斎賀健二の場合 11
第十六節
「あっ!」
突然大声を出す副部長。
同時に、部屋の隅にある白線を描くための粉が入った缶が橋場を直撃した。
「うわっ!」
ガン!という鈍く重い音が橋場の脳に響き、同時に猛烈な勢いで白い粉塵が舞い上がった。
「掛かれ!」
周囲の人間が一斉に襲い掛かって来る。
どうやらうめいていたのは演技らしかった。
だが、橋場の目はこの状況であっても痛くて開けていられない状況とはならなかった。
再び襲い掛かって来る半裸…いや、全裸の男どもの間をすり抜け、副部長の背後に回って柔道でいう「裸締め」、プロレスで言う「スリーパーホールド」に捉える。
それほど大柄な男ではなかったのが幸いだった。
「動くな!」
構わず飛び掛かってくる男たちに、ローキック気味の前蹴りを何度も見舞いながら部屋の角に交代する橋場。
副部長の首はかなり締まっていて、気絶寸前だった。
「おい、止めさせろ。さもないと…」
ぐいいいと首が締まる。
「わ、分かった!分かった!分かったからもっと緩めてくれ!死んじまう!」
「口に出して言え」
更に占め続ける橋場の態度に気圧されてか、「下がれ!待て!待つんだ!」と叫ぶ副部長。
全裸の男どもの動きが止まる。
「ふふふ…で?これからどうする積りかね?ここから脱出できるとでも思ってるのか?」
不敵に言う副部長。
「思ってるがそれが何か?」
第十七節
また首に力を入れる橋場。
「ま、待て!待って!待ってくれ!」
「油断させて不意を衝く様な卑怯者と取引する気は無い」
「お、女!女を紹介するよ!女!」
「…何だと?」
橋場の体温が上がった。
「は…ははは…やっぱ、正義の味方も女にゃよわいよなあ」
「詳しく言ってみろ」
「俺には思い通りになる女が大勢いるんだよ。脱法ハーブ漬けにしてあるから言えば言っただけ股開くしさあ、こいつに一晩尽くせって言えば幾らでも大丈夫だから安心してくれよ…ははは」
「貴様にはもう何も言うことは無い」
次の瞬間、副部長の身体に変化が起こり始めた。
「二度とレイプ出来ないようにしてやる」
「は…はは…どうする気だええぇ!?殺すのか!まさか殺すんじゃねえだろうなあ!人殺しは殺人犯だ!警察に捕まるぞゴルァ!」
「…殺さない。殺すよりも辛い苦痛は存在する」
「ぶ、部長…」
周囲の部員たちの方が先に異常に気が付いた。
部長の髪がぐんぐんと伸び始めていた。
身体が小さくなるのに合わせて橋場はスリーパーホールドを締め直した。
「あ…な、何だ?…」
副部長が目の前にかざした手は、ほっそりと美しく長く伸びた指を持っていた。その手首には純白の三本ラインが入っている。
(続く)
*12を運営さまの指摘により削除します*
部長、部員どもをセーラー服姿の美少女にします。
*13を運営さまの指摘により削除します*
筋肉男をセーラー服姿の美少女にしていたぶります。
ひとり逃がしてしまい、おいかけます。
*14を運営さまの指摘により削除します*
見かけない男が部長をブレザーの美少女にしていたぶります。
*15を運営さまの指摘により削除します*
初登場キャラが部長をブレザーにしていたぶります。




