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斎賀健二の場合 02



 第二節


 問答無用で筋肉男のパンチが飛んできたのである。

 橋場は咄嗟にバックステップしてそれを交わしていた。

 多少心構えをしていたことと、筋肉が付きすぎていてパンチスピードがそれほど速くなかったのが幸いだった。

「ぐるぅあああああーっ!」

 この世のものとも思えない雄たけびを上げながら殴りかかってくる筋肉男。

 だが、普通の人間が橋場に対抗できる訳が無い。



 第三節


「ちょっと来てくれる?」

 潮崎美夕しおざき・みゆは突然声を掛けられた。

 振り返ると、そこには転校してきたばかりの生徒である、橋場英男がいた。

「え…なに?」

 美夕はクラスメートの仲良し女子たちとおしゃべりの真っ最中だった。

「聞きたいことがあるんだ」

 美夕は(いぶか)しんだ。

 橋場は余り愛想がいい方ではなく、美夕はこれまで余り喋ったことは無い。

「何よあんた?」

 一緒に話していた小太り気味の女子が威嚇してくる。

 橋場の転校先の高校は、今時珍しいコテコテの学ランとセーラー服が制服だった。

 当然だが全ての女子生徒は漆黒のセーラー服姿である。

 校則で髪を染めることが硬く禁じられていることもあり、大半の生徒が濁りの無い黒髪である。

 女子生徒も余りにも古風な「セーラー服」に抵抗のある向きもあったらしい。だが、公立高校であるため抵抗することは出来ない。

 また、「毎日着る服を考えなくていい」というメリットや、セーラー服独特の魅力などもあり、積極的に不満を漏らす女子生徒はもう少数派だ。

 だが、その希少度もあってか、学校の周囲にはストーカー男がたびたび出没すると噂されていた。

「別に怪しい話じゃないよ。不安なら付いて来たら?」



(続き)


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