、真っ赤なリボンのコントラストが強烈に可愛らしい。

 なるほどこんなもの着ていればどれほどブスでもかなりの程度可愛らしく見えてしまうだろう。

 意識すればするほどブラジャーの拘束感が精神にまでめり込んでくる。

 同時に下半身の無駄な開放感も…。


 これまで他人に散々やらかしてきた言葉責めを思い出さずにはいられない。

 自分の場合は、ふくらはぎまで達する長いスカートだから少し勝手が違うが、それでも女物の学生制服であることには違いない。


 橋場はふとあることを思いついた。



 第二十二節


「女に手を上げるのは好きじゃねえ。気持ちは分かるが、大人しくしな」

 こちらに向かって歩みを進める武林。

 橋場はその場から動こうとしない。

「元・男としちゃあ、野郎とキスすんのは気が進まねえだろうが、そりゃこっちだってそうさ」

 距離が更に縮まる。

 コーナーに追いつめられた。

 目の前には怯えた美少女が、可愛らしい女子高生の制服に身を包み、大胆に太ももから先の脚を露出している。

 そいつの中身がさっきまでの学ランの卑怯者であることは、理屈では分かっていても思わず煩悩に負けてしまいそうになる武林だった。

「じゃあ…」

 顔との距離が正に接触する寸前にまで近づいたその時だった。


「えいっ!」


 突如武林が突き飛ばされた。



(続く)


*12を運営さまの指摘により削除します*


武林によって今時の女子高生にされる橋場。いじられます。

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